全体の順位が低くなる原因となっています。
「ジェンダーギャップ指数2017年」
「The Global Gender Gap Report 2017, Japan」
「日本の男女格差114位 議員数・所得 遠い平等」(全文)
経済分野の中でも、とくに格差が大きいのが「管理職
(legislators, senior officials and managers)」です。
2017年の「管理職」のスコアは0.142で、順位は116位です。
2016年の「管理職」はスコアが0.128なので、
そこから0.014ポイント増えています。
それでも他国の格差改善のレベルのほうが大きかったようで、
2016年の順位の113位から3ランク下がっています。
ジェンダーギャップ指数のデータを見ると、
2017年の「管理職」の女性の割合は12.4%、男性は87.8%です。
女性管理職は1割をちょっと超える程度です。
これはほかの調査と同程度の数値になっています。
少し古いですが、総務省統計局『世界の統計2014』は
2010年近辺のデータを示してあります。
「専門職と管理職の女性比率」
専門職・管理職の女性比の国際比較図。フィリピンはスゴイな。双系社会だからか。日本と韓国は仲良しの位置。 pic.twitter.com/cDVQ6NvDf3
— 舞田敏彦 (@tmaita77) 2014年4月17日
労働政策研究・研修機構の「2014データブック
国際労働比較」はもう少しデータが新しいです。
「コラム・女性力活用の課題」
これらの資料によれば、日本の女性管理職の割合は
10%程度であり、欧米の民主主義国だけでなく
アジアの国と比べても、圧倒的に少ないことがわかります。
日本で女性の管理職が増えない大きな原因は、
「長時間労働」という55年体制時代の労働習慣が
いまだに根強く残っていることだと思います。
「WLBと女性管理職の割合」
「女性管理職と長時間労働」
日本社会は高度経済成長期に、専業主婦の妻に
家のことを任せきりできる男性社員中心の
労働習慣を定着させました。
長時間労働も従業員は会社のことだけに専念できる
男性社員ばかりという前提だから導入できたものです。
女性は仕事を持っていても家事をする必要があり、
配偶者に家のことを任せきりにできないことが多いです。
それゆえ業績評価のために長時間労働を
要求される状況では、管理職を目指すことができない
女性も多いし、その前に自分から管理職コースを
望まなくなる女性も出てくることになります。
長時間労働をした女性しか、出世できていない!
男女で比較してみると、管理職要件に長時間労働がかかわる度合いは
女性のほうが男性より高いのです。残業できない雇用者は、
そのほとんどが女性ですが、最初から一般職など
管理職昇進機会の極めて少ない職に就けてしまうからです。
今の労働時間のまま、女性の管理職登用が進められれば、
すべてを犠牲にできる(もしくはアウトソーシングできる)
スーパーウーマンだけが抜擢されることになります。
育児や介護している女性は、時間の制約があるので、
そのコースには乗れません
2年ほど前ですが、自民党・安倍政権は、
2020年までに女性管理職を30%にするという、
2003年以来の数値目標を断念しています。
「女性管理職30%の目標断念」
実現がきわめて困難になってきたからです。
2010年代になってだいぶ経っても10%台の前半ですから、
こんな数値目標を達成することはとても無理と言えます。
女性管理職を増やす数値目標は、より現実的にするために、
業種別に設定することになりました。
これらは10%-20%程度なのでとても多いと言えないです。
そしてこの数値でも達成できるか怪しいです。
「女性管理職の新数値目標」
日本のジェンダーギャップ指数が改善される日は、
まだまだ当分先のことになりそうです。
付記:
2014年のジェンダーギャップ指数が
発表されたときのエントリ。
「管理職のジェンダー格差」