リンク先はすでに切れていますが、
選択的夫婦別姓の推進を呼びかけるツイートがありました。
それに対して異論を申し立てているのですから、
選択的夫婦別姓には反対だろうと思われます。
自分は夫婦同姓でなければ不満であることはたしかです。
同じ苗字を名乗りたくない相手と結婚して何が嬉しい。 https://t.co/6sWlgtGAzY
— Hirosawa Hara (@HaraHirosawa) 2018年4月3日
主張内容についても言いたいことはありますが、
ここではこのかたのツイッターのプロフィールを見たいと思います。
現在ベトナムにお住いのIT技術者のようです。
Resident in the central part of Vietnam,
English / Japanese / Vietnamese, IT expert certified by the government.
ベトナムは夫婦別姓の国なのですが、
それについてはどう思っているかと思います。
「国民の4割がグエンさん!? 〜ベトナム人の姓名(名字編)〜」
日本では、結婚したら夫婦は同じ姓を名乗りますが、
ベトナムでは結婚しても姓を変えることはありません。
生まれた子供の多くは父親の姓を受け継いでいますが、
母親の姓を受け継ぐこともできます。
[ベトナムの夫婦別姓の理由って?]
日本では結婚すると女性が男性の姓に改姓するのが、
現在に於ける一般的な風潮となっていますが、
ベトナムでは昔から夫婦別姓が一般的となっています。
ベトナムでは男女が結婚して子供が生まれた場合、
父系による継承が一般的なので生まれた子供は父親の姓を名乗ります。
なのでその子供が成長し結婚する場合も、
女性はそれにより結婚した夫の姓に変えることなく夫婦別姓として
そのまま自分が生まれときの父方の姓を名乗ります。
「相手の苗字を名乗りたくない」のではなく、
— hakobune (@hakobune4) 2018年4月3日
苗字を変えることを望んでない相手に、苗字を変えることを強制したくないのです。お互いに。
うちは別姓のために事実婚になっていますが、お互いが大事にしていることを大事にしあえるのは嬉しいです。
ベトナムも基本的に別姓だと思います。 https://t.co/XcVqHBfJAB
1. 最初のツイートのかたは、ベトナムは夫婦別姓の国だ
ということを、ご存じないのでしょうか?
そうだとしたら、自分の滞在国に関するこの程度の
文化や習慣を知らないのは、いささかお粗末だと思います。
2. それともベトナムは夫婦別姓の国だと知っていて、
「結婚改姓しない女と結婚してなにが嬉しい」
という主旨のことを言うのでしょうか?
それならば、ベトナムの人全員を「なにが嬉しい」と
見下して否定していることになります。
3. あるいは「ベトナムはもとから夫婦別姓の国だから
ここでは関係ない。日本人の結婚だけ相手の女性が
改姓しないのは、なにが嬉しいかわからないんだ」なんて、
ナショナリズムを楯に取って正当化するのでしょうか?
最初のツイートのかたは、外国で活躍するIT技術者です。
英語も達者だろうと想像します。
日本社会の一般的な見かたなら、最初のツイートのかたを
国際感覚が溢れているとかグローバルだとか言って、
褒めそやすところではないかと思います。
以下のツイートを見ると、ご本人も国際感覚がゆたかで
グローバルな人を気取っている感じです。
ああ、日本人経営者よりベトナム人のそれもずっと若い人の方が全然オトナ。目の前の金の為なら何しても良いのが日本人で、ベトナム人こそ何しても良いとは思ってない。日本人はベトナム人の悪口を言うけど、ベトナム人は言わない。日本人はダメだねえ。だから国際人になれない。
— Hirosawa Hara (@HaraHirosawa) 2018年4月3日
選択的夫婦別姓の認識を見るかぎりでは、
最初のツイートのかたの国際感覚はたいしたことなく、
日本のローカルな狭い考えかたから
ろくに抜け出せていないと、言わざるをえないと思います。
なにしろ
1. 異文化に対する無知
2. 異文化に対する軽視、蔑視
3. ナショナリズムを楯に取り異文化に対して背を向ける、
自分のローカルなカチカンへの逃避
のどれかなのですから。
「国際感覚がゆたか」とか「グローバル」というのは、
国際的なものの見かたや考えかたができることだと思います。
「英語ができて外国で仕事ができる」ことではないと、
あらためて言っておきたいと思います。
「グローバルと英語」
「大学受験資格にTOEFL?」
付記:
ベトナムなら英語よりフランス語を使うほうが親切でしょう。