サイボウズの青野慶久氏による選択的夫婦別姓の反論の
反論エントリを見ると、反対派の主張として、
「郵便が混乱する」というものがあります。
「選択的夫婦別姓への反論へ(その2)」
「郵便が混乱する」
選択的夫婦別姓の反対派(非共存派)で、
郵便屋さんの都合のことを言っている人を見たことはあります。
持ち出す反対派(非共存派)も、ときどきいるのでしょう。
夫婦別姓でなくても二世帯住宅などで、
ひとつの家に異なる苗字の人が住んでいることはあります。
そのような家に「異なる苗字の住人がいる」という理由で、
郵便物を配達する際混乱するというお話を、
郵便業務に関わっている人から、聞くことはないと思います。
二世帯住宅で問題ないなら、夫婦別姓の家でも問題はないでしょう。
この場合、郵便屋にとって、ひとつの家に複数の苗字の住人が
いること問題であり、複数の苗字の人が同じ家に
住んでいる事情は、なんであっても変わりないからです。
郵便物に鉛筆書きで小さく「○○さん方」と
書いてあるのを見たことがあるかたもいると思います。
これは同じ家に苗字の異なる人が住んでいる場合、
間違えずに配達するための対処だと思います。
反対派(非共存派)は「夫婦別姓だと結婚しているか
わからなくて混乱する」と自分が思っているので、
「きっと郵便屋も混乱するだろう」と
自身の偏見を投影しているのだと思います。
「郵便屋さんの都合があるから、夫婦同姓にしなければならない」
という理屈がそもそもわからないです。
郵便を送ったり受け取ったりするのは「お客さん」です。
それなら「お客さん」の事情に合わせて
郵便屋が対応を考えることだと思います。
「給料もらってやっている業務だから当然」です。
郵便屋の都合のために「お客さん」が
不本意な対応をさせられるいわれはないでしょう。
夫婦別姓のせいで郵便物が届かないという
家のかたがいるとしたら、そのようなかたは個人的に
郵便物が届くようなんらかの工夫をするでしょうし、
それでじゅうぶんだと思います。
結婚改姓を望まない人にまで一律に法律で
夫婦同姓を要求する必要はまったくないです。
それでも夫婦別姓の家のせいで郵便業務の負担が
増えると言うのなら、そのぶん日本郵便の社員の
賃金を上げること(日本郵便に税金で補助する)は、
わたしはやぶさかではないですよ。
付記:
郵便ではなく宅配ですが、配達の際いちばん困るのは、
宛先の住所にアパート・マンション名を書かず、
部屋番号だけというもののようです。
(夫婦別姓なんてぜんぜん関係ないです。)
「宅配業者からの切実なお願い…住所は省略せず正しいものを書いてほしい
「この手の住所不備で照会掛けたり最悪宛所不明で返さざるを得なくなっている」」