立憲民主党は選挙区17議席、比例区37議席、
合計で54議席を獲得しました。
(北海道8区の逢坂誠二を追加公認したので、
現在の表示は55議席になっています。)
「朝日新聞デジタル>2017衆院選」
「2017 衆院選 - 毎日新聞」
「読売新聞 衆院選2017」
立憲民主党の公示前勢力は15でした。
3倍を軽く超える議席を獲得したことになります。
そして今回の選挙で唯一、公示前より議席を
増やした政党でもあります。
立憲民主党は大勝したと言ってよいでしょう。
立憲民主党は選挙戦中盤で40議席台の予想が出て、
終盤では50議席を超える予想も出てはいました。
それでもこれだけ取れるとは思わなかったです。
希望の党は選挙区18、比例区32で50議席にとどまりました。
立憲民主党は野党第1党にもなったわけです。
これに関しても、選挙戦後半で立憲民主党は希望の党と並ぶか、
追い越す可能性もあるという予想は出ていました。
本当に希望の党より議席を取るとは思わなかったです。
2012年に民主党が獲得したのは57議席でした。
今回の立憲民主党は所帯が小さくなって、
擁立した候補者もずっと少ないにもかかわらず、
これに迫る議席数を取ったということです。
2012年、2014年に民主党が取った比例は
それぞれ30議席と35議席です。
今回立憲民主党が得た比例の議席は37ですから、
所帯が小さくなったにもかかわらず、
民主党時代より比例で議席を取ったことになります。
民進党からの出身者が大半を占める
野党系無所属は22人が当選しています。
これと立憲民主党の議席を合わせると76議席です。
民主党が2014年に選挙区と比例を合わせて取った
73議席を上回ることになりました。
希望の党から締め出されてやむをえずで、
にわか作りで結党した立憲民主党は
なぜまがりなりにも野党第一党となるだけの
議席を得られたのかを考えてみたいと思います。
政治信念にもとづいた姿勢が「筋を通している」と思われ、
風に流される候補者たちより好感を持たれたとか、
それで政権批判票が立憲民主党に流れたからだと、
メディアなどでは言われています。
それらもたしかにあるだろうと思います。
もっと考えられるのは、立憲民主党にリベラルの命運が
かかっていたからではないかと、わたしは思っています。
民進党が希望の党に合流することを決めたとき、
リベラル・左派が支持する政党はなくなったのか、
それともあきらめて希望の党を支持するしかないのかと、
絶望的になったかたも少なくないと思います。
「民進党が希望の党に合流?」
そこへ「排除の論理」が生み出したとはいえ、
新しく登場した立憲民主党がどれだけ議席を得るかに
いまや風前の灯火となったリベラルの
存続がかかっていると思ったかたも、
たくさんいただろうと思います。
「希望の党からリベラル排除」
「リベラル系「立憲民主党」結党」
さらに立憲民主党は、リベラル・左派の人たちにとって
ちょうど支持しやすい政党でした。
民進党から右派が別れて、リベラルだけの政党が
できればいいというのは、日本のリベラル・左派の
「見果てぬ夢」でもありました。
「立憲民主党・ネットの支持」
立憲民主党がリベラルの支持に合っていたことと、
リベラルの命運がかかっていることとで、
にわかに支持を集めたのだろうと思います。
候補者も支援者もおおむねまじめかつ堅実な
選挙活動を続けていたと思います。
たび重なる立憲民主党は堅調、大躍進という
選挙情勢報道に浮かれることもなく、
目先の議席をひとつでも増やすことに専念していたと思います。
(ネットにはこの状況におよんでなお
他党の批判にばかり興じる支持者も多かったですが。)
「首相側近「自民によく出過ぎている」情勢調査に引き締め」
各社の情勢調査では、立憲民主党に勢いがあると報じられた。
枝野幸男代表は那覇市で街頭演説し、
「少し勢いがあると(新聞で)書かれているが、裏付けがない」と
慎重姿勢を示しつつ、支持を訴えた。
「枝野新党は漁夫の利で大躍進か 原因は保保対立」
「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」の世話人で
法政大学教授の山口二郎氏は、慎重な見方を示す。
「投票行動に直接結びつくとは限らない。
まったく楽観できないし、引き締めていかないといけない。
目標値として30議席くらい取れれば、
野党再編の中核を担えるようにしたい」
自分たちは追い詰められているという意識が、
慎重かつ堅実な選挙活動をさせることになったのでしょう。
10月10日、公示の日の記事で、
山口二郎氏は目標が30議席くらいだと言っています。
実際に取ったよりずっと少ない議席数を
予想していながら、これでも「たくさん取った」という
認識だったということです。
最後に、路頭に放り出されたような状況から
立憲民主党を立ち上げ、圧倒的に不利な状況での
選挙戦を指揮し、ここまでの勝利に導いた
枝野幸男に盛大な拍手を送りたいと思います。