自民党の加藤寛治衆院議員は、
のちに自分の「子ども3人」発言に賛同や激励が
たくさん寄せられたことを話したのでした。
「子ども3人」発言は5月10日、
「賛同や激励が来た」は5月27日です。
忘れたころになって蒸し返した感じです。
「子ども3人以上発言「激励が多数」 撤回のはずの加藤氏」
(はてなブックマーク)
「3人以上産んで発言「賛同多い」 自民・加藤議員」
「必ず新郎新婦に3人以上の子どもを
産み育てて頂きたいとお願いする」などと語り、
批判を受けて撤回した自民党の加藤寛治衆院議員が27日、
自身の発言について「全国から賛同、激励が多数寄せられた」と述べた。
「理想として3人は確か」「日本の将来を考えた発言」など
賛同意見の内容も次々と紹介した。
長崎市内で開かれた党長崎県連の会合でのあいさつ。
ここで「賛同や激励が来た」なんて言ったら、
「子ども3人」発言は当日中に撤回と謝罪をして、
批判を広げずにすませたことが無駄になりそうです。
撤回と謝罪をしたのは本心でなかったのかと
思われるでしょうし、撤回と謝罪を取り消して、
自己正当化に走るのかとも思われるでしょう。
本人は賛同や激励があったので紹介しただけで、
弁解したわけではないと言っていますが、
そんなのは信用できないかたもたくさんいると思います。
さらには少子化問題や家族問題、高齢者問題に関して、
また同じような議論が再燃する可能性があります。
わざわざ蒸し返すようなことを自分からして、
いったいどういうつもりなのかと思います。
加藤寛治は「子ども3人」発言に問題があるとは、
おそらく思っていないのだろうと思います。
「子ども3人」発言も、言いかたがよくなかっただけで、
少子高齢化問題に関する自分の認識自体は
まちがっていないと、思っているのではないかと思います。
発言の当日中に撤回と謝罪をしたのも、
批判を広げないためという「処世」だと思います。
「子ども3人」発言に問題があったと理解した上での
撤回と謝罪ではない、ということだと思います。
これも「謝罪した風」「謝ったフリ」ですか。
— 武藤 臼 (@mutous_seika) 2018年7月5日
自分が言ったことを蔑視であることを理解した上での謝罪でないと意味がない。 https://t.co/QLaP7sQQBn
「誤解を受けた」ではなく「不快な思いをさせた」だと思います。こういう人は少子化を女性のせいだと思ってるんでしょうね。ちゃんと世の中を勉強して発言していただきたいです。
— 愛里 (@Airi_10_07) 2018年7月5日
そんなところへ「子ども3人」発言に対する
賛同や激励の意見がたくさん来たのでした。
それで自分の認識自体はやはり間違っていないのだと、
加藤寛治はふたたび自信を持ったのでしょう。
それで「子ども3人」発言のことを、
また言いたくなったということだと思います。
わたしがより深刻な問題だと考えているのは、
加藤寛治の「子ども3人」発言に、賛同や激励の
コメントを寄せる人が多かったことです。
これらの人たちは「子ども3人」発言が問題であることが、
やはりわかっていないことになります。
「子どもを3人以上持て」のように
個人のライフスタイルに外部(とくに政治家)が
圧力をかけることの問題や、現在の出生率の低下は、
子どもを産み育てやすい環境の整備を政治がおこたって
いるからだ、ということがわからないのでしょう。
彼らは家族やジェンダーに関して因習・反動的で、
「女どもが自由と権利を得たから子どもを産まなくなった、
出生率の回復のために子どもを産むよう、
女どもに圧力をかけるべきだ」くらいに
思っているのだろうと思います。
このような認識の人たちが国民の中にいまもって
多いとなれば、効果的な家族政策がなかなか
導入されないのも、無理もないことだと思います。
団塊ジュニア世代が出産適齢期を過ぎて
軽く5年以上経過して、人口政策なんてもう「手遅れ」という
状況になっているのに、まだこのレベルということです。
さきゆきが暗くなるというものです。