2018年02月26日

toujyouka016.jpg 性暴力の意識・外国と日本の違い

2月17日の『女性自身』に、伊藤詩織さんの告発に対する
諸外国の反応についての記事があります。
こういうのを見ると、性暴力や性犯罪に対するスタンスが、
日本と欧米の民主主義国とで差があると、わたしは思います。

「伊藤詩織さん「声」あげ感じた“海外”とのセクハラ意識の違い」

 

記事ではスウェーデンの反応について触れています。
詩織さんにたくさんの応援のメッセージが送られ、
さらに日本の性犯罪救済センターに寄付を送るかたもいたのでした。

「運動の発祥の地のアメリカは当然として、
私が驚いたのはスウェーデンの反響のすさまじさ。
人口はそれほど多くないのに、インタビューが掲載されたとたん、
多くのメッセージが私の元に届きました。

激励に加えて、同じサバイバーの方からの
『勇気をもらった』という声も多かった。
わざわざスウェーデンから日本の性犯罪救済センターに
寄付を送ってくれた方もいました」(伊藤さん・以下同)

伊藤さんがインタビューのなかで、
「日本では性暴力救済センターやスタッフの数が足りていない」と
話しているのを読んでくれての行動だった。

スウェーデンでの反響はとても大きいとあります。
性暴力の問題には敏感に反応するかたが多いのでしょう。
やはりスウェーデンは性暴力対策の先進国だと実感させられます。

外国で人権水準が遅れているがゆえに、
自分の国ではほとんど解決しているような問題で
苦しんでいる人いると、手を差し伸べたいと
考える人もいらっしゃると思います。
スウェーデンにそう考えたかたが多かったということだと思います。


ほかに記事で指摘している「アジア圏からの
実名での声はまだ少ない」を見ておきたいと思います。

「昨年10月の『Black Box』の出版を機に、
アメリカの『ニューヨーク・タイムズ』はじめ
イギリスのBBCやフランスなど海外メディアからの取材が殺到しました。
『#MeToo』運動のうねりのなかで、各国の女性が声を上げ始めていますが、
やはりアジア圏からの実名での声はまだ少ないからでしょう」

性暴力対策に関しては、日本はいまだ「アジア」であり、
欧米の民主主義国から立ち遅れているということです。


日本は女性の警察官の割合がきわめて低く、
強姦の認知率もとても低くなっています。
どちらの割合もインドと同じくらいの水準です。

「警察官の女性比率と強姦の認知件数」


このように数字で表現されることも
日本は欧米の民主主義国からはだいぶ遅れています。
性暴力に対する意識や、性暴力被害の訴えやすさといった、
数字で表現されないことも、同様ということです。

日本の保守的な人や国粋主義的な人は、
「日本は先進国で治安がいいから性犯罪も少なく、
そこらへんの欧米諸国より安全な国だ」などと
思っていることも少なくないと思います。
そんな日本に対する自己認識は「幻想」と言えます。

posted by たんぽぽ at 06:59 | Comment(0) | 家族・ジェンダー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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