2017年11月19日

toujyouka016.jpg やりかたが横柄なのはだれか?

前のエントリでご紹介した、青野慶久氏による
選択的夫婦別姓の反対派(非共存派)に対する反論ですが、
反対派の主張でいままであまり見なかったものとして、
以下のものを見てみたいと思います。

「選択的夫婦別姓への反論へ(その2)」

「やり方が横柄だ」

 
青野慶久氏による反論はつぎのようです。

すみません。選択的夫婦別姓の問題は、
何十年も放置されてきたと認識しています。
日本は民主主義で法治国家。
議論や司法の手段を使い、徹底的に解決を目指す所存です。


「やりかたが横柄」と言う人は、どのような事実を指して
言っているのかと思います。

選択的夫婦別姓の導入は、1996年の法制審議会の答申から
始まっていると考えても、すでに21年経過しています。
20年以上放置された法案を早く実現しようと考えることの、
どこが「横柄」なのかと思います。


青野慶久氏が裁判に訴えたことを指しているのでしょうか?
現在の法律がおかしいことを、裁判闘争を通して
社会に訴え、これを正そうとしているだけです。
恫喝訴訟ではないのですし、裁判に訴えることは、
市民としての当然の権利であって、どこも「横柄」ではです。

自分たちが差別を続けてきたことが
裁判というかたちで批判されることに強い姿勢を感じて
「横柄」と感じるということでしょうか?

提訴されるまでにいたったのは、それだけ反対派が
選択的夫婦別姓の実現を頑迷に阻止してきたからであり、
反対派の責任ということになります。
「なぜ提訴される前に理解しなかったのか?」と、
反対派が問われることだと思います。


裁判ではなく「もっと穏健な方法」なら、
自分は選択的夫婦別姓の実現を理解し賛成したなどと、
そのような反対派は言うのでしょうか?

選択的夫婦別姓の必要を「もっと穏健な方法」で理解した
反対派なんて、わたしは見たことないです。
「こういう批判のしかたなら理解した」なんて、
後出しじゃんけんのように言われても信用できないです。

また批判のしかたを問題にすることで、
反対派の理解責任を「批判のしかたが悪い」と
推進派の説明責任に転嫁することにもなると思います。
そんな責任転嫁こそ「やりかたが横柄」だと思います。



選択的夫婦別姓法案がなぜ20年以上放置されたかと言えば、
この期間の大半を与党でいた自民党が原因です。
野党各党はほとんど毎年のように、
選択的夫婦別姓法案、民法改正法案を提出しています。

ところが反対派議員の多い与党・自民党は
まったく審議することなく、毎回廃案にしてきたのでした。
選択的夫婦別姓法案がまともに審議されたことは、
現在にいたるまで実質的に一度もないです。
ろくに審議せず握りつぶしてばかりいる
反対派こそ「やりかたが横柄」だろうと思います。

かくして選択的夫婦別姓法案は、法制審議会の答申があった
法案にもかかわらず、現在まで実現していないという、
異例中の異例とも言える事態になっています。


2002-04年ごろは、自民党内で選択的夫婦別姓の
推進派の動きが活発になったのですが、
これも党内の反対派議員によって法案の政府提出が、
ことごとく潰されてきました。

自民党には、政府提出する法案を事前に党内で
調整するための、法務部会という会合があります。
ここで選択的夫婦別姓法案、民法改正法案の政府提出が
握りぶされてきたのでした。

「自民党法務部会の実態 民法改正法案提出阻止の現場」

この会合に出てくる反対派議員の態度が強烈です。
「反対派は暇だというのか?」と言いがかりをつけたり、
「賛成派のだれが何を言うか、もう顔を見ただけでわかる」と
一喝して一同を黙らせるといった調子です。


とりわけ象徴的なのは、「オレの眼の黒いうちは
絶対に選択的夫婦別姓を実現させない」と
言ってのけた反対派議員だと思います。

「反対派と議論すると... パラノイア的精神状態」

このように理由も理屈もなく感情むき出しで、
頭から潰しにかかる反対派議員たちこそ、
「横柄」を通り越して「傲慢」だと思います。
人間性を疑っていいレベルでさえあると思います。

posted by たんぽぽ at 17:57 | Comment(0) | 民法改正一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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