2018年01月27日

mar0006.gif不妊治療・事実婚の助成を見送り

来年度からの実施を検討していた、事実婚カップルに対する
不妊治療の費用助成を、厚生労働省が見送ることを決めました。
とんだ時代の逆行です。

「不妊治療 事実婚の助成見送り「父子関係の検討必要」」

体外受精など不妊治療費用の助成制度を巡り、
厚生労働省が、来年度から実施を検討していた
事実婚カップルへの対象拡大の見送りを決めた。
子どもを持ちたい人たちを幅広く支援するために
検討を進めてきたが、「父親が確定できない恐れがある」
などとの指摘に配慮した。

 
不妊治療を受けることは、事実婚や未婚親でもできます。
産婦人科学会が治療を受けられる対象を
拡大するよう指針を変更してきたのでした。
2006年4月に事実婚カップルまで拡大、
さらに2014年6月に未婚親まで拡大しました。

「事実婚にも体外受精」
「事実婚にも体外受精(2)」

「未婚の親でも体外受精」
「未婚親の体外受精・正式容認」

2014年の未婚親への治療可能な対象拡大は、
2013年12月に違憲判決が出た婚外子の相続差別を、
民法改正によって撤廃したことを受けてのものです。

「婚外子差別撤廃・法案成立」
「2013年12月・婚外子差別撤廃、民法改正」


産婦人科学会も家族に関しては因習的なほうです。
それでも時代の変化や民法の改正に応じて、
不妊治療を受けられる対象を拡大してきたのでした。
事実婚親に対する不妊治療の助成を見送る厚生労働省は、
家族に関してどれだけ因習的なのかと思います。

厚生労働省が不妊治療の助成の対象を、
事実婚親に拡大することを検討し始めたのは2014年1月です。
上述の不妊治療の対象を未婚親へ拡大することを、
産婦人科学会が決めたことを受けてのものです。

それから4年経過しているので、
かなり長いこと議論を続けていたことになります。
そしてその結論が「事実婚親は助成を見送り」です。
じつにお粗末なお話だと思います。


厚生労働省が事実婚親への助成拡大を
見送りにした理由の「父親が確定できない恐れがある」
というのは、なんなのかと思います。

事実婚で子どもの父親を確定するには男性の認知の手続きが必要。
「誰が父親かあいまいになりかねない」との懸念が
根強いことを踏まえ、同省は「生まれる子と父親との関係や
子どもの権利などさらに検討が必要」と判断した。

法律婚なら夫が必ず父親、事実婚だとほかの男性との
子どもの可能性があると思っているのかと思います。
法律婚をしている男性でも、不倫でよその女性との
子どもを作ることもあるでしょう。

そもそも「離婚後300日規定」のように、
遺伝的につながっていないのに、法律婚というだけで、
父子関係が法的に決められることもあります。
婚姻届けを出しているかどうかは、
実の親子を判定する上で不正確なことも多いわけです。




厚生労働省が法律婚を絶対視するのは、
戦後の民法で定められた「家族のありかた」を
金科玉条のように守ることが、宗教のような
「信仰」になっているということだと思います。

この「家族思想信仰」にもとづけば、婚姻届けを出せば
そのカップルは無条件に「正しい夫婦」なので
「信用できる」し、婚姻届けを出していなければ、
「正しくない」ので「信用できない」ことになります。


この不妊治療の助成見送りによって、子どもを持つことを
あきらめる事実婚夫婦のかたも出てくると思います。


時代とともに変化している家族のかたちを受け入れず、
自分が「信仰」する「家族のありかた」に拘泥することで、
少子化のさらなる進行を招くという、いつものパターンです。

「家族主義が家族を壊す」

日本社会はこの期におよんでなお、少子高齢化や
人口減少に対する危機感が薄いということだと思います。

posted by たんぽぽ at 09:46 | Comment(0) | 民法改正一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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