7月29日の『AbemaTV』では、同性結婚のほか
選択的夫婦別姓についても、話題になっていました。
自民党の谷川とむ議員は、選択的夫婦別姓についても
理解のないことを言っています。
「自民・谷川とむ議員「同性婚や夫婦別姓は趣味みたいなもの」発言が物議醸す」
谷川議員が「僕の"谷川とむ"も本名ではなく
通称ですが、それで活動できています。
夫婦別姓についても、法律化してなんでも
枠を拡げていくと、大変な労力がかかってくる。
はじめは「自分は通称使用でじゅうぶんだ。
(だからみんなも通称使用でじゅうぶんなはずだ)」という、
選択的夫婦別姓の反対派の「お約束」の主張です。
内閣府・男女共同参画局の調査によると旧姓の通称使用が
認められる企業は全体の49.2%で、半分にも満たないです。
「旧姓使用の状況に関する調査」
「旧姓使用の状況に関する調査(2)」
どんな場合でも旧姓使用ができるのではなく、
認められる範囲がかぎられているのが通常です。
自分が問題なく通称使用ができるからといって、
だれでも問題なく通称使用できる環境にいるのではない、
ということを理解されたいです。
国会議員が通称使用しやすいのは選挙対策です。
選挙では名前が知られていることも重要になります。
結婚改姓したり、芸能人がふだん使わない戸籍姓を使うと
だれかわからなくなって、選挙に不利になります。
それで多くの有権者が覚えている「看板」で
選挙を闘えるようにするために、旧姓や芸名で
議員活動ができるようにしているということです。
自民党が候補者や議員の通称使用を簡単に認めたのは、
自分たちの選挙に影響するからだと思います。
自分たちと関係なければなかなか動かないが、
自分たちの利益にかかわるとなったら、
素早く対応するのが彼ら自民党ということです。
谷川とむは自分は通称使用に関しては、
特別に恵まれた環境にいるというだけなのに、
「通称ですが、それで活動できています」なんて、
なにをのうのうと言っているのかと思います。
谷川とむは選択的夫婦別姓を認めると、
「大変な労力がかかってくる」とも言っています。
具体的にはなにが「大変な労力」なのかと思います。
これも反対派(非共存派)にありがちな主張です。
よく反対派(非共存派)が持ち出す「大変な労力」として、
システムを改変するためのコストがあります。
これは1996年に選択的夫婦別姓が認められることを見越して、
戸籍のフォーマットを作り変えています。
少しの操作で夫婦別姓の家族にも対応できるので、
ここにかかるコストはたいしたことないです。
96年には既に別姓導入を見越して戸籍システムは改修済みですので、
— hakobune (@hakobune4) 2018年6月16日
大きなコストはかかりません。
既に平成8年に別姓の戸籍のテンプレートが出来ておりますので各役所でクリックひとつで出来るようになっております pic.twitter.com/ewSrzipcJH
— わんわん (@wanwan_nz) 2018年6月16日
谷川とむは同性結婚の法制化に反対するとき、
男女で結婚して子どもができて家族を作ってきたから、
社会が滅びないできたと言っていました。
「同性愛は趣味みたいなもの?」
「「同性愛は趣味」発言と伝統的家族」
乙武氏が「じゃあなぜ、男性が女性を好き、女性が男性を好き
という趣味みたいなものを結婚という法律で
保護しているんですか?」と問いかけると、
谷川議員は「男の人と女の人が結婚をして
子を授かって、家族という形態が出来て。
大昔から皆さん同じようなことをして、国を衰退させないように、
国が滅びないようにしてきたわけですよね。
選択的夫婦別姓は基本的に男女間の結婚を想定しているので、
谷川とむのこの基準なら認めていいことのはずです。
少子高齢化が進んで、実際に国が衰退に向かっている日本です。
結婚のハードルを少しでも低くするために、
選択的夫婦別姓は必要なことのはずです。
「結婚のハードルを上げる人たち」
そいで日本は、子供をつくる場合、基本的に、結婚してから、
という流れを組む。
であれば、結婚のハードルを少しでも下げることが、
少子化問題にダイレクトに効いてくる。
にもかかわらず、「夫婦別姓」に政府が反対しているのが意味不明だと思うのだ。
選択的夫婦別姓を認められないということは、
「結婚は男女のあいだのもの」というのは、
実は同性結婚に反対するための「方便」である
ということではないか、という気がしてきます。