「夫婦別姓だと離婚のハードルが下がる」
「離婚に関することを、選択的夫婦別姓の推進派は
なぜか考えない」などと言ったこと、そしてその根拠を
出さなかったことを、補助ブログで見てきました。
どちらも根拠がないことは、言わずもがなです。
すでにお話していることの繰り返しですが、
ここで改めてもう一度お話しておくことにします。
「選択的夫婦別姓のまとめ(5)」
夫婦別姓だと離婚のハードルぐっとさがるよね。そんなこと考えないのが不思議
— 四条烏丸 (@nanaarek20) 2018年8月11日
選択的夫婦別姓の反対派(非共存派)が、
これまでに提示したことがある「夫婦別姓によって離婚が増えた」
ことを示すデータは、ふたつあります。
ひとつはドイツの離婚率の年次推移です。
選択的夫婦別姓が認められた1993年から離婚が増えているので、
この離婚増加は夫婦別姓のせいなのだそうです。
「ドイツの選択的夫婦別姓」
「反対派が読む統計データ 選択別姓のせいで離婚が増えた?」
ドイツの選択的夫婦別姓は、法案可決は1993年ですが、
法案が施行されたのは1994年からです。
法案の施行の前から離婚が増えているのですから、
選択的夫婦別姓が原因でないことがわかります。
上の図は旧東西ドイツでわけて示していますが、
ドイツで1993年から離婚率が増えたのは旧東ドイツだけです。
旧西ドイツは離婚率の目立った急増はないです。
これは旧東ドイツでは、冷戦の崩壊にともなう混乱で、
離婚を控えていた人たちが、社会情勢が安定してきたので、
きゅうに離婚をし始めたためです。
もうひとつは「スウェーデンの離婚率が50%」です。
これは結婚数と離婚数の比を取っただけで、
定義にもとづいた正しい計算ではないです。
日本では出生数より死亡数のほうが多いですが、
これを「死亡率が100%を超えた」と言うようなものです。
「スウェーデンたたき」
「スウェーデン・バッシング 哀しき他虐史観の産物」
離婚率の正確な定義は人口1000人あたりの件数です。
OECD加盟国の離婚率の年次推移を見ると、
近年は離婚率が2から3のあいだに多くの国が集まっています。
スウェーデンの離婚率もこの中に入っていて、
日本とさほど変わらないし、それ以外の国とくらべても
取り立てて多くないことがわかります。
「夫婦別姓だと離婚しやすい」というのは、
夫婦別姓に対するべたな偏見ですし、
反対派(非共存派)の主張としては初期のころから
言い古されていて、定番中の定番と言えます。
それゆえ選択的夫婦別姓の推進派は、おおむかしから
夫婦別姓と離婚の関係については、さまざまデータを調べ、
情報を収集し議論を重ねてきています。
現在では議論はし尽くされていることです。
とっくに反証されていることをしれっと主張するだけでなく、
「推進派が考えないのが不思議」とまで言ってのける
「四条烏丸」は失笑のきわみとしか言いようがないです。
「推進派が考えない」のではないです。
「四条烏丸」が無知すぎるということです。
選択的夫婦別姓の推進派がさんざん議論して
結論がとっくに出ていることを「推進派はぜんぜん
議論していない」と平然と言ってのけるのは、
選択的夫婦別姓の反対派になぜかありがちです。
「反対派の足止め効果を防ぐ」
推進派のかたたちは選択的夫婦別姓問題について、
だれよりもたくさん熟考して、実践と知識の両面において
たくさんのことを知っている「専門家」です。
自分の思いつくことくらい、専門家ならとっくに
検討しているとは、なぜに思わないのかと思います。
上述の「四条烏丸」もその雰囲気をにじませていますが、
「推進派の知らないことを知っている見識の高い自分」に
酔っているようで、選択的夫婦別姓の推進派を
見下していたりするから、おこがましさに輪をかけます。
選択的夫婦別姓の反対派のこのような態度は、
一般的なにせ科学の信奉者(とんでも)にも見られます。
彼らもとっくに否定された理論を信じていて、
「専門家の知らないことを自分は知っている」と思って
専門家を見下すことはよくあります。
自分の疑問について専門家が議論していないと思ったら、
専門家はみんな無知と決めるのではなく、
本当は議論はなされているのではないか、
結論は出ているのではないかと調べてみることです。
しろうとのあなたが考えることはたいていの場合、
専門家はさんざん議論していることで、
すでに結論が出ていることが相場です。
あなたの疑問もとっくに解決されているでしょう。
「四条烏丸」におかれましては、他人に対して
「自分で調べろ」「自分で考えろ」を連発するなら、
まず自分が本当に夫婦別姓と離婚の関係について
どんな議論がなされているのか「推進派が考えていない」と
発言する前に、調べていただきたいものです。
自分でお調べください。
— 四条烏丸 (@nanaarek20) 2018年8月14日
ご自分でお考えください
— 四条烏丸 (@nanaarek20) 2018年8月15日