2018年02月25日

toujyouka016.jpg 選択的夫婦別姓と抱き合わせ論

前のエントリでご紹介の小倉秀夫氏は、
選択的夫婦別姓に関してこんなことも言っています。

選択的夫婦別姓が選択肢を増やすだけというなら、
ミスコンテストや性の商品化、性表現を含むコンテンツも
選択肢を増やすだけではないか、だそうです。



 
「多様性の尊重」の観点から選択肢を増やしてよいのは、
その選択肢が他者の権利や尊厳を侵害しないときです。
他者の権利や尊厳を侵害する選択肢は認められないです。

「多様性の尊重」とは、多様性に反するカチカン、
多様性から逆行するカチカンを徹底的に否定することです。
他者を侵害する選択肢は、多様性を否定し逆行するので、
「多様性の尊重」の観点からは、否定することになります。

選択的夫婦別姓は、夫婦同姓、夫婦別姓の
いずれも選択できるようにする制度です。
夫婦同姓にしたいかたは、これまでどおり選択できるので、
夫婦別姓という選択肢が増えたところで、
彼ら夫婦同姓にした人たちの権利を侵害することはないです。

よって選択的夫婦別姓は、多様性の尊重の観点から
認めてよいし、また認める必要があることになります。


最初のツイートに並んでいる「他のこと」は、
いずれも男性が女性を性的に搾取するものであり、
女性の権利や尊厳が侵害されるカチカンです。
「多様性の尊重」の観点からは否定されるものであり、
選択肢として認めるわけにいかないことになります。

「ミスコンテスト」は容姿その他が「男性にとって
望ましいかどうか」で、女性を評価します。
「あるべき女性」が男性によって規定され、
女性のありかたが狭められるので、多様性に逆行します。

「性の商品化」は男性によって女性を性的搾取するものだ、
ということは、言うまでもないことだと思います。


「性的コンテンツ」は、女性の主体的な性的表現であれば、
「多様性の尊重」の観点から認められる必要があります。


このような文脈で出てくる「性的コンテンツ」は、
男性によって女性を性的搾取することを
目的としていることが多いと思います。
(女性の主体的な性的表現には、むしろ反発すると思います。)
それは他者の尊厳を侵害するものであり、
「多様性の尊重」の観点からは認められなくなります。


最初のツイートのロジックの形式は、
「選択的夫婦別姓を認めるなら、あれやこれも
認めないのはおかしい」というものです。

これも「抱き合わせ論」のひとつだと思います。
「選択的夫婦別姓を認めるなら、一夫多妻制も認めろ」
というたぐいの主張と同じようなものです。

「夫婦別姓と一夫多妻の関係」



彼らに言わせると、いっしょに認めなければならないらしい
「あれ」や「これ」は、たいてい女性の権利を侵害するとか、
女性を性的に搾取するものだと思います。
「抱き合わせ論」は反フェミやミソジニーが
持ち出すことが多いので、自分の利益で考えるのでしょう。

彼ら反フェミやミソジニーは、選択的夫婦別姓の
実現のような女性の権利を認めると、自分たちがなにか
損をすると思っているのかもしれないです。
マジョリティ、社会的強者にありがちな被害妄想です。
それで「代償」を要求してくるものと思います。

あるいは「相手は女性の権利を主張しているから、
女性を搾取するものを持ち出せば返答に困るだろう」という、
戦略的なことを考えているのかもしれないです。

posted by たんぽぽ at 08:42 | Comment(0) | 民法改正一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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