2017年11月18日

toujyouka016.jpg 選択的夫婦別姓への反論に反論

サイボウズの青野慶久社長が、現行の夫婦同姓の強制は
法の下の平等に反するとして、国を提訴することが決まったことを
11月11日エントリでご紹介しました。

その青野慶久氏が、選択的夫婦別姓に反対する人たちに
反論するエントリをいくつか書いています。

「選択的夫婦別姓への反論に反論します」
(はてなブックマーク)
「選択的夫婦別姓への反論へ(その2)」
(はてなブックマーク)
「選択的夫婦別姓への反論へ(その3)」
(はてなブックマーク)

 
ここで取り上げられている反対意見は、
おそらくツイッターなどで見かけるものだと思います。
おおむかしから議論されて、馴染み深いものも多いですが、
これまでにあまり見なかった反対意見もあります。

11月18日現在で「その3」まであります。
まだまだ増えそうです。


議論は以下のふたつの原則をもとにしています。

1. 一人ひとりのニーズを尊重しよう。(多様な個性の尊重)
2. 社会の変化に合わせてルールを変化させよう。(生成発展)
1つ目は、例えば「親は大工だが、私は別の仕事に就く」とか、
「両親はAさんと結婚させたいが、私はBさんと結婚する」とか、
本人のニーズを尊重することが大事という原則です。
とはいえ、全員のニーズを同時に実現することが難しいのも現実です。
しかし、「できるところから個人のニーズを拾っていこう。
それが社会の進歩である」という考え方が、原則1になります。

2つ目は、ルールは人間が時代に合わせて作り出したものであり、
不具合が出てくれば変え続けなければならない、という原則です。
例えば「以前は公的な場所で自由にタバコを吸えたけど、
今は制限される」とか「以前は電話帳に名前を載せていたけど、
今は個人情報として保護される」とか、
「社会の変化に合わせてルールを変化させていこう。
それが社会の進歩である」という考え方が、原則2になります。


1.はできるだけ多くの個人のニーズの実現という、
多様性、ダイバーシティの尊重です。
選択的夫婦別姓の導入を最初に主張し始めたときから、
推進派が言い続けている大原則だと言えます。

現実問題として社会で暮らす人たち全員の
ニーズを実現するのは困難だと思います。
それならできるかぎり多くの個人のニーズの実現を
目指そうという、現実的な対応をすることになります。

「不幸な人をできるだけ減らす」という
「最小不幸の社会」の考えでもあると思います。

「フェミニズムと最小不幸社会」


2.はルールは人間が作り出したものであり、
社会の変化に合わなくなったら、社会に合わせて作り変える
必要がある、それが社会の進歩だという考えです。

人間が作り出したものである以上、ルールは人間が
よりよい暮らしをするためにあることになります。
人間が暮らす上で不都合になってきたら、
不都合にならないよう変えていくのは当然と言えます。

ルールは人間のためにあるということです。
ルールのために人間があるようになったら、
なんのためのルールかわからなくなって本末転倒です。

はじめにルールありきでそれに無条件に従うことだけを
要求する選択的夫婦別姓の反対派は、
被造物であるルールのために人間があるという
考えかたをしていることになります。
それは創造主たる人間への反逆だと言えます。

posted by たんぽぽ at 17:43 | Comment(0) | 民法改正一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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