2018年08月18日

toujyouka016.jpg 池上彰・夫婦同姓の問題点を語る(2)

『池上彰のニュースそうだったのか!!』で、
選択的夫婦別姓について取り上げられたことについて、
7月31日エントリと8月1日エントリでお話しました。

「池上彰・夫婦同姓の問題点を語る」
「日本とフランス・事実婚の目的と権利」

番組では2015年12月の最高裁大法廷回付や、
2016年2月の国連女子差別撤廃委員からの
選択的夫婦別姓についての勧告にも触れていたようです。


 



2015年12月の最高裁大法廷回付に関しては、
はじめに現行の夫婦同姓の強制は憲法違反でない、
という判決が出たことについて触れています。

「夫婦別姓訴訟違憲判決ならず」

2015年最高裁判決 夫婦同姓は憲法違反ではない

15人の裁判官のうち、違憲と判断したのは5人であり、
さらにだれがどちらの判断をしたかに触れています。
裁判官の名前は出ていないようですが、
ひとりずつ似顔絵のイラストを描いていて、
かなりよく調べたのではないかと思います。

「最高裁判決・ジェンダー不均衡」

15人の裁判官 それぞれの判断

最高裁判所の裁判官は15人のうち
女性は3人だけであることにも言及しています。
そして裁判官に女性が増えれば判決が変わる
可能性があるとも述べています。

「女性が少ない最高裁判所」

女性が増えると判断が変わるかも



そして2016年2月の女子差別撤廃委員から、
選択的夫婦別姓を認めないのはジェンダー差別であり、
早急に認めよという勧告があったことに触れています。

「CEDAW日本審査・民法改正」
「CEDAW日本審査・民法改正(2)」

日本の裁判所が憲法違反でないと判断することも、
国際社会はあらためるべき差別と判断するということです。

国連女子差別撤廃委員会 差別になるので法改正すべきと日本に勧告


池上彰氏は選択的夫婦別姓問題にかなり詳しいようで、
いろいろとよく調べていると思います。
実際、番組のプロデューサーからも
「かなり熱を持って、かつ詳しく」語ったと評されています。

海外では水道の水が基本飲めないことや
車が右側通行であること、チップが必要なことは
よく知られているが、実は他にも「日本だけ」とか
「日本は少数派」ということがかなり多いという。

その中でも池上氏がイチ押しするネタは「夫婦同姓」だ。
日本では120年前の民法の規定により、
「夫婦は同姓」と決められており、世界でも日本だけのシステム。
テレビ朝日の丹羽敦子プロデューサーは
「池上さんはこのネタにとても熱くて、残念ながら放送では
カットしてしまったんですけど、打ち合わせから
かなり熱をもって、かつ詳しく語ってくださいました」と明かす。

2018年の現在、世界中のほとんどの国で、
選択的夫婦別姓は認められていて、
いまだに夫婦同姓が強制されるのは、日本くらいです。
「日本だけ」「日本は少数派」の例として、
夫婦同姓の強制はきわめてふさわしいと思います。

水道の水が飲めるか飲めないかは、
国民の資質と関係のない地理的事情です。
車が右側通行であることや、チップが必要なことは、
習慣の違いというだけです。

夫婦同姓が強制されるか、夫婦別姓の選択も認められるか、
というのは、単なる習慣にとどまらない人権問題です。
人権問題で「日本だけ」なおざりは許されないことです。
ぜひとも熱く語ってほしいと思います。

posted by たんぽぽ at 16:22 | Comment(2) | 民法改正一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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この記事へのコメント
>2018年の現在、世界中のほとんどの国で、
選択的夫婦別姓は認められていて、
いまだに夫婦同姓が強制されるのは、日本くらいです。
「日本だけ」「日本は少数派」の例として、
夫婦同姓の強制はきわめてふさわしいと思います。

「日本だけ」「日本は少数派」の悪しき例です。



>水道の水が飲めるか飲めないかは、
国民の資質と関係のない地理的事情です。
車が右側通行であることや、チップが必要なことは、
習慣の違いというだけです。

日本が、水道の水が飲める数少ない国であることは誇っていいと思います。
もちろん、地理的事情や運などの要素も大きいのは確かですが、衛生的な水を調達できるような浄化設備やインフラ整備などの科学技術力の高さに関しては、素直に「日本に生まれて良かった」と思っています。
(とはいえ、私は水道水はあまり美味しくないのでほとんど飲まず、ペットボトルのミネラルウォーターを愛飲しております)



>夫婦同姓が強制されるか、夫婦別姓の選択も認められるか、
というのは、単なる習慣にとどまらない人権問題です。
人権問題で「日本だけ」なおざりは許されないことです。
ぜひとも熱く語ってほしいと思います。

先進民主主義国であるはずの日本が、夫婦別姓を認めない少数派の国であることは恥ずべきことです。
なお、反対に、夫婦別姓しか認めない=夫婦同姓を認めない国は世界に存在するのでしょうか?
Posted by アイス at 2018年08月25日 00:27
アイスさま、こちらにコメントありがとうございます。

>「日本だけ」「日本は少数派」の悪しき例です。

残念ながら「悪しき例」と言わざるをえないですね。


>衛生的な水を調達できるような浄化設備や
>インフラ整備などの科学技術力の高さに関しては、

日本の科学技術力も、いずれ陰ってくるのではないかと、
わたしは悲観的な予想をしています。
これからの科学技術は独創性が必要でしょうが、
独創性のもとになる多様性を、日本は受け入れたがらないですし。

そもそもアカデミズムや学術を
日本が大切にしたことはないだろうと思います。
科学技術力を下支えする基礎研究は、
いつもないがしろにされていると思います。


>先進民主主義国であるはずの日本が、
>夫婦別姓を認めない少数派の国であることは恥ずべきことです。

まったく先進民主主義国にあるまじきです。

日本が本当に「先進国」なのかを、
疑ったほうがいいのかもしれないですが。
「日本は経済だけ発達した開発途上国」なんて、
意地の悪いかたは言ったりします。
実際日本が、人権問題を重視したことはないと思います。

>夫婦別姓しか認めない=夫婦同姓を認めない国は

カナダのケベック州はそうです。
家族法を改正してから、かならず夫婦別姓と
することが決められたのでした。
Posted by たんぽぽ at 2018年08月25日 18:04
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