2017年12月29日

toujyouka016.jpg NZ元議員・同性結婚の演説

ニュージーランドのモーリス・ウィリアムソン元議員が、
最近日本で注目されています。
ウィリアムソン氏のツイッターアカウントの
フォロワーが急増しています。

「日本の同性婚議論 NZ元議員がゲイの英雄になった理由」
(はてなブックマーク)

なぜ日本で注目されることになったのかというと、
4年前、2013年に同性結婚を認める「婚姻平等法案」の
最終審議の際に行なった「大きなゲイの虹」という演説です。

 
この演説の中でウィリアムソン氏は、同性結婚を認める必要や、
反対論者の杞憂について語ったのでした。
その内容がユーモアがあるので、注目されたのでしょう。




自民党の竹下亘総務会長が、皇室の宮中晩餐会に
同性のパートナーが出席することに反対したことをきっかけに、
この演説をツイッターで流すかたが出てきて、
日本で広まることになったもののようです。

「宮中晩餐会に同性パートナー反対?」

きゅうに日本からのフォロワーが増えたので、
ウィリアムソン氏はちょっとびっくりしたようです。

<ウィリアムソン氏は「ここ数時間で新たなフォロワーが
大きく増えたことはとてもうれしい。多くは日本のフォロワーだ。
何が要因かは分からないが喜ばしいことだ。
ちなみに、私の長男サイモン・ケニアは
半分日本人なのでこのつながりを自慢に思う。
フォロワー歓迎します」とツイートした>


同性結婚が法的に認められても、同性愛者でない
ほかの人たちにはなんら関係なく、生活が変わることはない
ということを、こんな風に表現しています。

ウィリアムソン氏は演説で、「この法案でやろうとしていることは、
ただ愛し合う2人に結婚という形でその愛を
認めてあげることだ。それだけだ」と述べている。

「今この法案に反対している人たちに約束する。明日も太陽は昇る」
「十代の娘はやはり全て分かっているかのように言い返してくる。
住宅ローンは増えない」とウィリアムソン氏は続ける。
「皮膚病や発疹にはならないし、カエルがベッドから出てくることもない。
世界は続いていく。だから大げさにしないでほしい」

日本の選択的夫婦別姓についても同様のことが言えます。
選択的夫婦別姓が認められても、夫婦別姓を希望しない
ほかの人たちにはなんら関係なく、生活が変わることはないです。
蛙がベッドから出てはこないし、あしたも太陽は昇ります。



問題は日本の同性結婚や選択的夫婦別姓の反対論者が、
この演説を聞いてどのように思うかです。
同性結婚や選択的夫婦別姓が法的に認められたことで、
蛙がベッドから出てくるとは思わないでしょうけれど、
「世界が終わる」くらいは思うかもしれないです。

日本の反対論者は、戦後民法で規定された
「家族のありかた」を金科玉条のように維持し、
これに反する同性結婚や夫婦別姓は断固反対しないと、
国家が崩壊すると真面目に信じているからです。

反対論者は基本的になにを言っても無駄なので、
ウィリアムソンの演説も「焼け石に水」でしょう。
日本でこの演説を紹介するのは、考えに流動性のある、
聞く耳を持つ人を対象にするということだと思います。


ウィリアムソンは演説中、反対論者のことを
「常識的なかた」と断わっています。
反対論者をむやみにあおらないよう、
また反対論者が変な眼で見られることのないよう、
配慮したということなのでしょう。

彼らは同性結婚の法制化に反対している以外は、
たしかに「常識的」なのだろうとは思います。
それでもわたしは同性結婚や選択的夫婦別姓の
反対論者のことを、こうは言えないかもしれないです。

それでも、反対なさる多くの方は常識的な方なんです


付記:

ニュージーランドでは2013年8月に、
同性結婚が法的に認められることになりました。
アジア太平洋地域では初です。

「NZで同性結婚が認められる」

posted by たんぽぽ at 18:03 | Comment(0) | 民法改正一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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