2018年11月06日

toujyouka016.jpg 東京医科大・もと受験生が集団請求

少し前のニュースですが、東京医科大学の
もと受験生たちが、大学に対して集団請求を起こしています。
東京医科大学の対応によっては、損害賠償請求訴訟に
切り替える可能性もあります。

「東京医大、元受験生20人が成績開示など集団請求へ 「史上まれにみる悪質差別」」

 
東京医科大が女性と多浪の受験生の得点を
不正に操作し、合格者数を抑えていた問題で、
「医学部入試における女性差別対策弁護団」は
10月24日、東京・霞が関の文部科学省内で会見を開いた。
まず元受験生約20人を代理し、成績開示や
受験料返還、慰謝料を求める「第1次集団請求」を
10月29日に東京医大に対して行うと表明した。
大学側の対応次第では損害賠償請求訴訟に切り替えることを検討する。

約20人は、現在も医学部入学を目指している受験生のほか、
既に他大に入った元受験生、他大の医学部に通っている元受験生、
既に医師になった元受験生などで、
2006年〜2018年度に東京医大を受験した。


もと受験生から弁護士への相談が、150件以上寄せられています。
担当している弁護士のところへは、「相談がつぎつぎと
送られてくる」というレベルではないかと思います。

第1次請求後も元受験生らの新たな相談に対応し、
必要に応じて第2次、第3次と請求をしていく方針。
弁護団では8月25日に実施したホットラインで受けた相談のほか、
メールや面談での相談を受け付けてきた。
10月15日時点の集計で、ホットラインとメールを
合わせると計154件の相談が寄せられた。

過去10年以上の受験生が点数操作の被害を受けています。
最後の2年だけで69人ですから、被害を受けた受験生
全部となれば、かなりの人数になるでしょう。

「東京医科大・点数操作の調査」

東京医科大(東京都)の不正入試問題で、
同大の第三者委員会は23日、今年と昨年の入試で
男女計69人の得点が本来は合格ラインに
達していたのに不正な得点操作などで
不合格となっていたとする第1次報告書を発表した。
このうち女子は55人で、14人は多浪の男子とみられる。


もと受験生からの相談で多いのは、受験料、交通費、
宿泊費といった金銭面に関することと、
合否の判定が公正だった場合、自分は合格したかを
知りたいという、情報に関することです。

相談は、「受験料返還を求めたい」
「公正に行われていれば合格していたのか知りたい」
「受験のためにかかった交通費や宿泊費の補償を受けたい」
などの内容が多かったという。

前にも少し触れましたが、情報に関することはすでに資料が
なくなっていて、確認できなくなっている可能性があります。
確認できない場合、確認したいもと受験生には
どのような対応をすることになるかと思います。


活動が長期化する見込みが出てきたので、
弁護団は活動資金の援助をつのっています。
協力したいというかたは、援助なさるといいでしょう。

「医学部入試における女性差別を認めない。弁護団活動にご支援を」
(はてなブックマーク)

期間は10月24日から12月28日の23時までです。
第1目標額の250万円はすでに集まっています。
11月6日現在、第2目標額の500万円も近くなっています。
事態を深刻と見て協力するかたは多いのでしょう。

衝撃が大きいのは無理もないことです。
世の中、不公平や理不尽なことは多いけれど、
大学受験くらいは公平だろう、少なくともほかの世界よりは
ずっと公平性は高いだろうと思っていたかたも
たくさんいらしたと思うからです。


この集団請求によって、ほかの大学の医学部が
どのように動くかという問題があります。
文部科学省はほかの医学部も調査をし、
不正な合否判定をしている大学を把握しています。
現時点では大学名を発表せず、大学からの自主的な公表を期待しています。

「ほかの医学部でも入試で男女差」

すでに入試不正が判明している東京医科大を除く
80大学を訪問調査し、年内をめどに結果を公表するという。
柴山氏は、疑いがもたれている大学名を明らかにせず、
大学側の自主的な公表を求めた。

集団請求や集団提訴を恐れてかえってだまりこむのか、
それとももう隠せないと覚悟を決めて、
自主的に公表するようになるでしょうか?

posted by たんぽぽ at 22:43 | Comment(0) | 法律一般・訴訟 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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