2018年09月05日

mar0006.gif女性医師が多いと特定の科に偏る?

9月2日エントリの続き。

東京医科大の点数操作についての山口一男氏の記事です。
今回は「医師に女性が増えると、特定の科に医師が偏る」
という主張について見てみます。

「東京医科大学の入試における女性差別と関連事実 ― 今政府は何をすべきか」
(はてなブックマーク)

 
このような意見は、たとえば西川史子氏という
女性医師が次のように述べています。
(西川史子氏も女子受験者のほうが男子受験者より
成績がよいことは認めています。
これは否定のしようがなかったのでしょう。)

「高橋真麻 女子受験者減点問題の西川先生“当たり前”発言に反発「納得できない」」

西川は「(受験成績の)上から取っていったら、女性ばかりになっちゃう。
女の子の方が優秀なんで、眼科医と皮膚科医だらけになっちゃう。
重たい人の股関節脱臼を背負えるかっていったら、女性は無理なんです」

西川史子氏は、女性医師は眼科と皮膚科が多いと言っています。
2012年の診療科別の医師のジェンダー比を見ると、
女性医師の割合は皮膚科は44.3%、眼科は37.5%です。
これらふたつの科が上位2位を占めています。

「女性医師の年次推移」

平成24年 診療科別 医師男女比

眼科と皮膚科に女性医師が多いという事実はあります。
それでも小児科、産婦人科、麻酔科も3割以上であり、
「眼科と皮膚科ばかり」ではないとも言えます。
また女性医師の需要はあるけれど、現状は女性医師が少ない
という科もあるだろうと思います。


特定の科に医師が偏るのが困るなら、
偏在しないよう割り振ればいいと思います。
具体的には、学生を専攻する科に割り振る際に、
希望する科を複数書かせて、それを参考に配属する科を決めます。

診療科ごとに学生の数の上限と下限を決めて
「これ以上学生を配属できない」「最低これだけの学生は確保する」
という状況にしておけば、偏りを防げるでしょう。
フランスでは実際にそうしています。

「フランスにおける医師偏在対策」

フランスの医師養成課程の概要


それでも特定の科への偏りを防ぐことが
むずかしいというなら、希望者の少ない診療科に
配属される学生の奨学金を増やすとか、
医師の少ない診療科の報酬を増やすといった
経済的なインセンティブが考えられます。

また日本で女性の専門医専攻に偏りがあるため
女性が増えると特定分野の専門の供給不足になるという主張に関しては、
専門医の専攻別に男女合わせた学内定員枠を設けて
供給過多の分野の専攻者を減らしたり、
需要に比べ供給の少ない専門の学生の奨学金を増やしたり、
その分野の医師の報酬を上げたりするなどの
インセンティブ・メカニズムで解決するべきであって、
女性差別で調整しようなど言語道断である。

ほかにいくらでも合理的な調整の方法があるのに、
わざわざジェンダー差別で調整を図るというのは、
まったく理解しがたいことです。



付記1:

「医師に女性が増えると特定の科に偏るから、
点数操作で女子の合格者を減らすのは当然」なんて、
差別的言説を西川史子氏のような女性医師が言えば、
ジェンダー差別論者たちは、自信を持つのではないかと思います。
医師かつ女性ということが、発言に説得力を持たせるからです。

自民党の女性閣僚がそろいもそろって女性差別的な
発言や政策を行なっていたこともありますし、
どこの世界にも、女性差別を支持、肯定する女性というのは
一定数いると言ってしまえば、それまでですが。

「女性閣僚の反女性発言」
「夫婦別姓と女性閣僚たち」


付記2:

点数操作の件に関して、片山さつきがめずらしく(?)
的確なことを言っています。



謝辞:

西川史子氏の発言が出ている東京スポーツの記事
厚生労働省の「女性医師の年次推移」の資料
および片山さつきのツイートを、8月6日エントリのコメント欄
教えてくださったアイスさま、ありがとうございます。

posted by たんぽぽ at 23:15 | Comment(0) | 家族・ジェンダー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

はてなブックマーク - 女性医師が多いと特定の科に偏る? web拍手
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。