税金による支援は疑問」という主張が、だいぶ話題になりました。
「同性カップルは生産性がない?」
このように「生産性がない、国家にとって負担」と言って、
特定のカテゴリの人たちをスポイルすると、
本当にその人たちの生命を抹殺することになります。
それを実際に推進したのがヒトラー・ナチスです。
ナチスは遺伝病患者のための国家の1日の負担ぶんで、
健康な家族が1日暮らせると主張しました。
それから数年後、遺伝病患者たちをガス室で抹殺するという
「ジェノサイド」を行なうようになったのでした。
「生産性の低い国民には権利はない」という考えの行き着く先がココだ。「遺伝病患者は、国家に1日あたり5.50マルクの負担をかけている。5.50マルクあれば遺伝的に健康な家族が1日暮らすことができる」このポスターを掲げたナチスは数年後に遺伝病患者をガス室で殺すことになる。 pic.twitter.com/l3ElZv8vAJ
— Simon_Sin (@Simon_Sin) 2018年7月24日
社会からスポイルした人たちを絶滅収容所に送って、
ガス室で抹殺するのと同等のことを、すでに同性愛者に対して、
杉田水脈は行なっているのではないかとも思います。
なぜわたしがそう考えるのかというと、
杉田水脈は同性愛者の自殺率は、異性愛者と比べて
6倍程度高いという事実を聞いて、笑っていたからです。
「「同性愛の子どもは自殺率が6倍高い」と笑いながら話す杉田水脈議員の動画をごらん下さい」
「同性愛の子どもは自殺率が6倍高い」という話を、
笑いながら話しています。
「普通に正常に恋愛出来る子ども」という表現といい、
LGBTへの純粋な悪意しかそこにはありません。
杉田「はい。と言ったら、なんて言われたかというとですね、
『同性愛の子どもは、普通に正常に恋愛出来る
子どもに比べて自殺率が6倍高いんだ』と。
『それでも貴方は必要ないっと言うんですか!』みたいな事を
言われまして(中山恭子、すぎやまこういちの笑い声が入る)」
自殺者が出るのは社会の責任です。
自殺はいわば社会による殺人と言うこともできます。
となれば、自殺する人が少しでも少なくなるよう、
社会をよりよく改善するのが、国会議員の役目のはずです。
同性愛者に自殺が多いのは、もちろん差別があるからです。
同性カップルは法律婚が認められないとか、
税金で支援されないのも、同性愛差別がそもそもの原因です。
よって同性愛差別をなくし、同性カップルに対する税金による
支援をもっと充実させることが、国会議員の役目となります。
「生産性がないから税金で支援は疑問」などと言って、
国会議員の役目を果たそうとせず、自殺率が高いことを
ただ笑っている杉田水脈は、国家による同性愛者の殺人を
黙認どころか歓迎さえしているのではないかと思います。
絶滅収容所を建てたりガス室に送ったりしなくても、
差別を温存して生きづらい社会を維持するだけで、
特定の被差別マイノリティを自殺というかたちで
死なせることができて、国家による「ジェノサイド」が
可能になるということです。
付記:
「同性愛者の自殺率は、異性愛者の6倍」という
杉田水脈が聞いたという情報の根拠はなんなのかと思います。
2008年に大阪で行なわれた街頭調査によると、
同性愛者が自殺を図る可能性は、異性愛者のそれとくらべて、
5.9倍にもなることがわかっています。
「14%が自殺未遂を経験。ゲイ・バイ男性の抱える「生きづらさ」とは」
大阪・ミナミの繁華街で2008年、
宝塚大学看護学部の日高庸晴教授らが
15〜24歳の男女約2000人を対象に実施した街頭調査。
性的指向と自殺リスクの関連について、
異性愛者と性的マイノリティを比較した初めての調査だ。
この結果、ゲイやバイセクシャルなど性的マイノリティの男性は、
異性愛者の男性と比べて自殺を図るリスクが
約5.9倍にもなることが明らかになった。
杉田水脈の情報はこの調査のことかもしれないです。
これは自殺を図る可能性(「自殺企画率」)であって、
実際に自殺した人を調べたものではないです。
よってこれを「自殺率」とみなすといくらか不正確になります。
それでも自殺企画率が高ければ、実際に自殺をする人も、
多いであろうことは、容易に考えることができます。
同性愛者の自殺は事実が表面化しにくく、
実態を正確に把握することがむずかしくなっています。
それでも欧米の民主主義国の調査でも、
同性愛者の自殺企画率は、異性愛者の数倍高いという
報告はくりかえしなされています。
同性愛者の自殺率が異性愛者より高いことは、たしかでしょう。
「同性愛者の自殺について考える(2)」
ここで大事なのは正確な数値ではなく、
同性愛者は異性愛者よりはるかに自殺する人が多いこと、
その事実に杉田水脈が笑ったということです。
本当に杉田議員が生産性を語るのなら、同性愛者の自殺というのは彼女が向き合うべき「生産性」を上げるための政策課題であると私は思います。しかしそうしないのは、「生産性」がただの建前で、二等市民などどうなろうとかまわないと思っているからではないでしょうか。暴言を吐くために、合理的に見える理由をどこからか持ち出す。そしてヘイトを集め、社会から追い出そうとする。まさしくヘイトスピーチの教本のようです。
米国の調査で、同性婚が合法化した州とそうでない州の若者の自殺率を比較し、LGBTの自殺率が前者は減少していたというものがありました。
たった同性婚の合法化だけで、多くの子供たちの命が救えるのに、誰もそれに目を向けてくれない。本当に悔しいです。
わたしのブログにコメントありがとうございます。
>自殺者が多いといことは、国を支えている働き手や将来を担う若者を失うということ。
LGBTのかたも納税して国を支えていることが、
杉田水脈には念頭にないのだろうと思います。
単純に「被差別マイノリティ=福祉を食う存在」
くらいの認識なのではないかと思います。
(ディベート番組に出た谷川とむにも、
わたしは同様のことを感じました。)
>本当に杉田議員が生産性を語るのなら、
>同性愛者の自殺というのは彼女が向き合うべき「生産性」を
>上げるための政策課題であると私は思います
はじめに同性愛差別があるのだと、わたしも思っています。
「生産性」は後付けの理屈なのだろうと思います。
前に「同性結婚は子孫を残すという
生物の目的に反するから反対」という人がいたので、
「異性愛者でも不妊症のかたは、やはり結婚に
反対なのか?」と訊いたら、ごちゃごちゃ理屈をつけて、
不妊症でも異性愛なら結婚していいことにしていました。
杉田水脈の認識も、たぶんこの「生物の目的」を
持ち出した同性愛差別の人と、
同じようなものではないかと思います。
杉田水脈のような人たちは、ふだんは「伝統的家族」とか言って、
出生率の低下をもたらす元凶を作り続けています。
同性結婚に反対するときだけ、「少子化が問題」なんて
声を大にしても、しらじらしいだけだと思います。
>たった同性婚の合法化だけで、多くの子供たちの命が救えるのに、
政策で簡単に救える命があるのに、
それを救わないのは愚策としか言いようがないです。
ひじょうに残念なことですが、ささやかながら同性愛者の
権利を訴えていくよりないのだろと思います。