2018年04月29日

mar0006.gifユネスコ・国際性教育ガイダンス

ユネスコが性教育の国際的な基準をしめす、
「国際性教育ガイダンス」を発表しています。
4月7日の東京新聞に簡単な解説記事があります。

「性教育で申し入れ 国際基準は「幼少期から」 都議の授業批判で識者」
(はてなブックマーク)

 
国連教育科学文化機関(ユネスコ)は二〇〇九年、
各国の研究成果を踏まえ、世界保健機関(WHO)などと協力して
性教育の指針「国際セクシュアリティ教育ガイダンス」を発表した。
日本では昨年、邦訳が出版された。

次のように5歳から18歳までを4段階にわけて、
それぞれの年齢で適切な性教育の内容を示しています。
性教育は小学校に入る前、5歳から始まる、
その年齢から学習できることがある、ということです。

ユネスコ「国際セクシュアリティ教育ガイダンス」の年齢別学習目標と主な内容


日本は世界の中でも、飛び抜けて性教育後進国となっています。
これは自民党をはじめ、性的なものを徹底して遠ざける
「純潔思想」を標榜する人たちによるものです。
00年代に彼らの性教育バッシングが活発だったことは、
現在もなお大きな影響を残しています。

「自民党・性教育バッシング」

「性教育の必要性・無知の危険」
「「レイプもセックスだと思ってた」…まともに教えず、男を誤解させる自民党の政治的性教育」

それで文科省の学習指導要領がまた変わっちゃって、
科学的な知識としての「受精」は扱うけど、
「受精に至るプロセス」は扱わないことになった。
さらには「性交」という単語も削除され、「性的接触」と呼ばれ、
ペニスは「陰茎」と表現されるように……。
こういうことがあって日本の性教育は一気に退潮し、
世界の中で“性教育後進国”となってしまったんです。

「遅れすぎの性教育で危険な事態」
「「セックスすると妊娠」「処女にも生理」すら知らない…遅れすぎの性教育で危険な事態も」

「日本の保健体育や理科の教科書は、性に関する内容がとても薄いんです。
小学校の理科の教科書には『性交』という言葉がなく、
『人の発生や成長』を学ぶ単元があっても、
性交についてはまったく書かれていません」(同)

その理由は、文部科学省が「受精に至る過程については
取り扱わない」という規定を設けているからだ。
そのため、子どもたちは胎児の成長については学ぶことができても、
どんな行為で妊娠するのかを知ることができない。

これは、小学校だけでなく中学校でも同様だ。
セックスについて正面から向き合おうとせず、
中学校の保健の学習指導要領は避妊を取り上げず、
コンドームの装着法についても避け続けている。
LGBTについても同様で、そのような子どもたちへの
配慮はしても、教科書は異性愛主義によって書かれ、
その下で性教育が行われているのが実情だ。

日本の文部科学省の学習指導要領は、
「受精にいたるプロセス」を扱わないし、
「性行」ということばも使えなくなっています。
中学校になっても避妊を教えないです。

ユネスコの国際基準を見ると、受精にいたるプロセスは、
レベル1の5歳-8歳の学習内容となっています。
避妊はレベル2の9-12歳で学習する内容となっていて、
日本では中学校でも習わないことを、
小学校の高学年レベルとしています。


性教育の国際基準が、この「国際性教育ガイダンス」のように、
はっきり示されるのはよいことだと思います。
自国の教育水準が国際基準とくらべて
どのような水準なのかを、容易に把握できるからです。

「国際性教育ガイダンス」は初版が出たのは2009年です。
日本語訳が出たのは昨年2017年です。
もっと早くこのガイダンスの日本語訳を、
出してもよかったのではないかと思います。


このガイダンスは当然ながら何度も改定版が出ています。
いちばん新しい版は2018年1月に出ています。
つぎのサイトになぜ改定版を出すのか、
という部分についての日本語訳があります。
これを少しだけ見てみたいと思います。

「国際セクシュアリティ教育ガイダンスを改定 エイズと社会ウェブ版321」

世界各地の性教育の現状に対する検証と様々な地域における
ベストプラクティス事例に基づき、性教育について
ガイダンスはとくに以下の点を強調している。

・包括的な性教育は、性行動や性的にリスクの高い行動、
 STI/HIVの感染率を増やすことはない。
 また、純潔教育プログラムでは、若い人たちの間で
 性行為の開始年齢を遅らせたり、性行為回数や性行為の相手を
 減らしたりすることはできないことを示すエビデンスも提供している。

ガイダンスが強調する点として、
「純潔教育」は失敗することをあげています。
まさに日本の性教育の実態が、これに近いです。

「なぜ日本の性教育は進まないか」
「なぜ日本の性教育は後退したか」

その結果、日本では「レイプもセックスのうちだと
思っていた」という男性とか、セックスすると妊娠する」とか、
「処女にも生理がある」といったこともわからない、
というかなり危険な状況になっています。


 改定ガイドラインは、以下の目的で質の高い
包括的性教育が緊急に必要なことを示している。

・ 若い人たちがインターネットで接する膨大な素材には、
 かなりあやふやなものも多いので、それらを補足し、必要なら反論する。
 そしてサイバーいじめに立ち向かうことを助ける。

ガイダンスはインターネットの影響について
質の高い包括的性教育が必要だとしています。
インターネットはやはり怪しい情報の宝庫のようです。
性に関する情報も同様であり、性に関するがゆえに、
怪しい情報がもたらす危険は大きいということです。

アダルトビデオなど性的メディアの影響も
問題にするところだろうと思います。
こちらも危険な情報を提供するし、それを真に受ける人が
出てきて、被害をもたらすことも多いです。

「AVの影響を受ける男性」
「AVの弊害・風俗嬢の実体験」

posted by たんぽぽ at 23:43 | Comment(0) | 家族・ジェンダー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

はてなブックマーク - ユネスコ・国際性教育ガイダンス web拍手
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]