土俵の上であいさつしている多々見良三舞鶴市長が、
突然倒れるということがありました。
そのとき応急処置に3人の女性が当たったのですが、
「女性の方は土俵から下りてください」という
アナウンスが何回か流れたのでした。
「舞鶴市長、くも膜下出血で入院 相撲巡業であいさつ中倒れる」
「救命中「女性は土俵から下りて」 大相撲巡業、市長倒れ」
「救命女性「なぜ…」疑問漏らす 「土俵下りて」アナウンスに対し」
土俵上で話していた多々見市長が突然、後ろの方に
そのまま倒れたため花道から駆け寄り、土俵に上がった。
周りを複数の人が取り囲み、「動かさない方がいい」という声も耳にした。
客席の方から女性が駆け付け、周囲からの
「医療関係者ですか」という問い掛けに
「看護師です。心臓マッサージができます」と話したという。
取り囲んでいた男性の間に入り、手慣れた様子で処置を始めた。
その後、自動体外式除細動器(AED)を持った
消防署員が来て、女性たちは処置を交代した。
「女性の方は土俵から下りてください」という場内アナウンスに、
女性は「人命救助をしているのになぜそんなことを言うのか」
という趣旨の発言をしていたという。
相撲の世界では「穢れがあるから」という理由で、
女性を土俵に乗せないという差別的因習を続けています。
その因習を杓子定規に当てはめて、人命救助にあたる女性に
「土俵から降りてください」と要求したということです。
この女性たちが心臓マッサージをしなければ、
舞鶴市長はいまごろは死んでいただろうというのに、
なにを理不尽もはななだしいことを言うのかと思います。
人間の命よりも「女性を土俵に乗せない」という
差別的因習のほうが、大事なのかと思います。
相撲関係者が出てきて、応急処置にあたっている
女性たちを無理に土俵から降ろすなんて、
ばかなことをしなかったのは、まだ救いでしょうか。
土俵の上で女性たちが応急処置を続けられたのは、
医療関係者(看護師)だと言ったからかもしれないです。
医療関係者でなければ、処置を中断させて
土俵から降ろしたのかもしれないです。
https://t.co/uvHM4UNS9z 「『医療関係者ですか』という問い掛けに『看護師です。心臓マッサージができます』と話し取り囲んでいた男性の間に入り、手慣れた様子で処」←医療関係者じゃなかったら、「動かさない方が良い」などと言って、処置をさせなかったのだろう。こうして人の命は失われていく。
— ラビニア (@IsSheW) 2018年4月6日
心臓マッサージを行なった女性たちの行動は、
いたって的確かつ迅速でした。
医療関係者ゆえの手ぎわのよさなのでしょう。
市長さんはくも膜下出血で心臓病では無かったそうですが、くも膜下出血をはじめとした脳卒中ではよく心筋梗塞様変化や致死的不整脈を起こしますので、脳疾患でも呼吸状態が不安定なら直ぐに心臓マッサージを行うのが超基本です。
— やまもとReduce exposure! (@Yamamoto0509) 2018年4月6日
(心臓病であろうと無かろうと)人が倒れている→自分・周囲の安全確保→呼びかけに反応がない→人を集める→救急要請やAEDの準備・さらに人を集める→普通の呼吸をしていなければ胸骨圧迫開始。これがBLS(一次救命処置)の流れです。
— やまもとReduce exposure! (@Yamamoto0509) 2018年4月6日
ネットで流れている女性たちの行動は超適切でした。
動画みた。腹が立ったから解説するね。
— ユカ(248/370) (@ykfrsu) 2018年4月5日
まず人が倒れてるのに取り囲むだけで何もしない男たち。緊急事態に慌てて駆けつけた女性がこの無能な男らを押しのけ、倒れた人の意識を確認。胸骨圧迫まで2秒くらい?プロです。
救命女性に「女性は土俵から降りて下さい」とアナウンス https://t.co/7MATbxIX0A
AEDを持ってこいとおそらく指示をしながら胸骨圧迫を続ける女性。取り囲んでるだけの男たち。
— ユカ(248/370) (@ykfrsu) 2018年4月5日
ここでさらに何名か女性が土俵に駆け込んでくる。次にたどり着いた人も囲んでるだけの男たちを掻き分け最初に心マ始めた人の向かいへ。これは素早くAEDつけるため、そして心マを交代するためと思われます。
応急処置に当たった女性たちは、3人とも医療関係者のようです。
もしかすると同じ職場の同僚だったのかもしれないです。
その後も女性が2人駆けつけてますが、心肺蘇生は人手がいるので(疲れる)脊髄反射で助太刀に行っていると思われます。野次馬ではないです。蘇生するまで心マ→除細動を繰り返すんです、延々と。交代要員がいるんです。たぶんこれらの女性たちは動き見る限り、皆さん医療関係者と思われます。
— ユカ(248/370) (@ykfrsu) 2018年4月5日
終わり。
この件に関して言うことはたくさんあると思います。
わたしはここでは、つぎの指摘をしておくことにします。
差別的因習は理不尽で不健全というだけでなく、
往々にして非効率で非生産的でもあるということです。
差別的因習のない集団や社会から遅れを取るだけでなく、
大きな損失をこうむる可能性も出てきます。
今回の舞鶴市長の件は、差別的因習にこだわっていたら、
現に人命を失なっているところでした。
こうむる損失が大きいことはあきらかです。
差別的因習のもたらす非効率や非生産性は、
ときに危険でさえあるということです。
差別主義者の中には、差別をなくすと効率や生産性が
悪くなると信じていて、効率や生産性を楯にして
差別の正当化と温存をはかろうとすることがあります。
そんな考えはまず間違っていると考えていいでしょう。