とても圧巻のコンテンツがあります。
「夫婦別姓 各国の状況は?」
(はてなブックマーク)
掲載している国の数が、なんと言っても多いです。
カナダとアメリカ合衆国は、州によって婚氏についての
規定が異なりますが、州ごとの情報を載せています。
かつてのソビエト連邦を構成していた共和国も、
国によって異なるので、それぞれの情報を載せています。
諸外国の結婚後の苗字の扱いについては、
わたしも資料を見つけて、いくつかエントリを書いています。
これらのどれよりも情報が多いと思います。
「世界の夫婦別姓」
「夫婦別姓・国連の勧告の記事(2)」
「選択的夫婦別姓でガラパゴス」
「世界の夫婦別姓・2010年代の動向」
「日本の同姓強制と諸外国の現状」
しばし残念なのは情報が古いことです。
コンテンツの最後に参考文献が示されていますが、
これを見たところでは、1990年代前半の情報と思われます。
<参考文献>
「諸外国における氏制度の調査結果について」南野聡
民事月報 46(12) 91.12
「各国の夫婦の姓についての法」柳下み咲・山田敏之
外国の立法 31(4) 92.9
「各国のこの姓についての法」岸美雪・蛭田顕子・山田敏之
外国の立法 33(4・5・6) 95・4
21世紀以降に更新された情報は、掲載されていないようです。
たとえば、タイでは夫婦別姓が選択できないとなっています。
タイでは現在、夫婦別姓を選択できますが、
家族法が改正されて認められたのは、2005年からです。
「タイ国の夫婦別姓法ようやく成立」
本件については、2000年8月にこの欄において、
夫婦別姓法がタイの国会で難航している旨おしらせしましたが、
そのときは結局男性議員の反対により否決されました。
近年再度この法案が上程され、ついに通過、2005年1月19日付けの
官報で公布され、公布の翌日から施行されました。
このコンテンツを見ていると、世界のほとんどの国で
苗字の選択の幅が広く、夫婦別姓が選択できるか、
そうでなくてもなんらかのかたちで
婚姻後も生来の苗字を残せることがわかります。
夫婦別姓が選択できず、夫婦同姓が強制される日本は、
このころですでに特例的であり、
国際標準からだいぶ遅れていたということです。
付記:
このコンテンツは、実は水島広子氏がおおむかしに
運営していた選択的夫婦別姓のサイトのものです。
(はてなブックマークを見るとわかる)
わたしもむかし見たことがあります。
まだ残っているとは思わなかったです。
よく残っていたと思います。
すでになくなっていると思っていました。
そして見つけたかたは、よく見つけたと思います。
2015年12月の最高裁大法廷回付のときに、
最初のはてなブックマークが付いたと思われます。
おそらくこのとき夫婦別姓問題に関心を持ったかたが、
検索で見つけたのではないかと思います。