解説を聞いたインタビュー記事があります。
立憲民主党のところを見てみたいと思います。
(ほかには、自民党、公明党、共産党、希望の党があります。)
インタビューに答えるのは、幹事長の福山哲郎です。
「「今回の選挙で各党は日本の課題にどう向かい合っているのか」立憲民主党編」
その立候補者の皆さんとともに約束しているのは、
ここにあります「国民との約束」です。
主に5つの項目で約束をさせていただいています。
「ここにあります「国民との約束」」は、
10月11日エントリと10月15日エントリでお話した
「政策パンフレット」のことだと思います。
「政策パンフレット」
このパンフレットをインタビュアーに示しての解説でしょうから、
「三つ目」はパンフレットの「3.」のことだと思います。

三つ目は、自民党政権と最も異なるところですが、
我々は多様性を大切にする社会をつくっていきたいと考えています。
実は、多様性は強さです。
あらゆる差別に反対をして、社会の分断をなくしていきたいと思います。
LGBT(性的少数者)の差別の解消や、
性暴力被害者への支援センターの設立。
枝野さんが国会議員になってから
ずっと提出し続けている選択的夫婦別姓の実現、
障碍者の差別等々についても、我々はしっかりと対応していきたいと思います。
ヘイトスピーチやいろいろな差別、分断が、
ネット上も含めて非常に窮屈な日本社会になっています。
こんなに息苦しい日本の社会は、近年そうなかったと思います。
少し空気を解き放して、のびのびとできる
社会にしていきたいと考えています。
また、(手話を一つの言語として認める)手話言語法は、
枝野さんも私も何とかつくっていきたい法律のうちの一つです。
ここでも選択的夫婦別姓の実現に言及があります。
「枝野さんが国会議員になってから
ずっと提出し続けている」とコメントしていますが、
枝野幸男は民法改正の推進派として熱心でした。
院内集会にもよく出席してお話していたものです。
枝野幸男が代表であるかぎり、選択的夫婦別姓の実現に
立憲民主党は力を入れるだろうと思います。
問題は実現するだけの力を持ち得るかです。
民主党時代は300議席以上の与党になっても、
反対派の抵抗を抑えられず実現せずじまいでした。
もちろん野党ならなおさら無理です。
野党は毎年恒例行事のように選択的夫婦別姓法案を
提出しますが、国会で多数を占める自民党が
いつもろくに審議しないので、廃案になってばかりです。
立憲民主党を中心とする政治勢力が政権を持ち、
かつ選択的夫婦別姓法案を審議、可決するだけの
実行力を持ちうるか、ということになるでしょう。
マイノリティ問題を「自民党政権と最も異なるところ」と
言っていて、これはこれでごもっともだと思います。
自民党は基本的にマイノリティ問題には酷薄です。
性的少数者の課題を人権問題として取り組まなくてよいとか、
同性愛者の人権を守る施策は必要ないとか、
アンケートで臆面もなく答えられるのは、自民党だけです。
「自民党の性的少数者排除」
@人権問題として同性愛者や性同一性障害者らの性的少数者について
取り組んでいくことをどう思われますか?(複数回答可)
●自由民主党【B】人権問題として取り組まなくてよい
A性的少数者の人権を守る施策の必要性についてお聞きします
●自由民主党【E】性同一性障害者への施策は必要だが、同性愛者へは必要がない
性的少数者に関する法整備に関しても、
自民党の提示した法案は「理解増進」という
実効性のないものであって、「差別禁止」ではないです。
その「理解増進」というトーンダウンした法案さえも、
自民党内の反対派によって、失速することになります。
「LGBT理解増進法案・自民で失速」
「LGBT理解増進法案・自民で失速」
性的少数者の差別禁止法について、実効性のある法案を作り
提出を試みたのは、民進党を含めた4野党です。
「LGBT差別禁止法・野党提出案」
インタビューで言及されている
性暴力被害者支援法案も、民進党を含む5党で、
かなり内容のよくできたものを提出していました。
マスコミがほとんど報道しなかったので、
あまり話題になることもなく過ぎています。
「性暴力被害者支援法案・提出」
インタビューで言及はないですが、
国会議員の男女の候補者数をできるかぎり均等にする
「政治分野における男女共同参画推進法案」も、
民進党はかなり主導的に進めていました。
例によって自民党の反対派の抵抗でつぶれていきます。
「政治男女均等法案・自民反発」
「女性議員増法案提出できず」
マイノリティ問題の分野は、民進党を含む
野党がまともな法案を作り、自民党が無理解で
法案成立を妨害するというパターンが多いです。
「自民党政権と最も異なるところ」と、
はっきり言うだけのことはあると思います。
「民進党は政策を掲げないか?」
マイノリティ問題を語るに当たって、インタビュー記事では、
「排除」「分断」ということを何度か強調しています。
一般に差別問題というのは、「おれたち(us)」と
「あいつら(them)」のあいだに線引きをして、
両者の分断を図るというものです。
排除と分断の政治が行われ、そして多くの皆さんが将来を不安に思っています。
このあたりは、立憲民主党の結党のきっかけとなった
小池百合子の「排除の論理」を
意識していることもあるのだろうと思います。
自民党はもちろん希望の党とも対抗するということです。