なぜ昭和になって出てきたか?」などと
みょうなことを訊く選択的夫婦別姓の反対派がいます。
今回はこれを見てみたいと思います。
夫婦別姓のデメリットとメリットが知りたいのだが。
— 11auoo拉致被害者及び、竹島奪還 (@auoo11) 2018年2月5日
40年スパンで考を見直したいのなら歴史の一部を切り出して説得をしてみては?
私が問いたいのは江戸、明治、大正にはなかった別姓問題が何故昭和に出てきたかと言う事です。
>江戸時代
江戸時代に苗字を名乗ることができたのは、
サムライと一部の特権を得られた人たちだけです。
人口の大半を占める庶民は、苗字がないかあっても
おおやけには名乗れませんでした。
苗字がないのですから、夫婦同姓とか夫婦別姓以前です。
「夫婦別姓問題」なんて、出てくるはずもないです。
そうしたら先の反対派は「江戸時代は苗字の
あった人たちだけのお話だ、苗字のなかった庶民は除く」
という主旨のことを言ってきました。
(いちおう筋は通っていると思います。)
苗字のある人たちで議論をするのが筋です。平民は関係ない。
— 11auoo拉致被害者及び、竹島奪還 (@auoo11) 2018年2月5日
価値観の変化では有りません、持ち込まれただけです。
江戸時代までは明治以降とは苗字の概念が異なります。
「氏(うじ)」「姓(かばね)」「名字」は
もともとは別のもので、作られた起源も、
用いられるようになった経緯も違っています。
「氏姓」は大和朝廷の時代に始まる天皇からさずかる名前で、
「氏」は一族の名前、「姓」は役職を表わしました。
「名字」は平安時代の後期に起こったサムライたちが
自分たちの一族の名前として自称したものです。
江戸時代からは「苗字」とも書き、役職も表わすようになります。
「夫婦別姓4部作」
「名字の歴史と夫婦別姓」
明治に入って近代的な家族制度を法律で整えていく際、
「氏(し)」「姓(せい)」「名字/苗字」の
区別がなくなり、同じものを表わすようになります。
「姓」と「名字/苗字」の法律用語が「氏」というくらいです。
現代の意味での「夫婦同姓」とか「夫婦別姓」は、
基本的に明治以降の概念ということになります。
苗字の概念が現代と異なるのですから、現代的な意味での
「夫婦別姓問題」が江戸時代にあるはずもないことです。
>明治時代
明治になって近代的な家族制度を整備したとき、
最初の政府の見解は「苗字は出自を表す」でした。
結婚改姓という考えがなく、女性は結婚しても
生来の苗字を名乗る夫婦別姓が原則だったと言えます。
「反対派の精神構造と思考構造 夫婦同姓は日本の伝統?」
「日本で夫婦同姓になった起源」
「儒教とは何か」を読んでたら初っぱなに夫婦同姓について書かれてて、日本では明治27年まで、内務省から「妻は元の姓を名乗るべし」とされてたのを知った。夫婦同姓が明治以降なのは知ってたけど、明治27年に至るまで、むしろ積極的に「妻は元の姓」とされてたのは知らんかった。
— mipoko (@mipoko611) 2018年1月27日
明治27年まで妻は元の姓とされ、内務省から出された文言は「生家ノ氏ヲ称スル」というもの。この一文からは妻は嫁いでも生家に属するという認識が分かる。夫の姓を名乗る場合は婚家の財産を継いだ時。寡婦となり家を管理する立場になった時などでは。家というものの感覚が明治後期以降とは違う。
— mipoko (@mipoko611) 2018年1月27日
明治のはじめに夫婦別姓が存在したので、
この意味でなら「夫婦別姓問題はあった」と言えます。
それでも夫婦別姓を原則とすることに
異論や反論があって議論になったというほどではないので、
その意味では「夫婦別姓問題はなかった」と言えます。
その後、日本政府はヨーロッパの家族法を研究します。
このとき家父長制のもと妻は夫の苗字を名乗って
夫婦同姓になると定めている国を参照します。
日本もこれにならって夫婦同姓を原則にします。
「苗字は家の名前」という考えが出てきたのもこのころです。
女性が改姓して夫の苗字を名乗る夫婦同姓を、
日本が民法で定めたのは1898年です。
明治の後半であり、明治維新からだいぶ経っています。
同姓を名乗れとされたのは明治31年(西暦1898年)。明治も随分進んでから。なんでかというと、不平等条約撤廃のために欧米列強風の法整備が急がれたかららしい。何のことはない、夫婦同姓は伝統でも何でもなく、むしろ儒教由来の同姓不婚の伝統を破って、欧米化するために作られた制度ということだ。
— mipoko (@mipoko611) 2018年1月27日
日本で夫婦同姓を法律で定めた経緯として、
不平等条約を撤廃するために、欧米並みの法整備を急ぐ
必要があったことは、特筆することだと思います。
夫婦同姓は「従来の日本の伝統を捨てて
欧米化するために持ち込まれた」ということです。
最初のツイートの反対派は「夫婦別姓の考えは
いつ日本で生まれたのか」などと訊いています。
あたかも夫婦別姓がどこかの外国から、
日本に持ち込まれたかのように思っているのでしょう。
夫婦別姓の考えは何時、日本で生まれたのかな?
— 11auoo拉致被害者及び、竹島奪還 (@auoo11) 2018年2月5日
勿論、持ち込まれたことを否定する根拠も説明してね。
夫婦同姓こそもともと日本になかった考えであり、
近代化の過程で欧米諸国から持ち込んできたものです。
問いかけるとしたら「夫婦同姓の考えは
いつ日本で生まれたのか」になるでしょう。
付記:
最初の反対派には、わたしから次のことをお尋ねしたいです。
(お返事はいただいていないです。)
https://t.co/GPmUwXm7XS こちらもお尋ねしたいです。「現在と苗字概念が異なるから、現代の意味での夫婦別姓問題がないのはあたりまえなのに、なぜあなたは江戸時代に夫婦別姓問題がないことを問題にしましたか?」
— たんぽぽ (@pissenlit_10) 2018年2月5日
https://t.co/2EKBNQ4wtj むしろわたしから訊きたいです。「なぜあなたは、夫婦別姓の考えが日本に持ちこまれた」と思っていましたか?
— たんぽぽ (@pissenlit_10) 2018年2月5日