2018年06月17日

toujyouka016.jpg 選択的夫婦別姓法案・野党共同提出

6月14日に選択的夫婦別姓法案が、
野党共同で衆議院に提出されました。

「「選択的夫婦別氏法案」を5野党1会派で衆院に提出」

立憲民主、国民民主、無所属の会、
共産、自由、社民の5野党1会派は14日、
「民法一部改正案(選択的夫婦別氏法案)」を衆院に提出しました。
同法案は個人の尊重と男女の対等な関係の構築等の観点から、
選択的夫婦別氏制を導入するものです。

 


法制審議会の答申書が出された1996年以来、
自民党が政権を取っているあいだはほぼ毎年、
選択的夫婦別姓法案を野党共同で提出しています。

民進党が立憲民主党と国民民主党にわかれて、
さらに共同提出する政党の数が増えていますが、
共同提出に参加する政党は「いつもの顔ぶれ」となっています。

立憲民主党と国民民主党は結党してから
今回が初の通常国会ですが、選択的夫婦別姓法案は
どうするのかと思ったら、ないがしろにしたりせず、
共同提出にちゃんと参加していました。


野党が共同提出しても、自民党はぜんぜん審議に
応じないので、毎回継続審議や廃案になっています。
それゆえこの提出は、年中行事のようになっています。
今年はすでに6月も半ばで、通常国会は閉会直前です。
単に「法案を提出した」と主張するための提出であり、
法案が流されることを前提にしているとも言えます。

「国会で議論しないのはなぜか?」


それでも提出しないよりは提出したほうが、
ずっとよいことはたしかです。
野党各党は「選択的夫婦別姓を忘れてはいない」ことを
主張できるし、ささやかでもニュースになることで、
世論に思い出させることができるからです。


わたしに言わせれば、自民党が政権を取っているかぎり、
選択的夫婦別姓の実現はないと思います。
反対派というのは、どんな事実や根拠を示されても
絶対に納得しない、頑迷極まりない人たちです。

「反対派と議論すると... パラノイア的精神状態」
「反対派の抵抗 反対派たちの集団ヒステリー」

それは自民党の反対派議員も同様です。
15年前に、彼らの頑迷極まりなさは示されています。
その精神構造は、現在の反対派議員も
ほとんど変わらないと考えられます。
そんな反対派議員が依然として力の強い政党で、
選択的夫婦別姓が実現することはないでしょう。

「選択的夫婦別姓・15年前の悪夢」
「自民党法務部会の実態 民法改正法案提出阻止の現場」

自民党政権下で選択的夫婦別姓が実現するとしたら、
現行の夫婦同姓の強制に違憲判決が出た場合だと思います。
現在、青野慶久らが提訴している夫婦別姓訴訟の
結果がどうなるかということになります。
(2015年に違憲判決が出なかった夫婦別姓訴訟のときも
同じようなことを言いましたが。)

「夫婦別姓訴訟・青野慶久が提訴」
「夫婦別姓訴訟・青野慶久らが提訴」


違憲判決以外で、選択的夫婦別姓が実現するためには、
政権交代が起きて、実現に積極的な
政党が政権を取るよりないと思います。
具体的には立憲民主党を中心とする政権ができることです。

立憲民主党は現在衆議院で第1党とはいえ、わずか55議席です。
ここから政権を取れるまでの議席を伸ばすには、
あとどれだけ時間がかかるのかという問題があります。


過去に選択的夫婦別姓の実現を公約にしていた
民主党が政権を取りながら、結局実現せずじまいという
お粗末な結果に終わったことがあります。

「民法改正・民主党政権の閣僚」

このときは、連立政権を組んでいた国民新党の亀井静香が、
強烈な選択的夫婦別姓の反対派で、閣僚の立場を利用して
法案提出を阻止したことは大きいです。

亀井静香の妨害を除いても、民主党自身も
世論からの反発が強まって選挙で敗北することを恐れて、
選択的夫婦別姓法案の実現に消極的になったことも、
じゅうぶん問題だったと思います。


立憲民主党が政権を取ったとして、
かつての民主党と同じような事態に陥ったりせず、
公約通り選択的夫婦別姓法案を実現できるか、
という問題があることになります。

一部の冷笑的な人たちのあいだには、
「やっている人たちは同じだから、立憲民主党も民主党と
どうせ同じことになる」と考える人もいるようです。

それでも自民党政権がこのまま続くよりは、
立憲民主党が政権を取ったほうが選択的夫婦別姓が
実現する可能性がずっと高いのはたしかでしょう。
不満と不安が多くても、立憲民主党を中心とする
政権に期待するよりないことになります。


posted by たんぽぽ at 23:32 | Comment(0) | 民法改正一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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