枝野幸男は「立ち位置や主張を明確にしたこと」を挙げています。
「自民支持の若者票をどう取り込む?
立憲民主党・枝野代表を直撃!「まったく考えていません」」
(はてなブックマーク)
―今回の総選挙で立憲民主党は55議席を獲得しました。
何が今回の結果に結びついたと思いますか。
枝野 ひとつは、立ち位置や主張をクリアにできたこと。
これは「政策や理念を明確にする」ことだと思います。
立憲民主党の結党宣言でも政策と理念を重視することを、
枝野幸男は強調していたという指摘があります。
(それゆえ自分は立憲民主党を支持すると、
元シールズのメンバーは考えるということです。)
「元SEALDs 諏訪原健「小池新党より枝野新党を支持するワケ」」
そんな中で2日夕方、枝野氏が立憲民主党の結成を宣言した。
枝野氏の記者会見の中で特に印象的だったことが二つある。
一つはボトムアップ型のリーダーシップが強調されていたこと。
もう一つは自らの理念や政策を貫く強い決意を示していたことだ。
もう一つの点について枝野氏は、
「政治家にとって、理念や政策は何事にも変えがたい、
譲ってはならない筋」と述べていたことだ。
はっきりとして政策や理念を示し、立ち位置や主張が
クリアになったことで、立憲民主党はなにを目指すのか
有権者にわかりやすくなり、支持につながったということです。
これまで民進党・民主党が選挙で負け続けてきた原因として、
政策や理念がはっきりせず、なにを目指しているかが
有権者にとってわかりにくいことがありました。
2017年7月の都議会選挙のときも、民進党の敗因として
政策や理念がはっきりしないことが挙げられていました。
「民進党・修羅場の都議選総括(2)」
「民進、修羅場の総括 「 解党すべきだ」「執行部若手に」」
会議では「憲法、社会保障、原発で党の柱を立てるべきだ」との声も出た。
選挙での協力関係を目指す共産党や、選挙の後ろ盾となる
連合に左右されず、政策の軸を定める必要性を訴える意見だ。
自分たちの選挙を考えるのではなく、具体的な政策を
命をかけてやる姿勢が大事だ」と強調した。
当時の代表だった海江田万里が落選した
悪夢の2014年の衆院選のときも、掲げる立ち位置が
「どっちつかず」になって、政策や理念がはっきりせず、
明確な公約も示せなかったことが指摘されました。
「民主党・衆院選敗因の分析」
「民主、政策も党首力も迷走 政権担う力を示せず」
「政権を一度担当した以上、いい加減な政策は
打ち出せない」(党幹部)として、あるべき社会や
経済政策について踏み込めなかった。
政権交代した2009年のように、数値目標や財源を明記した
マニフェストも作れず、具体的な経済指標を駆使して
実績を誇った首相の戦略に対抗できなかった。
さらに、党内の意見対立が解消できていないことも響いた。
集団的自衛権の行使容認について、マニフェストでは
「閣議決定は立憲主義に反するため撤回を求める」としたが、
肝心の行使の是非には踏み込まなかった。
原発政策についても、菅直人元首相ら再稼働に反対する
グループと再稼働を容認する勢力に分かれ、
どっちつかずの印象がぬぐえなかった。
民進党・民主党は選挙で負けるたびに「政策や理念が
はっきりしない」という批判をされていました。
「政策や理念がはっきりしなくなるたびに選挙で負けた」と
言ったほうがいいかもしれないです。
立憲民主党は「政策や理念をはっきりさせる」という、
これまで民進党・民主党がずっと抱え続けてきた大懸案事項を
解決することができたということです。
解決できた理由のひとつは容易にわかると思います。
かつての民進党の保守・右派と別れて、
リベラル・左派だけの政党となったので、
政策や方針で目立つ意見対立がなくなったからでしょう。
ほかの理由として、立憲民主党は支持基盤に
足を引っ張られることがなかったこともあると思います。
2017年10月の衆院選では、支持基盤の意向によって、
政策や方針の撤回や変更を余儀なくされる
ということはぜんぜんなかったのでした。
2017年7月の都議会選挙の民進党はまったく対称的で、
支持基盤である連合の要求が強く、2030年に原子力発電所を
ゼロにするという基本方針さえ撤回したくらいです。
「「2030年代に原発ゼロ」は問題?」
「民進党、内紛超え理念と政策を 記者の視点」
選挙戦略や基本政策をめぐる内紛は年中行事と化した。
「提案路線」を掲げた蓮舫氏も、自ら主導した原発の「2030年ゼロ」の
方針表明を連合とその影響下にある議員らの反発で断念。
立憲民主党はなぜ支持基盤の意向に左右されずに
政策や理念をはっきり示せたのかという問題があります。
わたしが思ったことのひとつは、民進党が短い時間で
実質的に分裂したことで、連合から候補者を必要として、
立憲民主党を支援する必要が出てきたからではないかと思います。
「向こうから歩み寄ってきた」ということです。
「連合 政策一致なら「希望」以外の候補も選挙支援」
もうひとつは野党共闘を取り付けていたので、
共産党の支援や選挙協力を得られたことがあると思います。
連合の支援を受けられなくても、共産党と組めば
なんとかなる、という状況だったのでしょう。
「ひとつの支持基盤に左右されない」ということです。
「共産 志位委員長 安保法廃止求める民進出身者と連携も」