2018年08月09日

mar0006.gif点数操作で優遇される男性

東京医科大の入試試験で、女子の受験者の得点を減点して、
女子の合格者数を減らしていたことは、
衝撃的だったかたも結構いるようです。

「東京医科大・女子受験者から一律減点」

このような点数操作によって、男子を優遇することは、
高校入試や企業の入社試験では、実はわりと当たり前になされています。

 
高校入試では男女の数を同じくらいにしたい私立学校では、
男子の受験者に下駄を履かせるのは、当然のようになされています。
公立高校でも行なっているところはあるようです。

「学校で下駄を履く男の子」


最近はまがりなりにも緩和されたようですが、
むかしはもっとあからさまに男子に「下駄」を履かせて、
男子の合格者を増やしていました。

「入試で下駄を履く男の子」

http://taraxacum.seesaa.net/article/417911225.html#comment

学業成績が同程度の男子生徒と比べて大学合格実績の面で
著しく振るわなくなるので、女子は成績優秀でも落とし、
男子は成績が劣っていても下駄を履かせて合格させて
高校の大学合格実績を高めようという「統計的差別」のインセンティブが
選抜者側に働いてしまうからす。

その例として、都立名門校はかつて男子の入学定員を
女子の3倍ほども多く設定していましたし、
北海道でも名門校が男子に1ランク以上にも相当する点数を加算して入学させ、
偏った男女比率(男子の方が3倍ほども多かったらしい)から
女性差別として問題になったことがあります。

(Posted by ritiarno at 2015年04月26日 23:38)


このような高校入試における男子優遇は、
女子の大学受験の機会や、大学卒業後の就職の機会が狭く、
教育に対する投資の見返りが少ないことがあります。

「教育の機会のジェンダー差」

女子の大学受験の機会を狭くする要因は、
具体的には「大学教育は女子より男子にとって大事」という
ジェンダー差別的カチカンや、大学進学に使うための
経済的リソースは、男子優先にする家庭が多いこと、
また女子は男子ほど浪人が許されない、地元から離れた大学に
行かせてもらえないといった、行動の制約などがあります。


企業の入社試験でも、男子の受験生に「下駄」を履かせるのは、
人事担当のあいだでは「常識」となっているようです。
そのせいで、たいていの企業では女子社員のほうが、
男子社員より優秀となります。

「女子は優秀でも採らない」

採用担当者が集まると、こんな会話がよく交わされます。
「元気な若手男子社員が非常に少ないですな」
「採用面接をしていても、評価の高いのは女子ばかりです」

その裏には「女子は、よほど優秀でないと採用されないから」
という悲しい現実があるのです。
女子が優秀と語る採用者たちは、続けてこんなことを言っています。
「だから男子学生は、下駄を履かせて採用しているんだ」

なぜ男子に「下駄」を履かせるかですが、
女性は出産や育児で仕事を続けられなくなる可能性が高いからです。
女性が子どもを持っても仕事を続けられる
環境の整備をすることが本来なのに、
女子の受験者に責任転嫁しているということです。

「女子は優秀でも採らない(2)」

女性の場合、結婚して妊娠すると、産前産後休暇、育児休暇、
育児期間の短時間勤務と、長期間にわたり
戦力から外れてしまう可能性があることです

こういう風潮を指して「女性は出産・育児で辞める可能性が
高いから、仕方ない」と言う人がいます。

「女性は医師になっても妊娠や出産で離職する
割合が高いから」という、東京医科大が点数操作で
女子の合格者を抑制していた理由と同じです。

https://mainichi.jp/articles/20180802/k00/00e/040/299000c
同大のOBは「入試の得点は女子の方が高い傾向があり、
点数順に合格させたら女子大になってしまう」とした上で
「女性は大学卒業後に医師になっても、妊娠や出産で離職する率が高い。
女性が働くインフラが十分ではない状況で、仕方のない措置だった」と話した。


東京医科大の関係者は、女性のほうが入試の得点が
高い傾向があるので、点数順に合格させたら
女子大になるとも言っています。

5年前に大阪府と大阪市の事務職員の採用試験で
合格者の8割が女性という事態が起きたのでした。
この年から採用試験の内容を変えて「人物重視」にしたので、
ふつうに採点すると、女子の受験者のほうが
高得点になることに気がつかなかったのでしょう。

「採用試験合格者8割が女性」
「大阪府・市 合格者の8割女性 「人物重視」切り替えで」

大阪府、大阪市の2013年度職員採用試験で、
事務職(大卒程度)の合格者の約8割が女性となった。
教養問題を廃止し、エントリーシート(ES)や論文など
「人物重視」の試験に切り替えたところ、女性比率がアップした。

大阪府と大阪市は、男女同数くらいにしたいというので、
翌年からは女子の合格者を抑制するなんらかの措置が
なされているのだろうと思います。


このように高校入試や企業の入社試験では、
男子の受験者が点数操作で優遇されるのは、
わりと「当たり前」のように横行していることです。
それを知っていたのでわたしは、実は東京医科大の点数操作も、
さほど驚かなかったのでした。

恣意的に点数操作をして女子の合格者を減らすなど、
とんでもないジェンダー差別です。
大学入試は高校入試や企業の入社試験よりは
ずっと公平に行なわれているでしょう。
それゆえ東京医科大にはもっと怒ったり驚いたり
しなければならないはずなのではありますが。


高校入試や企業の入社試験では、男子を優遇する点数操作が
ずっと「当たり前」になっていることは、
なぜか「知る人ぞ知る」という情報になっていて、
世間的にはあまり常識的になっていないです。

その「当たり前」さと差別性は、本当ならもっとよく知られて、
世論から批判されていいはずのことです。
実際に常識的に知られることとなったら、
世論からの批判が強まるでしょうし、
一定の改善はなされるだろうと思います。

posted by たんぽぽ at 23:24 | Comment(0) | 家族・ジェンダー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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