2018年02月17日

toujyouka016.jpg 夫婦別姓の世論調査・メディア記事

2月14日エントリ2月16日エントリで見てきた、
選択的夫婦別姓についての内閣府の調査
「家族の法制に関する世論調査」ですが、
メディアでもひととおり取り上げられています。

「夫婦別姓、賛成派は42% 反対29%、内閣府調査」
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「選択的夫婦別姓「容認」4割超 「必要ない」は3割切る」
(はてなブックマーク)
「夫婦別姓「容認」が4割超 法改正「不要」3割切る 内閣府調査」
「夫婦別姓容認、4割超に増加=希望者は少数−内閣府調査」
「夫婦別姓、賛成42%、反対上回る 内閣府世論調査」
「「選択的夫婦別姓」 容認が反対を上回る 内閣府世論調査」
(はてなブックマーク)

 
どのメディアも選択的夫婦別姓の導入に
「賛成」が過去最高、「反対」が過去最低となったこと、
そして「賛成」が「反対」を上回ったことに触れています。

選択的夫婦別姓制度の容認率の推移

「賛成」が増えたのは、サイボウズの青野慶久氏が、
選択的夫婦別姓の訴訟を起こしたこともありそうです。
世論調査を実施したのは12月、訴訟を起こす表明をしたのは
11月ですから、提訴が世論に影響したことは考えられます。


「賛成」が過去最高といっても42%ですから、
過去最高だった2001年の水準とほとんど変わらないです。
世論を喚起したのに賛成が4割程度というのは、
まだまだ理解が浸透していないということかもしれないです。


時事通信の記事の見出しにだけある(産経も書かなかった)
「希望者は少数」について、少し言及しておきます。
なぜわざわざ「少数」だとことわるのかです。
このような文脈で「少数」であることをことわるのは、
たいていよい意味でないと思います。



選択的夫婦別姓の導入に賛成する人は多いのに、
希望する人がそのうちの2割に満たないのはおかしい、
制度の賛成派と夫婦別姓の希望者の人数に
乖離が大きすぎる、と言いたいのでしょうか?

選択的夫婦別姓制度の導入に賛成するかどうかと、
自分が夫婦別姓を希望するかは別問題です。
選択的夫婦別姓制度の導入に賛成するから、
自分も夫婦別姓を希望するとは限らないです。
(逆の「夫婦別姓を希望するかたは選択的夫婦別姓制度の
導入に賛成する」は成り立ちます。)

制度の賛成と希望者の割合がかけ離れているのは、
自分の選択と社会の制度のありかたを
別問題と考えていること、そして自分と関係ない他人の選択を
尊重できる人がそれだけ多いということです。
この意味では好ましいことだと言えます。


夫婦別姓を希望する人たちは「少数」だから、
選択的夫婦別姓を認めなくていいし、
彼らの選択を否定してよいということでしょうか?

「選択的」夫婦別姓ですから、夫婦同姓を選択したい人は、
これまで通り夫婦同姓を選択することができます。
夫婦別姓を選択できるようになったところで、
多数派の権利にまったく抵触しない少数派の権利です。
それは希望する人の多い少ないに関わらず、認めることです。

「夫婦別姓・少数派の権利と世論調査」

多数の利益になんら抵触しなくても、
「少数だから」という理由でその権利を否定してよいと考える、
「多数決で少数派の権利を否定する」というのは
ある意味「日本的」かもしれないです。



2月14日エントリで、夫婦別姓を希望する人は
全体の15-20%と考えられると、わたしは推測しました。
夫婦別姓の希望者は本当に無視できる「少数」か
という疑問もありますが、ここでは置いておきます。

「家族の法制に関する世論調査」

posted by たんぽぽ at 23:39 | Comment(0) | 民法改正一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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