2018年08月01日

mar0006.gif日本とフランス・事実婚の目的と権利

7月31日エントリの続き。

『池上彰のニュースそうだったのか!!』で取り上げられた、
選択的夫婦別姓が認められない世界中で
ほぼ唯一の国という、日本の特異性についてです。

「池上彰、夫婦同姓の問題点を熱く語る『そうだったのか!!』P裏話」

 
番組では事実婚についても触れられています。
ここで事実婚をする目的が、日本とヨーロッパ諸国とで
異なるという指摘があります。
これはいままで、あまり言われなかったことだと思います。

さらに丹羽Pは「日本でも『事実婚』を選ぶ人が
増えているんですけど、その最大の理由が
夫婦同姓をとりたくないからだといいます。

フランスは結婚しているカップルの今や半分以上が事実婚ですが、
これは池上さんによると宗教上の理由がメイン。
カトリックは離婚を禁じていることから、
法律上の婚姻届を出さない人が多いんだそうです。

一方で日本の場合、特に宗教上の理由ではなく、
夫婦別姓にするためには他に方法がないから、という理由で
事実婚を選ぶ人が多いのです」と説明する。


日本で事実婚を選ぶのは、ほぼ夫婦別姓のため、
つまり非改姓結婚のためには、ほかに方法がないからです。
正確な調査がないようなのではっきり言えないですが、
事実婚の8割以上は夫婦別姓のためと考えられています。


事実婚は法的な権利や社会保障がふじゅうぶんで、
法律婚と比べると不利が多いのはあきらかです。
それでもあえて事実婚とするのは、
夫婦ともに結婚改姓したくないという、
苗字の問題くらいしか動機がないということです。

「事実婚のデメリット」
「法律婚でないことの不便」


事実婚について「正確な調査がない」と言いましたが、
事実婚に関する調査は、ほとんどなされないと思います。
それゆえ選択的夫婦別姓の問題にかかわっているかたでも、
事実婚にする動機についてはもちろん、
事実婚の件数自体、正確に把握できない状況です。

調査がないのは、法的保護や社会保障の対象とする意識が、
社会や行政にとぼしいということだと思います。
法的保護や社会保障の対象とするならば、
財源の確保や行政サービスの内容を妥当なものとするために、
事実婚の件数や実態を把握しようとして、調査するからです。

日本社会に蔓延する、戦後民法によって規定される
家族イデオロギーに対する信仰によれば、
婚姻届けを出して法律婚にするのが、
「正しい結婚のありかた」ということです。

「家族思想という信仰」

婚姻届けを出さず、しかも夫婦別姓である事実婚は、
信仰にもとづかない「異教徒」なので、
存在を「いないもの」として扱うということです。
「いない」から調査の対象にさえもならないのでしょう。
「事実婚は法を無視しているから、法も事実婚を無視する」です。

「家族思想信仰における「異教徒」」


番組ではフランスで事実婚を選ぶ目的として、
宗教上の理由で離婚が禁じられていることを指摘しています。

現実の制度上の問題として、フランスで離婚するには、
弁護士を立てて裁判をする必要があり、
お金と時間と労力がとてもかかります。
離婚がこのくらい困難というのはリスクが高いので、
それを避けるために事実婚を選ぶということです。


番組で触れたかどうかわからないですが、
ここで言和れている、フランスの「事実婚」というのは、
「民事連帯契約(PACS)」のことではないかと思います。

「PACS(連帯市民協約)ついて」
「PACS(連帯市民協約)とは?」

2010年の時点で、フランスの法律婚の件数は25万件、
PACSは20万件で、ほぼ同数に近くなっています。
2018年の現在、PACSが法律婚を上回っていることは考えられます。

PACSの関係にあるカップルは、住居、財産、税制、
社会保障において法律婚とほぼ同様の権利と義務を持ちます。
法的に定められ、法的に権利が保障されているということです。
よってフランスのPACSは、日本の事実婚とは、
本来同じようにはみなせないということです。


現在ではヨーロッパのほとんどの国で、
PACSと同様のパートナーシップが法的に認められています。
同性カップルに対して法律婚が認められない国でも、
パートナーシップは認められるようになっています。

「ギリシャの同性結婚雑感」
「イタリアで同性結婚法案成立」

そして同性カップルでも、パートナーシップだけでなく、
法律婚が認められる国が、どんどん増えています。

posted by たんぽぽ at 22:40 | Comment(0) | 民法改正一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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