立憲民主党が先の衆院選で躍進できたのは、
政策と理念をはっきりさせることができたからでした。
なぜはっきりできたかというと「自民党と対抗するには
大きなまとまりになる必要がある」という
これまでとらわれていた考えから決別したことがあります。
「自民支持の若者票をどう取り込む?
立憲民主党・枝野代表を直撃!「まったく考えていません」」
(はてなブックマーク)
―確かに民主党も民進党も、常に「考えがバラバラな
議員の寄せ集め」との批判がありました。
枝野 これまでは自民党に対抗するには大きなまとまり、
政党をつくらなきゃダメだといわれていましたが、実は違った。
党としての主張を鮮明にしていかないと、結局自民党と
どこが違うのかが、有権者にわからなかったんですね。
既存の野党が集まって「大きなまとまり」になるには、
政策や理念が異なる政党や政治勢力とも
いっしょになってまとまる必要が出てきます。
そうなるとどうしても政策や理念が明確にならず、
なにを主張しているのか有権者にわかりにくくなります。
これによって支持が伸びなくなり、結局「大きなまとまり」に
なれないというジレンマに陥いるというのが、
これまでのパターンだったのでした。
いままでは、政権を取りたいと急ぐあまり、
政策や理念で一致できなくてもとにかくひとつになって
「大きなまとまり」になろうという考えに、
極端に振れすぎていたということだと思います。
はじめに政策や理念があるのであり、
政党としての主張を明確にすることによって
有権者の支持を広げることで結果「大きなまとまり」となる
という順序が、本来だったということです。
それは現在の政治勢力どうしの目先の野合で
「大きなまとまり」を作るよりは時間がかかる気がします。
実際には、政党としての主張を明確にすることで、
着実に有権者からの支持を得ていくほうが、
結局は早いということだろうと思います。
7月の都議会選挙でも民進党は都民ファーストと
連携すると言い出したりもしていました。
(実現しませんでしたが。)
「小池氏・蓮舫氏、連携決別 「一緒に都議選を戦うことはできない」小池氏側近」
先の衆院選では民進党が希望の党に合流するという、
大胆不敵な奇策を打ったりもしました。
「民進党が希望の党に合流?」
これらは追い風が吹いているところといっしょになって
「大きなまとまり」になれば、政権獲得に届くのではないか、
という考えがあったのだと思います。
「小池劇場の役者たち 落選を語る/上
「なんで希望に行くんや」 「排除」後、馬淵氏に逆風」
無所属での立候補を促す意見は陣営内にもあったのに、
「政権交代を果たすには塊で勝負するしかない」と
こだわったのはほかならぬ馬淵氏だった。
民主党・民進党の支持は2012年の下野以来
ほとんど伸びず、自力で党勢を拡大する見込みが薄く、
いつ政権を取れるかわからない状態が続いていました。
それで追い風の吹いているところと「大きなまとまり」になる
という考えに、走ったのもあるかもしれないです。
蓮舫や前原誠司が代表のとき選挙で大敗したのは、
政策や理念は後回しで、とにかく「大きなまとまり」になれば
なんとかなる、追い風が吹いているところに
あやかれば選挙に勝てるという考えだったことも
あったのではないかと思います。
海江田万里や岡田克也が代表のときは、
とにかく「大きなまとまり」になるとか、
追い風が吹いているところに便乗するというスタンスは、
それほど強くなかったと思います。
それゆえ小規模ながらも選挙で議席を
伸ばすことができたのではないかと思います。