2018年06月20日

toujyouka016.jpg 民主党政権で実現しなかった理由

選択的夫婦別姓なんて、2009年に民主党が政権を取ったとき、
すぐに実現するだろうと思っていた、というかたです。

わたしも民主党が政権を取った直後は、そう考えていました。
当時は同じように考えていたかたも、
少なくないのではないかと思います。



 
自民党政権で選択的夫婦別姓が実現しないのは、
党内に頑迷きわまりない反対派議員がたくさんいて、
彼らが事実や根拠を無視して感情的に反対するので、
与党からは法案が提出できないし、野党から法案提出しても
審議しない、ということが最大の原因でした。

「選択的夫婦別姓・15年前の悪夢」
「国会で議論しないのはなぜか?」
「自民党法務部会の実態 民法改正法案提出阻止の現場」
「反対派と議論すると... パラノイア的精神状態」

自民党が政権から降りたことで、彼ら選択的夫婦別姓の
反対派議員は、与党提出の法案の阻止ができなくなります。
国会でも多数派ではないので、選択的夫婦別姓法案の審議を
無視したところで、数の力で廃案にできなくなります。

民主党が政権を取ったことで、選択的夫婦別姓実現のための
意思決定の場に反対派をいさせないという、わたしがそれ以前から
ずっと主張してきた、実現の条件が整ったのでした。
それゆえ選択的夫婦別姓法案の実現は
まもなくだろうと、わたしは楽観的に見ていました。


誤算のひとつは亀井静香による反対です。
民主党政権の中で、ただひとり選択的夫婦別姓に
反対する閣僚であり、亀井静香は閣僚の立場を利用して、
選択的夫婦別姓法案の閣議決定に応じない
というかたちで提出を妨害したのでした。

「亀井静香・政界から引退」

国民新党代表の亀井静香郵政改革・金融相は20日、
鳩山由紀夫首相と17日に会った際、
選択的夫婦別姓制度を導入するための民法改正案について、
国民新党が国会で反対することを容認する代わりに
亀井氏自身は閣僚として閣議決定に応じるよう
求められたことを明らかにした。亀井氏は拒否したという。

かくして2010年、民主党政権最初の通常国会は、
選択的夫婦別姓法案を提出できない事態になりました。
いま思えばこれが「決定打」になったと思います。


亀井静香による妨害は、選択的夫婦別姓を実現する
という観点から、重大な課題を残したと思います。
「反対派がひとりでも意思決定の場にいれば、
もう選択的夫婦別姓は実現しない」という実例を作ったからです。

反対派なんてどこにいるかわからないです。
立憲民主党のように選択的夫婦別姓の実現を
公約にしている政党でも、反対派議員が少人数でも紛れこんでいる
(今後紛れこんでくる)可能性は否定できないです。
そしてほんの少人数でも反対派がいれば、
選択的夫婦別姓の実現が阻止される恐れがあるということです。

たとえ少人数でも、頑迷きわまりない
選択的夫婦別姓の反対派の精神構造は変わりないので、
彼らを説得することはほとんど不可能でしょう。
反対派が少人数でも入り込んだ場合の対策を、
推進派は考えておく必要があることになります。


民主党政権も亀井静香のせいで立ち往生したとき、
なぜほかの方法で選択的夫婦別姓法案を提出することに、
もっと積極的にならなかったのかと思います。
政府提出にこだわらず、議員立法で発議するとか、
検討されていなかったわけではないようです。

彼らにしてみれば、選択的夫婦別姓も数ある
公約のひとつというだけで、取り立てて優先順位が
高い政策ではなかったのだろうと思います。
選択的夫婦別姓だけでも「特別扱い」して実現させようという
「ポリティカルウィル」はなかったのでしょう。

posted by たんぽぽ at 07:05 | Comment(0) | 民法改正一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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