若年層に自民党支持は多い？（２）自民党支持率が高いと思われる若年層の政治意識について、
政治学者を始め識者たちが、いろいろと議論しています。
「この政党は保守か革新か 揺らぐ「常識」、若者のリアル」
（はてなブックマーク）
「この政党は保守か革新か 揺らぐ「常識」、若者のリアル」（全文）
「革新」などの政治用語の意味が変わっているとか、
世代を超えて通じ合う政治のことばが失われているとか、
はては教育の影響とか同調圧力まで持ち出して、
あれやこれやと考察をなさっていらっしゃります。
これは「若者は無知だから」と切り捨てる話ではないと遠藤さんは考える。
若い世代は、革新という政治用語を「変化」や
「改革」ぐらいの意味だととらえているのだ。
「世代を超えて通じ合う政治の言葉が失われつつあるのではないか」
わたしに言わせれば、単純に「若者は無知だから」
ということで、よいのではないかと思いますよ。
（若いかたには失礼な言いかたですが。）
でも「切り捨てる話」ではないです。
ちゃんと取り上げて考察するお話だと思います。
ジェンダー問題に関心があって、フェニミズム活動をしているかたの
ところに来る学生さんに、日本のジェンダーギャップ指数の
順位を聞くと、「30位くらい」とか「1-2位くらい」という、
ちょっとびっくりする答えが返ってきます。
実際の順位は、2017年は114位です。
日本の順位は調査開始以来ほぼ単調に下降を続け、
2012年以降、ずっと3けたの順位が続いています。
「学生のジェンダー平等認識」
ジェンダーや男女平等の問題に興味を持って私たちのところに
やってくる学生の方々も、そのギャップに驚くようです。
日本におけるジェンダーの問題を語ろうとすると、
「海外のことを聞きたい」と言うんです。
初めから日本は平等だと思っているんですね。
それで、このジェンダーギャップ指数について話して、
日本は何位だと思うかと尋ねると「30位」と答えたり、
中には「1、2位かな」と答えたりする子も（笑）。
日本はジェンダー平等の後進国であることは、
ジェンダー問題に多少関心のあるかたでしたら、
常識中の常識になっていると思います。
そこへ持ってきて「初めから日本は平等だと思っている」
という認識は、なんなのだろうと思うところです。
ジェンダー不平等であふれている現状が
本当に見えていないのかと思いたくもなります。
実のところ20歳過ぎくらい学生の認識は
「こんなもの」ではないかと、わたしは思います。
上述の日本のジェンダーギャップ指数の順位が
「30位」とか「1-2位」とか思っていた学生さんが
特別に見識がないとは、わたしは思わないです。
政治や社会についてまともに考察できるようになるのは、
30歳くらいになってからではないかと、わたしは思います。
20歳過ぎくらいの学生さんではなかなか難しいのでしょう。
知識、見識に加えて、ある程度の経験が必要ということです。
朝日の記事では、性的少数者問題や、ジェンダー平等に
関心があるのに、自民党に投票した学生が紹介されています。
大学に入って政治に興味を持ったという
東京学芸大３年の女子学生は、自分をリベラルだと考える。
ＬＧＢＴの権利擁護や女性差別撤廃に強く賛同する。
その上で、昨年の総選挙で投票したのは自民党だった。
自民党はアンケートで性的少数者問題を人権問題として
扱わなくてよいと答えたり、政治男女共同参画推進法案に
反発するような、性的少数者差別、ジェンダー差別政党であることや、
「伝統的家族」と称する因習・反動的な家族を
維持・推進していることを、この学生さんは実は
ご存知ないのではないかと、わたしは思っています。
「自民党の性的少数者排除」
「政治男女均等法案・自民反発」
「顧みられない家族政策」
フェミニズムの先生に質問に来た学生さんは、
その場で勉強させてもらうので、すぐに現実を把握するでしょう。
それで、国会議員の女性比率や男女の賃金格差を実際に調べてもらって初めて、
日本が「男女平等」ではないと気づく学生が多いのです。
あるいは、就職活動のときに募集要項では書いていないけれど、
男性優先の採用などの現実を目の当たりにして、
フェミニズムに興味を持つ女子学生もいるように感じられます。
そうでない学生さんも、就職活動その他で社会の現実を
目の当たりにしたりして、日本社会には実は差別が
蔓延していることや、その元凶が自民党にあることが、
だんだんわかってくるのだろうと思います。
それまでは「若い子たちが政治や社会について
あまりわかっていなくても、ある程度はやむをえない」くらいに
思って、長い目で見るのがいいのではないかと思います。
