いまさらながらですがご紹介します。
スウェーデンでは性行為の際に、相手の同意を得ることを
義務付ける法案が成立することになりました。
はっきりした同意がないのに性行為におよんだ場合、
強姦罪に問われる可能性があります。
「スウェーデンの男性にセックスの同意を女性から得ることを義務付けへ」
(はてなブックマーク)
記事は短いので全文引用します。
性行為に関して厳格な法案を定めるのは、
やはり性暴力対策の先進国スウェーデンだと、わたしは思います。
スウェーデン議会は、性行為に及ぶ前に男性が女性から
明確な同意を得ることを義務付ける法案を承認した。
明確な同意を得なかった場合、男性は双方の合意による
セックスの場合であっても強姦罪に問われる可能性がある。
ドイツのマスコミによると、同法律は2018年7月に施行される予定。
女性が性行為に明確な合意をしなかった場合、
その行為はレイプと見なされる可能性があるという。
また同法律は、成り行きの関係だけでなく、恋人や夫婦にも適用される。
ドイツのフォークス誌によると、
スウェーデン議会は、米国で巻き起こった一連の
スキャンダルを受けてこのような措置に出た。
先に米国の映画プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタイン氏や
複数の俳優ならびに政治家らがセクハラ行為で訴えられた。
そもそもを言えば、性行為に相手からのはっきりした
同意が必要なんて、あたりまえのことだと思います。
それが性暴力対策の先進国でのお話というのは、
はなはだ残念なことに世界的に見ると
まだまだあたりまえでない、ということなのでしょう。
このような法案を制定するくらいですから、
スウェーデンでも相手の女性からはっきりした同意を得ずに
性行為におよぶ男性は、少なくないということだと思います。
この記事を見た日本のかたがたの中には
反発するかたも、たくさんいらっしゃるようです。
(日本で同様の法律を制定する動きはないのに。)
「ロマンスがない」という意見が結構多いようです。
性行為に対して、女性からの明確な同意を得ることを
義務付ける法律に「ロマンスがない」なら、
このような人にとっての「ロマンス」は、
女性の同意にかかわりなく性行為におよぶことでしょうか。
これに反発して「ロマンスがない」とか言ってるひといるけど、なんで合意を得る=事務手続きみたいな話にいきなり飛ぶのか全然わからん…。そもそも合意を得ようとしない男にロマンスもクソもないと思うんだが…。
— 珈音(怒りのデス・ケロケロード) (@gohstofcain) 2018年5月7日
男のいうロマンスって強姦のことなの?だとしたらむしろそんなもんいらねー。 https://t.co/TjDuY8c3qL
自分が同意しない性行為をさせられるのは、
とくにからだやこころに負担の大きい女性にとって、
悲劇と苦痛でしかないし、とても「ロマンス」を
感じられるものではないでしょう。
性行為における「ロマンス」は男性も女性も
おなじようにあってしかるべきです。
女性の立場を無視して、男性だけが「ロマンス」を享受するなら、
それはその男性の独善でしかないと思います。
恋人どうしの関係に法律が入り込むことに
味気なさを感じるのかもしれないです。
そうは言っても、女性のからだとこころを傷つける
男性は少なくないという残念な現実がある以上、
女性を守るための法律はどうしても必要になってきます。
恋人どうしの関係だからといって、法律を定めず
「治外法権」にするなら、そこで弱い立場にある人、
この場合であれば、女性は守られないことになります。
尊厳が損なわれる恐れのある人がいる以上、
法律の整備は必要なことになってきます。
ストーカー対策やDV対策など、恋人どうしの関係に
入り込んでいる法律はすでにいくつかあります。
ここで性行為の同意に関する法律ができたところで、
いまさら「ロマンスがない」こともないだろうと思います。
ほかの反発として、男性が女性から同意を得る義務があって、
女性が男性から同意を得る義務ががないのは、
ジェンダー不平等で問題だというものがあります。
記事についたはてなブックマークに多く見られます。
彼らは「弱者男性」か「反反差別」の人でしょうか?
このようなかたは、女性が相手の男性からの同意なしに
性行為におよぶケースは、どれだけあるとお考えかと思います。
「この相手と性行為をしてよい」と考える性衝動が起きる
生物学的条件は、男性と比べて女性はずっと条件が厳しいです。
女性は男性よりもはるかに相手を選ぶということです。
よって男性が望まない女性と性行為におよぶよりも、
女性が望まない男性と性行為におよぶことは、
ずっと起きる頻度は少ないことになるでしょう。
「性衝動の生物学的条件」
「据え膳食わぬはなんとやら」ということわざが
ありますが、女性から迫ってきたらむしろ歓迎
という男性も、少なくないのではないかと思います。
「女性用のバイアグラがついにできた」と言われて
騙されて買うのは、もっぱら男性であって女性ではないです。
それでも法律のジェンダー不平等は問題だと
お考えのかたも、心配はいらないと思います。
この記事の見出しが「男性が女性からの同意を得る義務」と
書いているだけで、実際の法案は男女を問わず
相手からの同意を義務付けるというもののようです。
これ、別に男性だけに義務付けられるわけじゃないのになんでこんな見出しにするの。 https://t.co/tTrpr6nARV
— jiji (@traductricemtl) 2018年5月7日