小籔千豊・別姓反対論を展開（２）吉本新喜劇の小籔千豊氏が、選択的夫婦別姓の反対論を
述べている記事を、さらに見てみることにします。
「小籔千豊 夫婦別姓賛成派の意見に「なるほど！」と思えない」
「事務手続きが面倒くさい」「女性が離婚した時も
ややこしい」といった意見もありますけど、いやいや、
あなた個人の「面倒くさい」で法律変えるってどうなん？
引っ越ししたり、車買ったり手続きってたいがい面倒ですし。
結婚改姓は「あなた個人の「面倒くさい」」に
すぎないというのは、結婚改姓にともなう負担を
矮小化していると言わざるをえないです。
小籔千豊氏が理解できていないだけだと思います。
政治とは市民の生活のためにあるのですから、
「個人の「面倒くさい」で法律変える」のは当然です。
市民の利便のために法律を変えるのでなかったら、
なんのために政治があるのかと思います。
結婚改姓をしたくない、結婚改姓にともなう負担を
解消したいという人は、社会の中に一定数います。
よってこれは「一個人の話」に留まるのではなく、
じゅうぶん一般性を持った社会問題です。
結婚改姓をした際、身分証その他の名義を
書き直す必要がありますが、その手続きを行なう人員を
役所や企業は配置する必要があります。
その社会的損失は無視できないほど多く、
この観点からも社会の問題であると言えます。
結婚改姓は夫婦のうちどちらか一方だけ要求され、
多くの場合女性が改姓するので、改姓しない男性には
「個人の「面倒くさい」」がまったく発生しない
という、ジェンダー不均衡があります。
「引っ越ししたり、車買ったり手続きって
たいがい面倒」などと小籔千豊氏は言っていますが、
これらにジェンダー不均衡は発生しないです。
結婚改姓にともなう負担は、結婚改姓しなければ
まったく発生しないですから、夫婦の双方が
改姓しなくても結婚できるようにすることで、
「なくそうと思えばなくせる負担」です。
引越しや車の購入に伴う「面倒」は、
そのような「なくそうと思えばなくせる負担」でしょうか？
マイノリティの意見を無条件になんぼでも通すと、
まとまるものもまとまらなくなるでしょ。
マイノリティの要求がマジョリティを脅かすという、
差別主義者にありがちな妄想だと思います。
導入したい制度は選択的夫婦別姓です。
夫婦別姓を選びたい人は選べるようにする、
夫婦同姓もこれまで通り選べるようにするというものです。
これを全部実現してなにが問題になるのかと思います。
「まとまらなくなる」ものはなんでしょうか？
こんな抽象的なことしか言わないのでなく、
「これがこのようにまとまらなくなる」と、
具体性を持って示していただきたいです。
小籔千豊氏はこれだけ選択的夫婦別姓の
反対論を主張しておきながら、次のような
アリバイ作りにもならないアリバイ作りをしています。
とってつけたようにこんなことを言われても
まったく信用できないというものです。
小籔千豊氏は選択的夫婦別姓に反対したいし、
実現を阻止したいとしか思えないです。
いさぎよさのない態度だと思います。
年末に「民法の夫婦同姓の規定は合憲」との判決があって、
「同姓か別姓か」で色々言われていますね。
僕としてはホンマに基本的には「どっちでもええ」と考えてます。
夫婦別姓に反対ではないし、それを阻止したいわけでもないですけど、
推進派の意見に「なるほど！」と思えないのも、
「はじめに反対ありき」だからだと思います。
それでも別姓賛成の人の意見を聞いて「なるほど！」と
思える理由に出合えてないです。逆に「ん？」って思うものがあります。
他人の意見に耳を傾ける姿勢のある、
考えに流動性のある人なら、推進派の主張にこそ
説得力を感じるでしょうし、反対派の主張が
ナンセンスであることも理解できるでしょう。
小籔千豊氏はこんなことも言っています。
察するに選択的夫婦別姓の反対論には理がなく、
批判されて当然のひずんだ主張だと、
自分でも思っているのかもしれないです。
（テレビで選択的夫婦別姓に賛成を表明しても
たいして好感度が上がるとは、わたしは思わないです。）
そりゃ僕だって「名字を変えるのしんどいでしょうし、
自分の名字に誇りを持っている方もいますから、
別姓にできた方がいいですよね〜」とか
テレビで言った方が好感度も上がるでしょう。
それでアリバイ作りにならないアリバイ作りをして
「推進派の主張に納得できないせいだからね」と、
自分の理解責任を推進派の説明責任に転嫁して、
自己正当化を図っているのかもしれないです。
