2018年01月08日

toujyouka016.jpg 生活保護の受給額を削減

昨年の12月から話題になっていたことですが、
生活保護の受給額が削減されることになりました。
2018年10月から段階的に引き下げられます。

「生活保護見直し案 最大13%減 母子加算2割カットも」
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「生活保護費 母子加算削減に怒り悲鳴「負の連鎖招く」」
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「生活保護費 67%の世帯が減額 18年10月から」
(はてなブックマーク)

 
児童養育加算や母子加算の削減を加えると、
生活保護を受給している世帯全体の67%、
約3分の2の世帯で支給額が減ることになります。

厚生労働省は22日、生活保護基準の見直しで
世帯類型ごとの影響額を発表した。
食費や光熱費など生活費相当分(生活扶助費)に
子育て世帯や母子世帯に対する加算を加えた受給額は、
推計で67%の世帯が減額となった。

生活保護受給学の見直し


今回の削減でかなり問題視する必要があるのは、
生活保護を受けない低所得世帯のほうが低水準だというので、
生活保護をそれに合わせて引き下げることです。

生活保護の生活費は最低限度の生活を営むのに
必要な水準が支給され、生活保護を受けていない
低所得世帯と同じ生活水準になるよう算出。
5年に1度見直している。
「40代夫婦と中学生、小学生」(大都市部)の
4人家族の受給水準は低所得世帯より
最大13.7%高く、その分、引き下げる。
共に65歳以上の夫婦の世帯も10%超のカットになる。

「働いているより生活保護を受けたほうが
収入が増えるのはおかしいから、生活保護を引き下げろ」という、
生活保護に対するよくある偏見や劣情に
便乗するかたちになっていると言えるでしょう。

本来なら保護を受けない低所得世帯の生活水準を
生活保護世帯と同じになるまで引き上げるところです。


前回5年前の見直しでは、デフレを理由に生活保護の
受給水準を引き下げたのでした。

5年前の前回見直しでは、デフレなどを考慮して
平均6.5%減とし、段階的に引き下げた。

それなら今回は「アベノミクス」で景気がよくなって、
インフレも進んでいることでしょうから、
受給水準はもっと高くなってしかるべきです。

生活保護を受けていない低所得世帯の消費額と
同水準になるように受給額を決める方法にも異論が出ている。
経済成長時には全体に合わせて受給額も上がっていた。
だが、社会の状況は大きく変わっている。
貧困問題に取り組む一般社団法人「つくろい東京ファンド」の
稲葉剛代表理事は「貧困が広がるほど減額になる仕組みだ」と批判する。

デフレでも削減、インフレでも削減というのは、
どういうことかと思います。
生活保護を削減したいという結論が先にあって、
経済状況は後付けの理屈ではないかと思われます。

(「アベノミクス」で本当に景気がよくなって
インフレが進んでいるのか?という疑問も
あると思いますが、いまは置いておきます。)


経済合理性のお話をもう少しすれば、
生活保護は支給した額の大部分が消費に回るので、
景気を活性化させるには効率がよいことがあります。
市民の消費を促進してインフレを進めたいなら、
生活保護の支給額は増やしたほうがいいことになります。

生活保護の支給額を削減すると、それだけ消費が
停滞することになり、デフレが進むことになります。
デフレからの脱却を標榜する「アベノミクス」の方向性と
まったく逆に向かうことになります。




posted by たんぽぽ at 22:40 | Comment(0) | 経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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