引き起こしている、ということを問題視する記事です。
これを見てみたいと思います。
「「セックスすると妊娠」「処女にも生理」すら知らない…遅れすぎの性教育で危険な事態も」
その性に対する認識というのは、「処女には生理がない」
「セックスによって妊娠することを知らない」というレベルです。
これは衝撃的だと思います。
記事の内容から察するに「処女に生理がない」と思って
アイドルをバッシングしたのは男性だろうと思います。
あとに出てくるセックスで妊娠することを
知らなかった子は女児であることはわかります。
アイドルグループ・STU48の石田みなみが
動画配信サイト「ショールーム」のライブ配信中に誤って
背後の生理用品を映してしまったところ、
ファンから「非処女確定」などのコメントが殺到。
炎上騒ぎになってしまったのである。
このファンの反応でわかるのは、
「処女には生理がない」という誤解があることだ。
しかし、このような性に対する知識不足は
「教育現場でもよく見られる」(橋本氏)という。
「養護教諭として高校に赴任した教え子に聞いた話なのですが、
性に関する知識以前に、そもそも体の構造を
理解していない子がいることもあるそうです。
経血がどこから出ているのかを知らない女子生徒がいたり、
セックスによって妊娠することを知らず、
『太った気がする』と保健室を訪れて妊娠が発覚したり……。
そんな話を耳にしたこともあります」(同)
「『太った気がする』と保健室を訪れて妊娠が発覚」なんて、
おとぎ話に出てきそうなレベルだと思います。
7月2日エントリでご紹介の「避妊を教えた教師がクビ」の
記事でも、小学生の女の子が妊娠していることに
気がつかなかった、というお話が出ていました。
気がついたときには手遅れで、
中絶できないところまで過ぎていました。
この女児も「セックスすると妊娠する」ことを、
おそらく知らなかったのかもしれないです。
「避妊を教えた教師がクビ なぜ日本の“性教育”は進まないのか?」
さらにトークの中で河野さんは、妊娠し堕胎可能である
22週を過ぎてしまった小学生の女児を診察したエピソードを紹介。
「相手は同い年の男の子ではありませんでした。年上の男性ですね。
誰も小学生の我が子が妊娠してるなんて思いません。
でも、お父さんがいて、お母さんがいて……ちゃんとした家庭の女の子です。
例えば小学校4年生や5年生で2回くらい生理がきて、
小学生だったら生理が不順であることは当たり前ですから、
後で考えると『ああ、あれはつわりだったんだ』となります」と、
受診時にはもう手遅れだったケースもあるという。
河野さんの患者だった女児も中絶が間に合わず、
赤子は特別養子縁組で引き取られたと話した。
性教育がほとんどなされないので、性の知識にとぼしく、
自分のからだを守れず危険にさらす人が、多いということです。
現在の日本は、性に関することを徹底的に忌避する
「純潔思想」の定着で、ヴィクトリア朝時代の
イギリスのレベルに迫っていると思います。
いまから100年以上前の歴史に出てくるようなことが、
21世紀の現代の日本で現実となっているということです。
「避妊とポルノグラフィ」
上中流階級の女性たちは結婚するまで、
性に関する知識はほとんどないのが普通でした。
性教育そのものがタブーでしたから、
月経がなぜあるのか少女たちは知りませんでした。
不浄な出血を忌み嫌い、なかには非常に恥ずかしがる娘までいました。
最初の記事の最後では、日本の性教育について
「時が止まったかのように」と書いています。
歴史上の遺物になったと思った事態が
現実に起きるようになっていて、「時が止まった」どころか、
時間が逆行しているのではないかとさえ思います。
時が止まったかのように、立ち遅れている日本の性教育。
少子化によって若者の数が減っていくなか、
この遅れは日本にどんな未来をもたらすのだろうか。
最初の記事で指摘されている、以下のことも注意したいと思います。
子どもの学力や知識は地域性や家庭環境の問題とも
関連しており、それらによって「情報格差」が生まれる。
とはいえ、「処女には生理がない」「セックスによって
妊娠することを知らない」というのは、情報格差以前の問題だ。
学校教育によって一律に教えられないため
性に関する知識がローカルになり、地域や家庭環境ごとに
「情報格差」が生じるということだと思います。
こうした格差が生じることを防ぐためにも、
学校で性教育をじゅうぶん教える必要があることになります。
社会の成員全体が適切なリテラシーを得るためには、
情報が伝達する経路を整備し、信頼できる情報発信源が
その情報経路を使って、適切な情報を流す必要があります。
このような情報伝達の基盤が整っていないと、
情報の流れがローカルな中にとどまりやすく、
リテラシーに差が出ることになります。
日本の性教育に関してば、情報伝達の手段は
「学校教育」であり、インフラがすでに整っています。
問題は「信頼できる情報発信源が適切な情報を流すか」です。
日本は性教育が萎縮して貧弱なため、
信頼できる情報発信源が適切な情報を流せない
状況になっているということです。