「東大生の家庭の年収分布」
それをジェンダーに分けて示した図があります。
これを見てみたいと思います。
東大生男女の家庭の年収分布。ジェンダー差がある。昨年の『プレジデント・ファミリー』に書いたが,東大生の女子比は低いのだった。 pic.twitter.com/y7yk0fNYAR
— 舞田敏彦 (@tmaita77) 2015年2月11日
東大生全体だと、年収950万円以上は57.0%です。
男子学生にかぎると54.2%、女子学生にかぎると65.6%です。
やはり男子より女子のほうが、高収入に偏っています。
これは多くの家庭で、教育に対しては
女子より男子を優先的に経済的リソースを
回す傾向があることの反映だと思います。
女子が東大に入学できる程度に、経済的リソースを
教育に回せる家庭は、それだけ年収が多く
経済的に余裕があるということです。
日本は大学教育に対する公的支援がとりわけ少なく、
高い大学の授業料と、貧しい奨学金に現れています。
「学費は高いわ援助はないわ・・・日本の高等教育@OECD」
「教育の機会不平等・原因と結果」
そのせいで日本は、女子の大学進学率が
男子の大学進学率より低い、ほぼ唯一の国となっています。
「大学進学率のジェンダー比較」
たいていの家庭は教育に関する経済リソースは
男子優先なので、教育に対する経済的支援が少ないと、
女子の大学進学はとりわけ困難になるからです。
東京大学は日本でもっとも難関ですから、
入学するためには教育に対する経済的リソースは
他の大学にくらべてとくにたくさん必要となります。
それゆえ女子の入学はいっそう困難なものとなり、
女子学生がとりわけ少ないことになります。
2018年5月の学部学生の人数は、
男子学生: 11290人
女子学生: 2734人
「学生数の詳細について」
https://www.u-tokyo.ac.jp/content/400083082.pdf
女子学生の割合は全体の19.5%です。
5人にひとりもいないわけで、女子学生の少なさがきわだっています。
東京大学に女子学生が少ないことは、
ジェンダー問題を引き起こすことがあるようです。
東大生は男子学生のみ参加可能で、
東大の女子学生は参加不可能、他大学の女子学生は参加可能、
というサークルがあったりします。
東京大学の学生のジェンダー比は
研究対象となって国際学会で発表するくらいのようです。
聴衆からの反響があったというので、
他国の人たちにとって衝撃的なことなのでしょう。
いろんな国のジェンダー研究者が集まるドイツの学会で日本の性暴力の実態やどんな調査が必要かを報告したのだけど、東京大学の男女比率の偏りが酷いことや、東大女性が参加することを禁じられている(他大の女性のみ参加可の)サークルの存在を知って、オーディエンスからかなりの反響があった。
— 鈴木由真 (@yuma_s97) 2018年6月14日