示したツイートですが、「政権をとるために
立憲民主党がこれから進むべき道」はなんだと
このかたが考えているかは、すぐにわかると思います。
「年齢階層別の政党支持率」
立憲民主党も自民党・安倍政権と同じように
金融安定化政策を掲げ、大卒一括採用の枠を増やして、
彼らの雇用をもっと保証しろということだと思います。
若年層で自民党支持者が多いのは、自分たちの就職が
容易になっているからだと考えられるからです。
ところが枝野幸男は自民党支持層から支持を取り込むことを、
「まったく考えていない」と言っています。
「自民支持の若者票をどう取り込む? 立憲民主党・枝野代表を直撃!「まったく考えていません」」
-では今後、自民党支持の若者をどう取り込む?
枝野 それはまったく考えていません。
-必要ないと?
自分たち大卒の雇用が増えたから自民党を支持する
若年層から支持を得ようとは思わない、ということになります。
つまり自民党・安倍政権が行なってきた金融緩和と
同様の政策によって、若年層の雇用を増やすことは
とくに考えていない、ということだと思います。
立憲民主党は「選挙に行かない人」すなわち無党派から
支持を取り込むと枝野幸男はと考えています。
枝野 自民党支持の有権者をひっくり返すのではなく、
“今回の選挙で投票に行かなかった人に、
次の選挙で立憲民主党に投票してもらう”のです。
つまり、投票率を上げること。
それは、若者に限ったことではありませんが。
10月15日エントリで、立憲民主党の公約を見ましたが、
金融安定化政策についての考えかたをはっきり示さず、
「実質賃金の上昇によって中間層を再生させます」と
いうことを示していました。
「立憲民主党の公約・経済政策」
最初に金融緩和によってインフレを起こして
雇用を増やして失業者を減らすという、
「アベノミクス」の「第一の矢」に相当する政策については、
立憲民主党はどう思っているのかと思います。
公約で金融緩和に触れないことは、「自民党支持層から
支持を取り込むことは考えない」というスタンスにもとづいて、
あえて「自民党と同じことをしない」という、
意識的なものだったのだと思います。
「自民党支持層から支持を取り込まない」、
「支持は無党派から取り込む」というのは、
全般的に見ればよいスタンスだと思います。
それでも金融緩和による雇用の増大に積極的な政策を
示さないことは、あまり好ましくないだろうと思います。
金融緩和は社会福祉を導入するための
財源確保にも必要になってくるので、
ここにかぎっては「自民党と同じことをしない」と言わず、
もっと積極的に取り入れることだと思います。
立憲民主党の公約を見ると「大学授業料の減免」や
「奨学金の充実」があります。
これらが導入されて、大学生の生活の経済的負担が
軽減されれば(軽減されることが約束されれば)、
立憲民主党の若年層からの支持は増えると考えられます。
日本は大学の授業料が高く奨学金が貧弱な
OECD加盟国唯一の国です。
「学費は高いわ援助はないわ・・・日本の高等教育@OECD」
学生がアルバイトに費やす時間は長くなり、
さらにアルバイト代は娯楽やファッションが減って、
生活費や授業料の負担が増えています。
「大学生のバイト目的の変化」
バイトの目的の変化。日大の学生ですけど,全国の大学でもこうなんだろうね。 pic.twitter.com/SPw8WBCPZ1
— 舞田敏彦 (@tmaita77) 2015年5月1日
このような経済的負担が減って、学生生活が楽になれば、
それまで無党派だった若年層は、
立憲民主党を支持するようになることは考えられます。
(奇しくも選挙権を持てる年齢が引き下げられて、
大学生は全員選挙権を持つようになりましたし。)
なぜ日本は大学の授業料が高く、奨学金が貧しいかというと、
「自助の精神」を主張して、高等教育に対する公的支出を
抑制してきた自民党政権の政策のためです。
大学の授業料を減免し、奨学金を充実させることは、
まさに「自民党がやっていないこと」になります。
「教育の機会不平等・原因と結果」