最近日本で注目されています。
ウィリアムソン氏のツイッターアカウントの
フォロワーが急増しています。
「日本の同性婚議論 NZ元議員がゲイの英雄になった理由」
(はてなブックマーク)
なぜ日本で注目されることになったのかというと、
4年前、2013年に同性結婚を認める「婚姻平等法案」の
最終審議の際に行なった「大きなゲイの虹」という演説です。
この演説の中でウィリアムソン氏は、同性結婚を認める必要や、
反対論者の杞憂について語ったのでした。
その内容がユーモアがあるので、注目されたのでしょう。
自民党の竹下亘総務会長が、皇室の宮中晩餐会に
同性のパートナーが出席することに反対したことをきっかけに、
この演説をツイッターで流すかたが出てきて、
日本で広まることになったもののようです。
「宮中晩餐会に同性パートナー反対?」
きゅうに日本からのフォロワーが増えたので、
ウィリアムソン氏はちょっとびっくりしたようです。
<ウィリアムソン氏は「ここ数時間で新たなフォロワーが
大きく増えたことはとてもうれしい。多くは日本のフォロワーだ。
何が要因かは分からないが喜ばしいことだ。
ちなみに、私の長男サイモン・ケニアは
半分日本人なのでこのつながりを自慢に思う。
フォロワー歓迎します」とツイートした>
同性結婚が法的に認められても、同性愛者でない
ほかの人たちにはなんら関係なく、生活が変わることはない
ということを、こんな風に表現しています。
ウィリアムソン氏は演説で、「この法案でやろうとしていることは、
ただ愛し合う2人に結婚という形でその愛を
認めてあげることだ。それだけだ」と述べている。
「今この法案に反対している人たちに約束する。明日も太陽は昇る」
「十代の娘はやはり全て分かっているかのように言い返してくる。
住宅ローンは増えない」とウィリアムソン氏は続ける。
「皮膚病や発疹にはならないし、カエルがベッドから出てくることもない。
世界は続いていく。だから大げさにしないでほしい」
日本の選択的夫婦別姓についても同様のことが言えます。
選択的夫婦別姓が認められても、夫婦別姓を希望しない
ほかの人たちにはなんら関係なく、生活が変わることはないです。
蛙がベッドから出てはこないし、あしたも太陽は昇ります。
夫婦別姓議論も同じだよな / BBCニュース - 日本の同性婚議論 NZ元議員がゲイの英雄になった理由 https://t.co/sQ0xyDPlmQ
— ことう (@LEVEL_300) 2017年11月30日
問題は日本の同性結婚や選択的夫婦別姓の反対論者が、
この演説を聞いてどのように思うかです。
同性結婚や選択的夫婦別姓が法的に認められたことで、
蛙がベッドから出てくるとは思わないでしょうけれど、
「世界が終わる」くらいは思うかもしれないです。
日本の反対論者は、戦後民法で規定された
「家族のありかた」を金科玉条のように維持し、
これに反する同性結婚や夫婦別姓は断固反対しないと、
国家が崩壊すると真面目に信じているからです。
反対論者は基本的になにを言っても無駄なので、
ウィリアムソンの演説も「焼け石に水」でしょう。
日本でこの演説を紹介するのは、考えに流動性のある、
聞く耳を持つ人を対象にするということだと思います。
ウィリアムソンは演説中、反対論者のことを
「常識的なかた」と断わっています。
反対論者をむやみにあおらないよう、
また反対論者が変な眼で見られることのないよう、
配慮したということなのでしょう。
彼らは同性結婚の法制化に反対している以外は、
たしかに「常識的」なのだろうとは思います。
それでもわたしは同性結婚や選択的夫婦別姓の
反対論者のことを、こうは言えないかもしれないです。
付記:
ニュージーランドでは2013年8月に、
同性結婚が法的に認められることになりました。
アジア太平洋地域では初です。
「NZで同性結婚が認められる」