「中国や韓国で夫婦別姓なのは、嫁は家に入れない
という差別意識があるから。日本は夫婦同姓なので
嫁を家に入れているから、女性を大切にしている」
という主旨のことを考える人がいます。
この意見に同調する反対派はそれなりの数いて、
反対派の中では結構人気のある意見でもあるようです。
彼らが嫌いらしい中国や韓国を否定しつつ、
日本はジェンダー平等だと現在の夫婦同姓の強制を
正当化できることが、都合がいいのかもしれないです。
伝統と言うと戦国以降位からなので反発する意見もある様ですね。ただ、嫁を一家の一員として家に迎える意味で同姓としてる考え方は悪くないと思いますよ。悪い伝統とは言えないと思います。中国や韓国で別姓なのは、結婚しても嫁は他人、お墓も実家に入り、家族とみなさない、と言う事らしいです。
— コナン (@PWLiMG8unBI0QWF) 2017年12月25日
「嫁を家の一員として迎え入れる」なんて状況の
どこが女性を尊重していると言えるのかと思います。
「嫁」なんて家制度の中では、ヒエラルキーが下位です。
権利は著しく制限され、夫や夫の両親に従う存在でした。
日本の戦前のイエ制度においては
「嫁」は「無能力者」とされ、法的行為や経済活動を
するには夫の許可を必要としました。
「嫁」とか「家」なんて概念を持ち出している時点で、
ジェンダー差別的と言わざるをえないです。
しかしこれも悪習だよね。よその娘を「一家の一員に迎える」なんてさ。
— わんわん (@wanwan_nz) 2017年12月26日
赤の他人を無理矢理「家の一員」になんかするから「嫁」には人権も発言権もなく無理な事をさせられていた事を「伝統大切!」と主張する人が知らないのだから。 https://t.co/fs65Yjkejg
「結婚したら夫婦ふたりで新しい家庭を作る」というのが
世界のほとんどの国で考えられている
ジェンダー平等な婚姻だと思います。
「家」のための結婚ではないから、夫の両親の家庭とは
別個に作られる家庭であり、「嫁」という概念もないです。
現在の日本の憲法や民法も、ジェンダー平等という見地から
夫婦で新しい家庭を作るという考えにもとづいています。
それゆえ両性の同意のみで婚姻できて、
親やほかの親族の意思によって影響されないし、
結婚したふたりはそれぞれ親の戸籍から抜けて、
夫婦ふたりの戸籍を新しく作ることになります。
現行民法は「結婚したら新しい戸籍を作る」事になってるので「嫁を一員として迎える」ってのは…ちーがーうーだーろー! https://t.co/eNe0InDjyA
— 孤高の山猫藤木中務大輔凪沙 (@NaGiSa_FJ) 2017年12月26日
「嫁を家の一員として迎える」という意味の夫婦同姓なんて、
日本には法的には存在しないということです。
かかる選択的夫婦別姓の反対派は、現在の日本の民法の
意味もわかっていないことになります。
夫婦同姓を「嫁を家の一員として迎える」ことだと
考えている選択的夫婦別姓の反対派は、
結婚したら女性が夫の苗字に改姓することを
当然と考えていることになります。
よって「嫁を家に迎え入れる」と考えている反対派は、
現在の日本の民法は「男女どちらの苗字でも
選べるから男女平等だ」などと言わないことです。
あきらかに矛盾していて欺瞞になるからです。
現実には妻の苗字に改姓する男性もいますが、
このような男性のことを、かかる選択的夫婦別姓の反対派は
どのように考えているのかと思います。
彼らの認識では改姓した男性は「婿養子」であり、
妻の家を引き継ぐので、「嫁」を下位に置く
「家」のヒエラルキーは守られるということでしょうか?
こんばんは。まあ「姓を変える=家の一員として迎えてもらう」って発想の人、姓を変えた男性のことはどう思ってるんでしょうか…というか結婚=女を迎え入れてやるって発想が恐いです
— 孤高の山猫藤木中務大輔凪沙 (@NaGiSa_FJ) 2017年12月26日
夫婦同姓は「嫁を家の一員として迎える」と主張する
選択的夫婦別姓の反対派は「女性に対して施しを与えている」
という意識があるのかもしれないです。
「自分たちは女に施しているから、施さない中国や韓国より
女性を大切にしている」という独善的な考えです。
このような「施し」という意識があるなら、
やはりジェンダー差別的ということになります。
ジェンダー平等という意識にもとづくなら、
女性も男性と同等の権利を有する存在であって、
「施し」を受ける存在ではないと考えるからです。
同姓に限らず、性差別的なものを「女性に対する施し」みたいにいう人多いですよね…
— 孤高の山猫藤木中務大輔凪沙 (@NaGiSa_FJ) 2017年12月26日
>中国と韓国
中国では1950年に施行された婚姻法により、
儒教道徳にもとづく家父長制を廃止し、
ジェンダー平等の見地からの夫婦別姓と意味付けを変えています。
その後も1980年と2001年の改正により、
さらにジェンダー平等の保証が強化されています。
「中国婚姻法」
最初の婚姻法は、中華人民共和国の建国(1949年10月1日)から
まもない1950年5月1日に公布施行され、同年6月の土地改革法、
労働組合法とともに建国期の「三大立法」と称された。
三大立法はいずれも中国社会の民主主義革命を目的としていたが、
婚姻法は儒教道徳に基づく家父長制の家族制度を廃止し、
「新民主主義の婚姻制度」を樹立するものであった。
韓国では2008年に男性優位の戸主制が廃止され、
よりジェンダー平等的な身分登録制度となっています。
「韓国で戸主制廃止-民法改正案が国会通過(2008年1月から実施)」
2005年3月2日に、戸主制廃止を柱にした民法の改正案が
韓国国会の本会議で可決されました。
235名の議員が投票し、結果は賛成161票、反対58票、棄権16票でした。
これによって民法から戸主制に関連する条項が削除され、
男性優先の戸主を中心に編成されてきた
「家」単位の身分登録システムが大きく変わります。
中国や韓国の夫婦別姓は、法律上はジェンダー平等の
観点にもとづいたものだということです。
日本の選択的夫婦別姓の反対派が考えるような、
「嫁を家に入れない」というジェンダー差別的な意味の
夫婦別姓はすでになくなっているということです。
「嫁」なんて「イエ」のヒエラルキーの
もとでは最下層ですからね。
そんなところに入れてもらっても、
少しも大切にされている
とは言えないでしょう。
「イエ」なんかに入りたくない女性も
たくさんいるというものです。
彼らが私のように姓を変えた男をどう思うかは気になります。
少数の例外」として、自分がなにも
言われなければ、存在をひたすら
無視するのではないかと思います。
問題は、彼ら反対派(非共存派)が、
まともに意見を求められたときですね。