貧困自己責任論について、見ていきたいと思います。
貧困が顕在化する社会で、政治に責任がないことなんて、
実際にどれくらいあるのかと思います。
世界中が憧れるこの日本で「貧困問題」などを曰う方々は余程強欲か、世の中にウケたいだけ。
— 桂 春蝶 (@shunchoukatsura) 2018年2月20日
この国では、どうしたって生きていける。働けないなら生活保護もある。
我が貧困を政府のせいにしてる暇があるなら、どうかまともな一歩を踏み出して欲しい。この国での貧困は絶対的に「自分のせい」なのだ。
2015年の日本のひとり親世帯の貧困率は50.8%です。
これはOECD加盟国でもっとも高いです。
貧困率が50%を超えている国は日本だけです。
OECD平均は31%程度ですから、日本の貧困率が50%を
超えているのは、高い水準と言わざるをえないです。
「日本のひとり親世帯の貧困率」

フランスのひとり親世帯の貧困率は25%程度、
スウェーデンとイギリスは20%以下です。
他国とくらべてはるかに貧困率が高いというのは、
政治に原因があると言わざるをえないです。
日本は、ひとり親世帯の貧困率が、親が働いていない世帯より、
働いている世帯のほうが高いという「逆転現象」が起きている、
OECD加盟国の中で唯一の国です。
ほかの国はどこもすべて、親が働いている
世帯のほうが、貧困率が低くなっています。
政府による再分配機能が働くのですから当然でしょう。
2013年のデータでは、ほかの調査対象国はすべて
貧困率は40%以下なのに、日本だけ55%以上あります。
日本のプロットだけ孤立しているということです。
「ひとり親世帯の貧困率・2013年」
一人親世帯の貧困率(2013年)。
— 舞田敏彦 (@tmaita77) 2017年3月14日
日本は,親が働いている世帯のほうが貧困率が高い。シングルの親が働いても,公的扶助レベルの収入すら得るのが難しいってこと。こういう社会は他にない。 pic.twitter.com/4iVf5ArpkH
日本はひとり親世帯からも、税金や社会保険料を
たくさん取りながら、じゅうぶんな還元をしないので
「逆転現象」が起きるということだと思います。
これは税制や社会保障の制度がおかしいからであり、
「政治のせい」としか言いようがないです。
「子どもの貧困率の逆転現象」
政治の無能ぶりをこれほどさらけ出している国はない。
他の国は、政府が介入する事で、当然子どもの貧困率は下がる。
日本だけは逆で、貧困状況の子育て家庭からも
税金や社会保険料をたっぷりととり、それに対して
見返りはちょっぴりとしかしていない最悪の国なのだ。
こんな無茶苦茶な政治をしている先進国は他にない
日本は子どもを持つ女性の賃金も、OECD加盟国中で最低です。
男性と比べると、子どもを持つ女性は39%で、
ほかの調査対象国と比べて飛び抜けて低水準です。
OECD平均は78%ですから、日本は半分程度です。
「子どものいる女性の賃金」

女性だけにかぎっても、女性のフルタイム労働者と比較して、
子どもを持つ女性の賃金は日本は51%です。
日本は女性が子どもを持つと賃金が半分になると言えます。
OECD平均は83%で、こちらも日本はほかの調査対象国と
比べて飛び抜けて低くなっています。

これは日本では雇用とジェンダーやマリッジステートが
わかちがたく結びついていることによります。
「結婚・ジェンダーと雇用問題」
高度経済成長期以来、「夫が外で働き妻が専業主婦」
という家族を、日本では「あるべき家族」として、
賃金や雇用体系を既婚男性優遇にしてきました。
「男は結婚で年収が増える」
それゆえ女性が結婚しても働き続けることが
前提となっておらず、とくにひとり親世帯の母親は、
「あるべき家族」からはずれるので、
ひたすら存在を無視してきました。
そうした家族観が日本のひとり親世帯の貧困率を、
高くしていることになります。
「信仰としての家族思想」
水無田:その一方で、ロイターが行った国際調査で
「女性は外で働くべきではない」と回答した割合が
多かったのは1位インド、2位トルコ、3位日本でした。
カースト制度も宗教制度もない国なのに、
家庭についてはいまなお、これほどまでに保守的なんです。
日本人は無宗教だといわれていますが、
実際は「家族教」を信仰する国といえるでしょう。
母性神話をあがめる宗教ですね。
そしてシングルマザーは、その教理に反した異教徒というわけです。
水無田:はい。でも目に見える形で迫害されるのではなく、
ひたすら存在を無視されるんです。
この国は標準世帯以外の人たちを見捨てることによって、
美しい家族像の純粋性を守ってきました
「標準世帯」を「あるべき家族」として優遇したのは、
労働者の生産性を高めるためという、
企業利益のためであり、国策にもとづきます。
よって賃金や雇用の観点からも、ひとり親世帯の貧困は
「政治のせい」と言わざるをえないです。
日本の貧困問題は、雇用・賃金と社会保障の両面とも
「政治のせい」ということになります。
貧困を「自分のせい」なんて言って自己責任にしている
最初の落語家のような人こそ、現実を直視して
「まともな一歩を踏み出せ」と思います。
https://t.co/PRr8sidGk2 … 貧困を「自分のせい」なんて当人の自己責任にしている暇があったら、どうかまともな一歩を踏み出して欲しい。この国での貧困は絶対的に「政治のせい」なのだ
— たんぽぽ (@pissenlit_10) 2018年2月22日