2018年07月20日

toujyouka016.jpg 旧姓使用の状況・マイナンバー

7月18日のふたつのエントリの続き。

「旧姓使用の状況に関する調査(2)」
「旧姓使用の状況・パスポート」

内閣府・男女共同参画局が2017年6月に発表した、
「旧姓使用の状況に関する調査報告書」のうち、
旧姓使用が認められる範囲についてです。

「旧姓使用の現状と課題に関する調査報告書」
「旧姓使用を認めている会社が半数以下 人事、給料の手続きが煩雑さが理由」

 
旧姓使用の範囲 : 全体(n=3209)(1/2)

旧姓使用の範囲 : 全体(n=3209) (2/2)



図中に出ている項目で、もっとも「旧姓を使用している」の
割合が少ないのは「マイナンバーカード」で8.5%です。
「困っている」は5.5%であり、これも2番目に高いです。

マイナンバーは数字で管理するのですから、
旧姓だろうが偽名だろうが、名前はこの際どんなものを
使ってもかまわないのではないかという議論は、
ときどき出てくると思います。

名寄せの負担ないし必要があまりないと言われる
マイナンバーでもっとも旧姓使用が少ないということです。
なんのために数字で管理することにしたのか、
という気がしないでもないです。


この項目は「等の本人確認書類」がついているので、
マイナンバー以外の本人確認書類で
旧姓を使用する人が少ないし、旧姓使用ができなくて
困っている人が多いいうこともありそうです。

本人確認書類、身分証明書はそれ自体が公正文書か、
公正文書に連動していることが多いです。
よってほとんどが戸籍姓で発行されます。
戸籍姓以外の名字での発行はきわめて困難です。

旧姓の本人確認書類を確保しているかたは、
結婚改姓前に書類を発行してもらい、
改姓したあとも改姓手続きをせずそのままにしている、
というかたが多いのではないかと思います。


住民票とマイナンバーは、旧姓併記の準備が進められています。
2018年以降の実施予定となっていますが、
準備に時間がかかっているのか、いまのところまだのようです。
(それらしいニュースを聞かない。)

「住民票の旧姓併記を検討」
「住民票に旧姓併記の法案」
「マイナンバーの旧姓併記に100億」

重点方針には、すでに併記できる方針が決まっている
住民票とマイナンバーカードについて、
18年度以降のすみやかな実施に向けて
法令改正やシステム改修の準備を進めることを盛りこむ。
金融機関の口座でも旧姓が使えるよう、
全国銀行協会などに要請することも明記する。

上記引用の「重点方針」は、政府が2017年6月に決定した、
「女性活躍加速のための重点方針」のことです。
前のエントリでお話したパスポートの旧姓併記の自由化も、
この重点方針で決定されたものです。

「女性活躍加速のための重点方針 2017」


住民票とマイナンバーで旧姓併記が認められることで、
金融機関でも旧姓が使えるよう全国銀行協会などに
対する要請も、重点方針にふくめるとあります。

やはりこれまで旧姓がほとんど使えなかった
銀行口座やクレジットカードでも、
だいぶ旧姓が使えるようになるかもしれないです。

posted by たんぽぽ at 07:07 | Comment(2) | 民法改正一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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この記事へのコメント
7月21日土曜日の夜に放送していた「池上彰のニュースそうだったのか!! 2時間スペシャル」では、夫婦別姓について取り上げていました。
現在、夫婦同姓が義務づけられているのは世界中でほぼ日本だけであり、海外では別姓や結合姓も認められている国がほとんどである、また、国際結婚なら日本人でも別姓が認められる等の解説がありました。

たんぽぽさまは、この番組をご覧になりましたか?
Posted by アイス at 2018年07月21日 21:54
アイスさま、こちらにコメントありがとうございます。

残念ながら、わたしはその番組を見ていないです。
実は家にテレビを置いていないので、
テレビ番組は基本的になにも見ていないです。


ツイッターで少し情報が流れてきたので、
多少のことは把握しています。

ご指摘の外国の事情や、夫婦同姓の強制は
日本だけの特殊事情になっていることのほか、
選択的夫婦別姓の反対派のことにも言及があって、
なかなかよい内容だったと思っています。
Posted by たんぽぽ at 2018年07月22日 19:15