モンスタークレーマー呼ばわりするツイートがあります。
永六輔がラジオで言ってた話。ある小学校で親が「ウチは給食費払ってます!ウチの子に“いただきます”なんてさせないで!」と。その後たった1人の親のせいで、皆で機嫌良く共有していた文化「皆で揃っていただきます」は毀損され、誰も望まぬ「箇々で」のルールに。モンスターって怖いね。
— ほんづ (@Hiroshi516) 2018年2月16日
ラジオ云々のくだりは「皆で一緒にやるということ」に意義があって、その集団の皆で長年大事に共有していた財産を、ポリコレ棒で以てたった一人が恒久的に葬り去った事例で、奪われた側の多勢にもイマイチ何が失われたか解ってない奴も混じってるという話なのですが、マジでわかんないですか。凄いな。
— ほんづ (@Hiroshi516) 2018年2月17日
ここでの問題は以下の3つがあると思います。
1. 「たった一人の親のせいで」
選択的夫婦別姓の実現を望む人は少数か?
(希望者の人数)
2. 「モンスターって怖いね」
選択的夫婦別姓の実現を望む人はモンスターか?
(活動の手法)
3. 「皆で機嫌良く共有していた文化」
「誰も望まぬ「箇々で」のルール」
現行の夫婦同姓の強制をみんなが望んでいて、
選択的夫婦別姓の導入はだれも望んでいないか?
(世論の支持)
>1.「希望者の人数」について
2月10日に発表された内閣府の世論調査によると、
選択的夫婦別姓の導入に「賛成」は42.5%で、
そのうちの19.8%が自分は夫婦別姓を「希望する」と答えています。
よって全体の8.4%が夫婦別姓を希望する人です。
「家族の法制に関する世論調査」
「賛成」と答えたかたのうち「どちらともいえない」と
「わからない」を合わせて、32.7%あります。
これらの人たちも夫婦別姓を選択する可能性があると
考えられるので、夫婦別姓を選ぶかたは、
全体の15-20%程度になるでしょう。
20代と30代の首都圏で働く女性という、
結婚が目前の課題になっている人たちだけを
対象にしたウートピのアンケートでは、
夫婦別姓が認められた場合、自分は夫婦別姓を選択する
というかたは63%で、全体の3分の2近い割合でした。
「非改姓結婚希望が6割以上」
これだけのかたたちが、夫婦別姓を選択すると
言っているのですから、選択的夫婦別姓を希望するかたは
じゅうぶんな多数であり、「たった一人の」などという
少数の特例ではまったくないでしょう。
2.「活動の手法」について
選択的夫婦別姓の実現を求めるかたは、
先日の青野慶久氏らによる夫婦別姓訴訟を始め、
議員を囲んでの院内集会を開いたり、
2009年の民主党政権の樹立など、選択的夫婦別姓の実現を
公約とする政党を支持したりしています。
院内集会なんてわりと頻繁に開いていると思います。
また直接手紙を送ったり会ったりするといった、
さまざまなかたちで国会議員や地方議員と
個別にコンタクトを取るかたもいらっしゃります。
わんわんさんはここに書けないくらいたくさんたくさん活動されてる方なんですよ。議員さんにもたくさん陳情したり、手書きの手紙を書いて自民党の議員に会ったりね。
— みけもも (@fumofumo2shippo) 2018年1月20日
他の方も長年地道な活動をしてきた尊敬できる方たちなんです。
私なんか始めたばかりですよ。
夫婦別姓を実践するかたや希望するかたが、
メディアの取材を受けて、それが記事になることもあります。
個人でブログやサイトを作って情報発信しているかたも、
わたしを含めてたくさんいます。
これらはすべて民主社会の市民としての
正当な権利を行使しているものですし、
また正当な言論の自由を駆使しているものです。
よって「モンスター」ではぜんぜんないです。
>3.「世論の支持」について
2月10日の内閣府の世論調査では、選択的夫婦別姓に
「賛成」する42.5%のうち、47.4%のかたが、
自分は夫婦別姓を「希望しない」と答えています。
全体の約2割程度のかたが、自分と無関係な
他人の選択を認めていることになります。
「図17 別姓の希望」
2015年12月の東京新聞のアンケートでは、
自分は夫婦同姓を選択するが、選択的夫婦別姓の導入には賛成と
答えたかは、男性の53.2%、女性の57.1%でした。
「東京新聞・別姓のアンケート」
自分は夫婦同姓を選択するが、選択的夫婦別姓の導入には
賛成するかたは、かなりたくさんいると言えます。
夫婦同姓の強制は「皆で機嫌良く共有して」いないし、
選択的夫婦別姓を導入することは「誰も望まぬ
「箇々で」のルール」でもない、ということになります。