2018年06月01日

toujyouka016.jpg 自分が理解できるように説明しろ

選択的夫婦別姓を実現したいなら、わからない人に
推進派たちは詳しく説明する必要がある、
そうでなければ、選択的夫婦別姓は実現しないぞ、
などと言う反対派(非共存派)です。

このような意見を言う人(反対派)は、わりとよくいると思います。
このかたの場合は、「選択的夫婦別姓制度について
わかっていないようなので、ご自分で調べてください」と
言われたので、このように言い返したということです。

 

選択的夫婦別姓が認められないというのは、
現状は結婚と苗字の問題に関して、
差別が維持されているということになります。
よって社会はそれをなくすための努力をすることが当然です。

そう考えると社会のマジョリティに属する人たちは、
わざわざだれかに教えられなくても、
みずから選択的夫婦別姓について調べて、
問題を理解して実現のために努力することが、
市民としての責務になるでしょう。


現実問題としては、通常のマジョリティは
選択的夫婦別姓の問題と縁遠いことが多いです。
また問題自体が専門性をともなうものもあります。

それゆえたいていのマジョリティは、
その問題についてほとんどご存知ないことになります。
それで選択的夫婦別姓の問題に直面しているかたから、
現状についてお話を聞くことになるし、
また選択的夫婦別姓の問題に直面しているかたは、
そのための情報を提示する必要があることになります。

また現存する差別問題はたくさんあるので、
ひとりの人がすべてについて熟知し
なんらかの言動を行なうことは、ほとんど不可能です。
それゆえ通常のマジョリティは、いくつかの
問題を選んで、関心を持つことになります。


このように考えると「推進派がわかるように
説明しないなら、選択的夫婦別姓は実現しない」などと
言ってのけるのは、「差別をなくすべき」という、
社会の責務を放棄することになります。
選択的夫婦別姓が実現しないことで、相手は不利益を
被っていることにつけこんだ「脅迫」にもなります。

ましてや「自分を説得できなければ、選択的夫婦別姓の導入を
理解しない」などと言うのは、それ自体が差別です。
本来なら差別は、いかなる状況でもかならず
解消しなければならないなのに、被差別マイノリティのせいにして
差別を続けると宣言しているからです。



もっと一般的に、被差別マイノリティに対して、
「お前たちの差別をなくしてほしいなら、
自分たちマジョリティが機嫌を損ねないようにしろ」と
「交換条件」をつきつけることが差別にあたります。

そんな差別構造が存在しなければ、
もとより突きつけられることのない交換条件だからです。
差別構造を利用することで初めて可能なことですから、
それは差別と言わざるをえないです。

また被差別マイノリティは、マジョリティの機嫌を
損ねてはならないとか、顔色をうかがわなければならない、
という考え自体が差別になっています。
被差別マイノリティを自分たちマジョリティより
下の存在にしていることになるからです。


実際には、被差別マイノリティに対して、
「自分たちが満足するように振る舞え」と要求することや、
それを自分たちが、問題を理解して差別の解消に
賛成することの「交換条件」としてつきつけることは、
差別主義者や反反差別の人の中によくいると思います。

さすがの彼らも、はっきり差別とわかることは
避けるくらいの用心は、持ち合わせているでしょう。
そうだとすると考えられることは、彼らは差別問題に対する
見識がふじゅうぶんなので、「交換条件」を突きつけることも
差別になることがわからないからではないかと想像します。



posted by たんぽぽ at 23:00 | Comment(0) | 民法改正一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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