2017年10月29日

toujyouka016.jpg 衆院選・女性当選者の割合

今回の衆院選の女性当選者の割合についての記事です。
結構大きな記事です。

「女性当選1割の「天井」 与党候補少なく世界でも低水準」
「衆院 女性1割の「天井」 今回当選47人 世界でも低水準」(全文)
(はてなブックマーク)

今回の女性当選者の割合は10.1%です。
前回2014年の衆院選は9.3%だったので、
そこから少し増えたことになります。

 
10%を超えたのは2009年以来です。
それでも女性議員の割合が10.1%というのは、
国際的に見れば問題なく少ないほうに入ります。

列国議会同盟(IPU)の女性議員の割合のデータは
まだ更新されていないですが、日本は165位から161位に
少しだけ上がることになります。

「Women in national parliaments」

上位2国(ルワンダ、ボリビア)は
女性議員の割合が50%を超えています。
上位11位までが40%を超えています。
30%を超えているのは上位37位までです。


政党別の女性当選者の割合を見てみたいと思います。




>立憲民主党

立憲民主党は女性候補者が19人で、女性当選者は12人です。
候補者のうち女性が占める割合も高いですが、
6割以上が当選していて、健闘していると思います。

単に「女性候補者を立てる」だけでなく、
「勝てる女性候補者を立てられる」程度に
育っているということだと思います。
全体の当選者の中の女性の割合は21.8%で、
共産党の次に高くなっています。


>希望の党

希望の党の女性候補者は47人で結構多いです。
代表が女性だからか、女性候補者を立てる
意識はあるということでしょう。
女性の当選者はわずかふたりです。

風が吹けばもっと当選したのかもしれないです。
それでも勝てる人を立てられるほどには
女性候補者が育っていないということでしょう。


>共産党

共産党も女性候補者は多く58人です。
その政治的立ち位置ゆえに女性の権利に理解があるので、
女性の人材もそれなりに多いということでしょう。

それでも当選した女性候補者はわずか3人です。
共産党の小選挙区の候補者は、その多くは自分が
当選するためでなく、比例票を掘り起こすためなので、
このようになるのだと思います。

全体の当選者は12人なので、そのうち3人は25%です。
女性の割合はすべての政党の中で、最多となっています。


>公明党

公明党は女性候補者5人のうち4人が当選しています。
当選率は8割と高いですが、もともと公明党は
全員当選を前提とした効率のよい選挙をするので、
このようになるのは当然と言えます。


>自民党

自民党は女性候補者が25人で、そのうち22人が当選です。
当選率は9割に近く、高いと言えます。
これは現在、自民党・安倍政権が圧倒的に強く、
立てた候補者はほとんどが当選することによります。

自民党は全体の中の女性候補者の割合は7.5%と
もともとが少ないので、女性当選者も全体の7.7%で、
他党とくらべて少なめになっています。
自民党こそ、日本の女性議員の割合が低くなる
最大の元凶と言ってもよいでしょう。


一般に野党が勝つと女性議員の割合が増え
自民党が勝つと女性議員の割合が減る傾向があります。
今回の選挙は立憲民主党が躍進したので、
女性議員の割合が増えたと言えます。

それでも立憲民主党は結党したばかりで
全体の候補者が少ないので、女性議員の割合の
増えかたも少しだけになったと言えます。



付記1:

衆院選の各党の女性候補者の割合。
「立憲民主、共産、希望」v.s.「公明、維新、自民」
で、きっちりわかれています。

立憲民主党の女性候補者の割合は24.4%で、
共産党の23.9%より高いのがちょっと意外です。
結党したばかりで時間がなく、候補者を集めるだけで
大変な状況でしたから、女性を率先して候補者にする
余裕もなかったと思います。
それでよくこれだけ集まったと思います。



付記2:

記事の最後に三浦まり氏による次のコメントがあります。
女性当選者は数だけでなく、内容もよくなっているようです。

ただ、当選した47人の顔ぶれを見て、変化も感じるという。
「『男性化』していたり、タレントとしての
知名度を買われただけではなく、
女性の声を代弁できるような人が増えた。
新しい芽は出てきている。

posted by たんぽぽ at 21:51 | Comment(0) | 選挙 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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