高齢層諸氏のことが記事になっています。
「この政党は保守か革新か 揺らぐ「常識」、若者のリアル」
(はてなブックマーク)
「この政党は保守か革新か 揺らぐ「常識」、若者のリアル」(全文)
「おばあちゃんの原宿」と呼ばれる東京・巣鴨の駅頭で、
改憲に反対する活動に立ち会った。
若者グループSEALDsに影響を受けて結成した
主に60代以上の人たちで、その名もOLDs(オールズ)。
街頭に立つのは170日を超えたが、「若者で署名するのは1万人に1人」と
大学名誉教授の高橋正明さん(73)は言う。
今の政権でいいんですかと呼びかけると「いいでーす」と答える。
「安倍さんをいじめないで」と言った人もいた。
メンバーが若かりし頃、世界で若者が反政府デモをしていた。
だが今、若い世代の政権与党への支持は高い。
昨年の総選挙の出口調査で比例区の自民党に投票した人は
60代で29%だったが、20代は47%に上った。
2017年の衆院選で、若年層で自民党の投票率が
高かったことは、何度か話題になったことがあります。
18-19歳は47%、20代は49%となっていて、
これら2世代はほかのどの世代よりも高くなっています。
「年齢階層別の政党支持率」

これが自民党・安倍政権に危機感を持つ高齢層諸氏が、
若年層に対して焦燥する根拠ということなのでしょう。
この得票率は投票に行った人にかぎったものです。
投票に行かなかった人も含めた「絶対得票率」を見ると、
20代の自民党投票率は朝日、NHKのどちらの推定値も15.3%で、
ほかのどの世代よりも低くなっています。
そしてなんのことはない、世代が高くなるにつれて、
自民党の得票率が高くなるという、多くの人が
描いているであろう、イメージ通りの結果です。

選挙の「得票率」ではなく、政党の「支持率」を見ても、
やはり若年層ほど自民党支持は低くなるか、
ほかの世代とさほど変わらないという結果になっています。

政党支持率を見ても、選挙の絶対得票数を見ても、
若年層ほど自民党の支持率が高いということはなく、
むしろ上の世代と比べて低いくらいだと言えます。
記事で最初に紹介されている「オールズ」のような高齢層諸氏の
若年層に対する焦燥は「取り越し苦労」とも言えます。
若年層は全体の自民党支持率は低いのに、
選挙に行った人にかぎると自民党得票率が高くなるのは、
もちろん選挙に行く人が少ないからです。
上述の図は、2014年の参院選のときの年代別投票率が出ています。
20代は32%程度で、すべての世代の中で最低です。
70代をのぞき世代が上がるごとに投票率が高くなり、
60代の投票率は68%程度となっています。
60代はポイントで20代の2倍以上です。
高齢層諸氏は「若い人たちに自民党支持が多い」と
あせったりうれいだりするのではなく、
「若い人たちが選挙に行かない」、つまり若年層の政治に対する
無関心を問題にしたほうがいいのではないかと思います。
年代別投票率と自民党得票率の図を見ると、
ほぼどの世代も選挙に行かない人が多いことによって、
選挙に行った人の自民党投票率が高くなると考えられます。
「政治的無関心が支える自民党支持」という現象は、
20代にかぎったことではないということです。
よって若い人たちだけ政治的無関心を
問題視するのは「お門違い」ということになります。