とてもうがったことを言うかたがいます。
「尊い」とか「負担はいくら大きくても甘受しろ」とか
言っている推進派のかたは、どこにいるのかと思います。
選択的夫婦別姓制度というのは貴いものであるから、国民はそれを導入するための負担がいかに大きなものであっても大人しく甘受すべきであり、国民の負担を軽減する努力は不要だということですね。RT @sentakuseibesse: 私の知りうる限り、貴殿の主張は法的論争の余地は無い
— 小倉秀夫 (@Hideo_Ogura) 2018年2月15日
「選択的夫婦別姓制度は尊い」なんて考えている
推進派なんて、わたしは見たことも聞いたこともないです。
おそらくどこにもいないでしょう。
選択的夫婦別姓の実現を求めるかたは、
結婚改姓にともなう不利益を解消するという、
自分たちの生活に関する問題を解決したいと考えています。
そこに「尊い」とか「尊くない」なんて
価値判断など入れてはいないと思います。
「基本的人権はすべて等しく尊い」と考えるなら、
選択的夫婦別姓の実現もまた基本的人権の尊重ですから、
この意味でなら「尊い」と考えることはできます。
最初のツイートのかたは、このような一般的な
見地に立ったことを、言いたいのではなさそうです。
あきらかに選択的夫婦別姓を求める人たちだけ、
その資質を問題にしているのでしょう。
「導入の負担がいくら大きくても国民は甘受しろ」なんて
もの言いをする、選択的夫婦別姓の推進派もいないと思います。
何だか子どものケンカみたいな事を仰ってますね。
— ヤス And Yet It Moves (@AndYet_It_Moves) 2018年2月15日
「負担がいかに大きなものであっても大人しく甘受すべき」ってどなたか仰ったのでしょうか…
導入コストを理由に選択的夫婦別姓の導入に
反対する人たちは多いので、彼らにへきえきしている
推進派は少なからずいらっしゃると思います。
その場合でも、非改姓結婚によって削減できるコストが
あることを示すなどして、選択的夫婦別姓を導入したほうが
経済合理性にかなうことを、根拠をあげて示しています。
「経済合理性から見た非改姓結婚」
結婚改姓すると、改姓した本人は名義変更のために、
いくつもの手続きを行なう必要があります。
それにともなう時間的、精神的、金銭的負担は
きわめて大きなものとなっています。
また名義変更の手続きを行なう行政や企業も、
いくつもの書類提出を求める必要があるし、
そのために人員を配置する必要があるので、
やはり大きな時間、労力、金銭的な負担が発生します。
選択的夫婦別姓の導入で非改姓結婚ができるようになれば、
これらのコストは削減できますが、導入しなければ、
今後もずっと発生し続けるコストです。
最初のツイートのかたは、
「選択的夫婦別姓制度というのは卑しいものであるから、
結婚改姓にともなう負担がいくら大きくても、
改姓する当事者はこれを甘受するべきであり、
国民は当事者の負担を減らす努力は不要だ」
とでも言いたいのでしょうか?
https://t.co/Q2pEYKMnnY 「選択的夫婦別姓というものは卑しいものであるから、結婚改姓にともなう負担がいかに大きなものであっても、結婚改姓する当事者はおとなしく甘受するべきであり、当事者の負担を減らす努力は不要だ」、これがあなたの言いたいことですか?
— たんぽぽ (@pissenlit_10) 2018年2月16日
最初のツイートは小倉秀夫氏。
弁護士ですがミソジニーであり、女性の権利に関することになると、
やたら女性を見下したことを言います。
選択的夫婦別姓制度がなくて困っている人たちに対して失礼な発言だと感じます。
— みけもも (@fumofumo2shippo) 2018年2月15日
いまから7年前ですがミスコンテストの中止が
議論になったとき、小倉秀夫氏はミスコンテストを
擁護する論陣を張ったのでした。
このとき女性の貧困問題や、雇用のジェンダー格差に
ついての無理解も、合わせて露呈しました。
「ふたたびミスコンの議論」
これをきっかけに小倉秀夫氏のミソジニーの本性を
知ったかたも、結構いらっしゃるようです。
(わたしのこのミスコンテストの議論でわかりました。)
ミスコン容認発言あたりから、おかしい方だと分かってきたのだが、本音はこんなところだったのか。
— ラビニア (@IsSheW) 2018年2月16日
「リベラル派弁護士」を装っていたけど、ミスコン論議で本性がばれてしまいましたね。かつて、強硬な別姓反対派を小馬鹿にしたような態度で攻撃していたのも元々全部嘘だったのか、あるいは途中で変節したのでしょうか。
— ラビニア (@IsSheW) 2018年2月17日
小倉秀夫氏は選択的夫婦別姓の反対派のことを、
ばかなやつらだと思っているのでしょうが、
選択的夫婦別姓を求めるかた(女性)のことも
気に入らないということかもしれないです。
小倉秀夫氏はかかるミソジニーですから、
皮肉でなく本当に選択的夫婦別姓制度を「卑しい」と
思っていても、わたしは意外には思わないです。
「自分が『卑しい』と思っているから、
推進派は『尊い』と思っていると思った」と考えれば、
今回の思考回路はいちおう理解できるとも言えます。
なにもないところから急に「尊い」と言い出すより、
「自分が卑しいと思っているから…」のほうが、
飛躍はずっと少ないこともたしかでしょう。