2018年03月22日

toujyouka016.jpg 沈黙する夫婦別姓反対派

選択的夫婦別姓の記事です。
最近は話題になるだけあって、たくさん記事が書かれます。

この記事は野田聖子総務相や、今年の1月に夫婦別姓訴訟を
起こした
青野慶久氏にインタビューしています。

「「国が個人の幸せを邪魔してどうすんだ」――選択的夫婦別姓、それぞれの思い」
(はてなブックマーク)

ここでは次の指摘に注目したいと思います。
選択的夫婦別姓の反対派(非共存派)が、
しめし合わせたようにみんな黙っている、ということです。

 
訴訟が話題になってから、政治家にしても評論家にしても、
著名な反対派は全く表に出てきません。
おそらく、賛成派のほうが多そうだと空気を読んでいるんでしょうね。
逆に賛成の人はどんどん実名で出て、
意見を言ったり支持や応援を表明してくれたりする。
時は来たのかな、と思っています」

そう言えば、選択的夫婦別姓の推進派は発言が活発ですが、
対称的に反対派の有名人はほとんど出てこないと、
感じていたかたも、いらっしゃると思います。



反対派諸氏がなぜいっせいに黙っているかですが、
自分たちの劣勢があらわになってきたので、
選択的夫婦別姓に反対する主張をすると
ダメージが大きいと思っていることは考えられます。
記事の指摘にあるように「空気を読んでいる」のかもしれないです。

論戦に負けたら、政治家なら政治的敗北ですから、
その後の選挙に影響も出ることも考えられます。
研究者や評論家なら、学会や論壇での立場が悪くなるでしょう。
彼らは保身的になっていることになります。


選択的夫婦別姓の反対派諸氏は、ここへきてなぜ
それもみんなして黙るくらい、自分たちは劣勢と
思うようになったか、という問題があります。

考えられることのひとつとして、
2015年12月の最高裁大法廷回付があると思います。
この判決は同姓強制の現行民法を合憲としたので、
反対派が裁判で勝ってはいます。

「夫婦別姓訴訟違憲判決ならず」

それでもこの大法廷回付のときに、選択的夫婦別姓は
認められて当然という論調は、結構強くなっていました。
議論も活発になったので、選択的夫婦別姓の必要性や
適切な知識に対する理解も進んだと思います。

それで反対派諸氏は、今回は棚からぼたもち的に
勝てたけれど、この次に訴訟になったら
もう勝てないと、思ったのかもしれないです。


もうひとつは今回の夫婦別姓訴訟を起こした
原告の中心的存在である青野慶久氏は男性であり、
起業家で選択的夫婦別姓を認める理由として、
経済合理性を前面に出していることがあると思います。

「夫婦別姓訴訟・青野慶久らが提訴」

それまで選択的夫婦別姓を「フェミニズムの問題」
「女性の問題」と思って見下していた反対派諸氏は、
従来とまったく異質の推進派に対して、
同じ調子であしらえなくなったのでしょう。


「空気を読んで」いっせいに黙りこむという、
反対派諸氏の態度を、みなさんはどう考えるかと思います。
「選択的夫婦別姓の反対派の、自分の主張に対する
信念はその程度なのか」と、わたしは思います。

反対派諸氏も「選択的夫婦別姓を認めたら、
家族が崩壊する」とか「子どものためによくない」とか、
「国家が崩壊する」とか(それらが実際には根拠のない
妄想であっても)、彼らなりに社会や国家を思って
主張してきたのではなかったのかと思います。

自分が選択的夫婦別姓に反対しているのは、
本気で社会や国家のことを思っているからだと言うなら、
選択的夫婦別姓が実現する可能性が高いと
思われるいまこそ、自分のからだを張ってでも、
反対の論陣を張るところだと思います。


社会や国家を守るために論陣を張る気がない
というのは、彼ら選択的夫婦別姓の反対派にとって、
社会や国家なんて、自分の目先の保身と比べたら、
たいして大事ではないということだと思います。

その程度の「社会や国家に対する思い」なら、
はじめから主張しないでほしかったと思います。
はなから無視しても、どうということはない
しろものだったとは、言えると思います。


反対派諸氏が「空気を読んでいる」というのも、
わたしにはとてもいただけないことです。
反対派諸氏は選択的夫婦別姓を政局並みに考え、
論壇などで自分の立場を有利にするための
手段くらいに思っている、ということだからです。

(純粋に政局の問題でさえ、空気を読んで風見鶏のように、
あっちを向いたりこっちを向いたりするのは、
あまり感心できる態度ではないと思いますが。)


選択的夫婦別姓の推進派たちにとっては、
自分の生活や尊厳がかかっていることです。
選択的夫婦別姓の反対派諸氏は、他人の生活や尊厳を
なんだと思っているのかと思います。

(他人の生活や尊厳をまともにかえりみることが
できるくらいなら、選択的夫婦別姓の反対派になんて、
もとよりならなかったとも言えますが。)

勝ち馬に乗って、論壇などでの自分の立場を
有利にしたいなら、ほかに課題はいくらでもあるでしょう。
選択的夫婦別姓に関心を持ったりせず、
はじめからそちらへ行っていただきたかったです。


反対派諸氏がみずからだんまりを決め込むのは、
選択的夫婦別姓の推進派にとってはやりやすいことです。
彼ら反対派諸氏の根拠のない主張に対して、
いちいち対処する必要がなくなるからです。
それだけでも推進派の活動は効率がずっとよくなります。

今後、選択的夫婦別姓に反対することが、
それほど不利でない状況にふたたびなったら、
反対派諸氏はまたしゃしゃり出てくるのでしょうか?

今回のしめし合わせたような「だんまり」で、
反対派諸氏の矜持がどの程度かもわかったことです。
選択的夫婦別姓の問題に関しては、
反対派諸氏は今後はいっさい発言も活動もせず、
未来永劫黙っていてほしいと思います。

posted by たんぽぽ at 22:43 | Comment(0) | 民法改正一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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