自民党支持が多くなっているという、
よく指摘される事実について考えてみたいと思います。
立憲民主党は若い世代の支持が薄い。雇用を将来ではなく目の前の課題と捉えている若者にとって、立憲民主党の曖昧なマニフェストはあまりにも遠すぎるからだ。英国労働党との差が歴然であることがわかるだろう。政権をとるために立憲民主党がこれから進むべき道は明らかではないか? pic.twitter.com/vDZnNgvmNj
— 古川 (@furukawa1917) 2017年10月23日
日本の場合ですが、立憲民主党の支持者は18-19歳で12%、
20台も12%で、それぞれ希望の党よりも少なくなっています。
世代が上がるに従って年齢階層別の支持率が高くなり、
50代で22%、60代で24%と中高年層でもっとも高いです。
自民党はこれと対照的で、18-19歳で47%、
20代で49%ともっとも高くなっています。
世代が上がるに従って年齢階層別の支持率が高くなり、
40-60代で30%台と支持率が谷底になっています。
日本とだいぶ様子が異なるのがイギリスです。
保守党は高齢世代ほど支持率が高く、
労働党は若年世代ほど支持率が高くなっています。
支持率の年齢階層変化も日本より大きいです。
「若い人は進歩的、革新的で、歳をとると保守的になる」
という普遍的傾向を如実に示しています。
イギリスの政党支持率の世代依存はわかりやすいです。
日本も政党支持率の年代依存も、それほど理解にむずかしくないです。
以下のエントリに書いているような事情だと思います。
「10代、20代前半で自民党支持率が高く、30代、40代と下がる理由」
安倍政権に入ってから「アベノミクス」による
金融安定化政策で雇用が増えて、大卒一括採用が増えたので、
20代の人たちにとって就職しやすくなっています。
これについては、現在の大卒の雇用情勢がよいのは、
団塊世代が退職してポストが空くからであって、
経済政策はあまり関係ないという指摘もあります。
どちらにしても20代の大卒の人たちにとって、
前の世代のときと比べて現在が就職しやすいことは
たしかなので、現状肯定主義になりやすく、
自民党を支持することになるのだと思います。
年齢層が上がると、長時間労働とかサービス残業とか、
パワハラ、セクハラとか、正規非正規の賃金格差とか、
結婚や出産と仕事の両立とか、職についてからの労働環境が
より生活に関わる切実な問題になります。
こうした労働条件の問題に対しては自民党は不熱心なので
支持率が下がるし、立憲民主党はずっと熱心なので、
支持率が高くなるということだと思います。
10月15日エントリで少し見ましたが、
立憲民主党の経済政策に関する公約は、その多くは自民党が
なおざりにしている、労働環境の改善に関係することです。
「立憲民主党の公約・経済政策」
若年世代も中高年世代も自分の眼前の生活を考えて
政党を支持しているという点で同様ということです。
それが政党支持率の世代依存にも反映されている
ということだと思います。