2017年11月13日

toujyouka016.jpg 無党派から支持を得る戦略

11月12日エントリで少し触れましたが、
立憲民主党は自民党から支持者を奪うことは
考えていない、支持を取るのは無党派からという
枝野幸男の方針について、もう少し見てみたいと思います。

「自民支持の若者票をどう取り込む?
立憲民主党・枝野代表を直撃!「まったく考えていません」」

(はてなブックマーク)

 
自民党を支持する層から支持を取り込むことを
「それはまったく考えていません」と、
枝野幸男はきっぱり言っています。

―では今後、自民党支持の若者をどう取り込む?
枝野 それはまったく考えていません。
―必要ないと?

こんなことをこれくらい自信を持って言える野党政治家は、
これまでいなかったのではないかと思います。


若年層にかぎらず自民党支持層から無理して
支持を取ろうとしないことは、よい方針ではないかと思います。
自民党をはっきり支持する人は、すでに自分の考えが
固まっていることが多いでしょう。
そうした人たちから立憲民主党を支持するよう
理解を得るのは、むずかしいと思います。

自民党から支持者を奪おうとすると、
自民党に近い政策や理念を掲げるようになります。
もともとの支持層は期待を裏切られたと思うし、
支持層でない人たちからは、自民党との違いがはっきりしなくなります。
かくして両方から支持が離れることになります。

民進党の支持が伸び悩んでいたのは、
このような状況に陥っていたこともあるのだと思います。
自民党から支持層を奪うことにこだわりすぎて、
両方から信頼をなくしていたということです。



立憲民主党はどこから支持者を得ようと
しているかというと、無党派からです。

枝野 自民党支持の有権者をひっくり返すのではなく、
“今回の選挙で投票に行かなかった人に、
次の選挙で立憲民主党に投票してもらう”のです。

すでに考えが固まっている人ではなく、
まだ考えに流動性があって、人の意見を聞く耳を持つ人から、
理解を得ようということだと言えます。
他者を説得しようと考えている人なら
だれもが採る戦略にもとづいていると言えます。

票田の広さという観点からも、無党派から支持を
得ようとすることは得策だと言えます。
最近の無党派の割合は35-40%程度を占めていて、
自民党の支持率とほぼ同じくらいです。

これくらい無党派層が多ければ、彼らをターゲットにするだけで、
自民党から支持層を取りに行かなくても、
じゅうぶん支持の拡大はできると思います。
当分はこの無党派向けの戦略でやっていけそうです。


立憲民主党の支持率は選挙後も増え続けています。
各社の数値の平均は17%程度になっています。
自民党の支持率は減らないどころか増えています。
そしてあからさまに減っているのが無党派層です。

立憲民主党は無党派から支持が流れ込んでいることは明らかです。
上述の枝野幸男の戦略は「口先だけ」ではなく、
実際に結果を出していることになります。



枝野幸男は無党派から支持を得ることは、
より具体的には「投票率を上げること」だとも言っています。

つまり、投票率を上げること。
それは、若者に限ったことではありませんが。

選挙のたびに投票率を上げる必要があると思って、
「投票に行こう」と呼びかける人はたくさんいます。
これを聞くたびに、積極的に投票したい政党もないのに、
投票に行こうなんて言われてもと、
不満を感じる人も多かったのではないかと思います。

立憲民主党は、お題目のように「投票に行こう」と
唱えるのではなく、これまで選挙に行かなかった人たちも
支持や投票ができるような政策や理念を
自分たちが提示するということです。

無党派の人たちに投票してほしかったら、
無党派が投票したくなる政策や理念を示すことは、
考えてみれば当たり前のことだったと言えます。


これまで無党派層は「政治に関心ない人たち」と考えられ、
どんな政策や理念を示しても興味を持たず投票にも行かないと、
思われていたのではないかと思います。

「自民党の支持層を割らなければ野党は選挙に勝てない」
という前述の民進党内の一部にあった発想も、
政治に関心ない無党派からは支持は得られないと
思われていたこともあるのではないかと思います。



付記:

投票率を高くして無党派を減らすことは、
民主主義という観点からも好ましいことです。
投票する人が少なくなると、それだけ少ない有権者の
民意だけが政治に反映されることになるからです。

自分の意思で投票しないとはいえ、投票しない人が
多くなれば、反映されない民意が多くなるので、
それだけ民主政治から離れることになります。
(投票率を高くしたいと考えるのは、
この観点からも妥当な考えではあります。)

自民支持の若者票をどう取り込む? 立憲民主党・枝野代表を直撃!「まったく考えていません」 - 政治・経済 - ニュース|週プレNEWS[週刊プレイボーイのニュースサイト]

今回の衆院選もめちゃめちゃ投票率低かったわけだし、投票してない人を掘り起こすって発想は民主主義的にもいいよね。積極的に反動回帰したい人は多数派じゃないはずだし

2017/11/06 11:48


posted by たんぽぽ at 22:32 | Comment(0) | 選挙 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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