この野党第1党になったことは、案外大きなことのようです。
「こんなに違う 野党第1党と第2党」
「野党1位と2位 影響力は大違い」(全文)
55議席というのは、野党第1党の議席としては過去最小です。
野党第2党の希望の党とは数議席の差です。
それでも野党第1党であることは、大きいということです。
国会の日程や審議する法案などの予定は
与野党の理事どうしで決めますが、野党の代表となる筆頭理事は、
野党第1党から出るのが慣習となっています。
国会の運営に関して、野党の中でもっとも主導権を
発揮するのが、野党第1党ということです。
国会の予算委員会や議院運営委員会などは、
与党と野党の理事が話し合ってどんな日程で進めるか、
どの法案を審議にかけるかなどを決めていく。
その時、野党側の代表となるのが第1党で、筆頭理事を務める。
野党の理事を取りまとめて与党と交渉するのは筆頭理事の役目で、
これは数議席の差であっても第1党が担う。
国会でイニシアチブを発揮できれば、
メディアで報道される機会も増えることになります。
立憲民主党の活動が一般市民の眼に触れる機会が増えて、
支持率の上昇もあるだろうと思います。
立憲民主党は、野党第一党の地位を守れるか依然として微妙な情勢が続く。野党第一党として通常国会に臨めばさらに支持率を上げるかもしれない。ただし希望の党に野党第一党を奪われれば報道の機会も減り、今がピークとなる可能性もある。https://t.co/tpk9EZh3Po
— はる@みらい選挙プロジェクト (@miraisyakai) 2017年11月6日
安倍政権の憲法改正発議を阻止するために、
自民と公明の議席の合計を衆院の3分の2以下にする必要がある。
そのためには伸び代に限界のある立憲民主党だけでなく、
希望の党がもっと議席を取る必要があったという
考えのかたは、これには納得しないかもしれないです。
そのようなかたは、与党の議席が衆院の
3分の2以下になるなら、希望の党が野党第1党に
なってもいいと、考えるかもしれないです。
「あえて「希望の奮起求む」戦略的投票」
「あえて「希望の奮起求む」戦略的投票(2)」
与党の憲法改正の発議でも、野党第1党になったことで
立憲民主党は影響力を発揮することになります。
立憲民主党は安倍政権の改憲案に否定的ですから、
希望の党が野党第1党となった場合より、
憲法改正にブレーキがかかることは考えられるでしょう。
実際の憲法改正発議でも、野党第1党は要の役割を果たす。
共産党の志位和夫委員長が立憲民主党の野党第1党に
「改憲の動きに対する大きなブレーキいなる」と話すゆえんだ。
希望の党は幹事長、国対委員長などの役職が
ほとんど決まっていない状況でした。
こんな政党が野党第1党になって、国会の主要ポストを得たり、
他党との交渉に立つことになったら、
国会運営に支障をきたすことが考えられます。
この意味でも党内の役職が決まっている
立憲民主党が野党第1党なったことは、
むしろよかったことであり安心できることだと言えます。
希望の党は小池代表以外の役職が空位のまま。幹事長も国対委員長もおらず、どうやって選挙後の公党間折衝をするのだろう。おまけに議員でもない者が党を統率しかねない「ガバナンス長」の問題もある。野党第一党になって副議長ポストとか危うすぎる。https://t.co/aL7t70iS2p
— KURIKURI (@_KURIKURI_) 2017年10月18日
選挙戦の中途まで、希望の党が最大野党になり、立憲民主党に少数でも理念を奉ずる人たちの橋頭堡が築かれるというのが大方の見方だったけれど、危ういところだったと思う。議席数云々よりも立憲民主党が相対的に野党第一党の座を確保したことの安心感。https://t.co/mZboZB2atk
— KURIKURI (@_KURIKURI_) 2017年10月23日
あとは立憲民主党が野党第1党になったことで、
ふだんリベラルや左派をばかにしている人たちに
存在感を示すことができたのではないかと、わたしは思います。
「立憲民主党について思ったこと」
ふだんリベラルや左派をばかにしている人たちに対して、
「リベラルはこれだけ支持があるんだよ」と存在感を
示せる程度の議席が得られれば御の字だと思います。
希望の党はあきらかに保守・右派政党です。
希望の党と立憲民主党という野党のあいだでの
ヘゲモニー争いにおいてはリベラル・左派は
保守・右派に勝ったことになります。
衆院解散のころは、これでリベラル・左派はおしまいだ
とばかりに、リベラル・左派系候補者やその支持者を
酷評していた人たちも、立憲民主党の予想外の大健闘で、
選挙後は彼らの酷評はトーンダウンしたと思います。