2018年01月10日

mar0006.gif生活保護・母子加算の削減

1月8日エントリでお話した生活保護の受給額の削減ですが、
母子加算の削減についてお話したいと思います。

「生活保護見直し案 最大13%減 母子加算2割カットも」
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「生活保護費 母子加算削減に怒り悲鳴「負の連鎖招く」」
(はてなブックマーク)

「生活保護費 67%の世帯が減額 18年10月から」
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一方、母子加算については、両親のいる世帯の
生活水準と比較し、差額を支給する。
今回の試算では、子ども1人の場合で差額は1万7000円で、
現行の母子加算(平均2万1000円)は2割(4000円)高かった。
受給額だけでなく母子加算の月約4000円減額も決まった。
関東地方の30代女性は「子どもには
やりたいことをやらせたい」と肩を落とす。
気にかかるのは小学生から高校生の子どものことだ。


子どもがふたりいる家庭の年収分布を見ると、
母子世帯は大半が100-199万円の範囲にあります。
夫婦がいる世帯の年収と比べて、
母子世帯は低収入であることが歴然としています。

「母子家庭の年収分布」


日本はひとり親世帯の貧困率が、
親が働いていないより、働いているほうが高くなるという、
「逆転現象」が起きているきわめて特異な国です。
それゆえOECD加盟国の中では、親が働いている場合の
ひとり親世帯の貧困率が、きわだって高いです。

「ひとり親世帯の貧困率・2013年」


母子家庭の貧困が厳しい状況にあるのは明らかです。
この状況で母子加算を減らしたら、母子家庭の貧困は
さらに深刻になることは、言うまでもないです。
上述の貧困率の「逆転現象」など、明らかにおかしな現状を
改善しようとは思わないのかと思います。


安倍政権は10月22日の衆院選で、
少子化が国難だと言って選挙戦に挑んだのでした。
ところが選挙が終わるとすぐに少子化を
促進することになる政策に出たとも言えます。

少子化がそれくらい問題なら、子どもを育てることが
経済的に苦しい人たちを、積極的に支援するのが本来です。
母子世帯の経済的支援を削減するということは、
それだけ子どもを育てにくい社会にすることになります。



自民党・安倍政権が「少子化が国難」と言ったところで、
たいして信用できないことは、これまでのことからわかることです。
その意味では意外性がないことだと言えます。

それでも選挙の公約と明らかに逆行する政策を
選挙後にすぐ行なうのは、厚顔もはなはだしいことですし、
その都度批判する必要のあることだと思います。


政府や自民党がなぜひとり親世帯に酷薄なのかは、
例によって「夫が外で働き妻が専業主婦」という
高度経済成長期に定着した「家族のありかた」を、
「信仰」のようにしているからだと言えます。

「信仰としての家族思想」

ひとり親世帯は彼らの「信仰」から外れるので、
「異教徒」として排除されるということです。
とくに母子世帯は「男の庇護下に入らない女」でもあるので、
いっそう迫害の対象になるのだと思います。

彼らの「家族思想」に対する「信仰」のもとでは
「異教徒」は「存在しない」ことにされます。
社会保障や制度の設計も、「存在しない」ことを
前提にするので、ひとり親世帯は福祉による支援の
対象からはずされ、見捨てられることになります。

そしてシングルマザーは、その教理に反した異教徒というわけです

でも目に見える形で迫害されるのではなく、ひたすら存在を無視されるんです。
この国は標準世帯以外の人たちを見捨てることによって、
美しい家族像の純粋性を守ってきました


付記:

自民党政権は2009年の下野以前にも、
母子加算を削減したことがありました。
母子家庭は彼らにとって、それだけ「目のカタキ」に
したいということなのかもしれないです。


2009年に民主党が政権を取ったとき母子加算は復活、
2009年の暮れから支給が再開されています。

「母子加算が年内に復活?」
「母子加算と子ども手当」

生活保護の母子加算を復活・継続しています

posted by たんぽぽ at 22:59 | Comment(0) | 家族・ジェンダー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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