高齢者人口の割合についての総務省の調査です。
「統計トピックスNo.113 統計からみた我が国の高齢者−「敬老の日」にちなんで−」
世界の高齢者人口の割合の年次推移の図を見ると、
ほどんとすべての国において高齢者人口の割合は、
程度の差こそあれ急速に増加していることがわかります。
21世紀のなかばは、国際社会は歴史上これまでにない
高齢化社会になるということです。
図には世界全体の高齢者人口の割合も示しています。
1950年には5%程度で、その後少しずつ増加していきます。
2015年には8%程度で、それ以降増加のペースが早くなり、
2050年には16%程度になります。
2065年の推計値は18.3%です。
20世紀には世界中のどこの国にも見られなかった
高い高齢者人口の割合が、21世紀のなかばには
世界全体の割合になるということです。
「世界全体」は、平均寿命の短い国や、
まだ人口ボーナス期にあって、出生率が高い国を含めてです。
図に描き込まれる主要国は、すでに人口オーナス期にあって
社会が成熟しているので、どこも世界全体より
高い高齢者人口の割合となっています。
高齢者人口の割合が「世界全体」の割合より、
高いか低いかで、「開発途上国」か「成熟した国」となったかを、
簡単に判断できるのではないかと思います。
1950年の日本は世界全体とほぼ同程度の
高齢者人口の割合であり、日本は「開発途上国」でした。
高度経済成長の時期に、高齢者人口の割合は上昇し、
1970年ごろには「成熟した国」に追いついたと言えます。
韓国の高齢者人口の割合はずっと世界全体を下回っていて、
いわば「開発途上国」だったことになります。
世界全体を超えたのは2000年ごろです。
2015年には「成熟した国」に追いついてきて、
「先進国」の仲間入りをしたと言えそうです。
韓国のその後の高齢者人口の割合は、
諸外国をどんどん追い抜き、2050年にはイタリアも抜いて、
日本に次いで世界第2位となります。
30-40年ほど遅れで、日本と同じ経過をたどりそうです。
韓国の2050年の高齢者人口率は日本に近く、
年少人口率は日本よりさらに低いことが予想されています。
21世紀の後半は、韓国も日本と同じような
「悲惨な国」になっていることが考えられます。
「2050年の世界の少子高齢化」
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— 舞田敏彦 (@tmaita77) 2016年5月29日
中国の高齢者人口の割合も、ずっと世界全体を下回っていて、
やはり「開発途上国」が続いていたと言えます。
世界全体を超えたのは、やはり2000年ごろです。
そのすぐあとの中国の高齢者人口の割合は、
まだそれほど急上昇というわけではなく、
「成熟した国」に追いつくのは2030-35年ごろ、
いまからあと15年後となりそうです。
前のエントリで少し触れたように、
中国はほかの「成熟した国」と比べて平均寿命が短いと
思われるので、それが高齢者人口の割合を、
あまり高くなくしているものと考えられます。
2030年代には平均寿命も伸びてきて
「成熟した国」並みになるのかもしれないです。